SCP-667
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手入れが行われる前のSCP-667-1

アイテム番号: SCP-667

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-667-1の一次サンプルは0.5平方キロメートルの領域に刈り込み、定期的な剪定によって現在の生育地外への拡大を防いでください。SCP-667-1生育地の周囲30メートルは全ての植物を除去し、不正侵入防止のためにフェンスで囲ってください。一般の旅行者がSCP-667-2と接触することを防止するため、生育地の周囲3キロメートルは立ち入り禁止としてください。監視にあたる職員は、封じ込めゾーンからの脱出を試みるあらゆるSCP-667-2実体を無力化するために殺虫剤や炎を用いることが許可されています。

SCP-667-2の活性化が観察されている期間中、メンテナンス職員は生育地から撤退してください。1個体の哺乳動物の成体または終了が予定されているDクラスを、無線またはGPSによる追跡装置を取り付けて生育地に導入してください。プロジェクトマネージャーの裁量によって、Dクラス職員にはAV機器を装備させることができます。SCP-667-2が不活性化するまで、1日に1個体のペースで給餌が続けられます。

O5の裁量によって、蔓の切断によって入手したSCP-667-1の追加サンプルを完全な封じ込め下において規定の範囲内で成長させることができます。現在、SCP-667-2の生きたサンプルを得るあらゆる試みは、その精神影響を無効化する手段が開発されるまで禁止されています。発見された全てのSCP-667-2の死体は、剖検、分析、保存のためにサイト-73へ輸送してください。

説明: SCP-667は、Pueraria lobata(クズ)に形態的に似た未知の蔓性顕花植物(SCP-667-1と指定)のコロニーと、昆虫とヒューマノイドの形態的特徴を兼ね備えた未知の飛行性動物(SCP-667-2と指定)で構成された共生体です。世界で唯一知られているSCP-667の実体は、米国南東部██████████, ██の北方およそ██キロメートルの原野に位置しており、手入れによって現在のサイズとなる前は██平方キロメートルを覆っていました。SCP-667-1内で発見された遺体骨格のフォレンジック分析は、SCP-667は19世紀後半にクズが米国に侵入した直後にこの地に導入されたことを示しています。

十分な栄養を与えられれば、SCP-667-1は通常のクズよりも遥かに高い成長率を示します。栽培下では、理想的な環境において1日に2.5メートルの成長が観察されました。SCP-667-1の根はほとんどあらゆる土壌と柔らかな有機組織に侵入することが可能で、成長経路にある樹木、建造物、自動車、動物などのあらゆる外来物質の表面を覆い尽くします。SCP-667-1の主要栄養源はヒトなどの大型哺乳類です。拡大過程で睡眠中や麻痺状態の動物、または動物の死体に遭遇すると、SCP-667-1は動物体の内部に急速に侵入し、死体を徐々に分解して代謝することでさらなる成長のための養分とします。SCP-667-1の蔓、花、根は大量のアルカリ化合物を含み、人間を含む全ての動物(SCP-667-2を除く)の食用に適さないことが確認されています。

成熟したSCP-667-2は全長およそ7.5センチメートルで、生物体を大きく見せている2枚の大きな翅を有しています。解剖から、SCP-667-2の内部形態はホタル科 (Lampyridae) に属する昆虫と類似していることが示されました。SCP-667-2の外骨格は小型化した人間によく似ており、生物体の胸部は外骨格の胸腔の中に、腹部と生物発光器官は脚の中に隠されています。SCP-667-2は雌雄が確認されており、雌のSCP-667-2はSCP-667-1の下の土壌に産卵し、孵化した幼虫は翌年に成虫となって地上に現れます。現在野生下にあるSCP-667-2成体は5,000個体以下と推定されていますが、手入れの前は██████個体に達していたと考えられています。

成熟したSCP-667-2はSCP-667-1の下または周囲にのみ生息し、SCP-667-1の花蜜を餌とします。獲物の不足によってSCP-667-1の成長が鈍った場合、数百匹のSCP-667-2の群れがコロニーを離れて中型から大型の哺乳動物に遭遇するまで飛行します。SCP-667-2の群れはほぼ夜間にのみ活動し、体全体から視認性の良い緑の生物発光を放ちます。SCP-667-2の群れを直視した全ての人間は、強力な催眠作用と群れを追跡したいという衝動を報告しており、これによって標的はSCP-667-1の現在の成長端へと誘導されることになります。ヒト以外の哺乳類も同様に、外部の刺激を無視して群れを追跡しようという衝動を示します。SCP-667-1の縁に到達すると、催眠を受けた個体は座るか立つかして群れを眺め続け、最終的に脱水、日射病、またはSCP-667-1に飲み込まれることで死亡します。刈り込みが行われた後の地面からは、███個体のヒトを含む、約██████個体の明確に識別できる哺乳類骨格が回収されました。

SCP-667は20██年、██州[編集済]に近い原野での行方不明者の急激な増加によって財団の注意を惹きました。米国林野局の職員はSCP-667-1を行方不明者の原因と決定し、その後にSCP-667-2の群れによる複数の職員の喪失が農務省内の財団連絡員に伝わったことで地域は財団の封じ込め下に置かれることとなりました。発見の時点でSCP-667-1は高い侵食性を示しており、10年以内に[編集済]の都市郊外に到達すると見積もられました。コロニーを管理できる大きさに縮小するため、およそ9█%のSCP-667-1が森林火災に見せかけて焼却されました。地域の調査から、SCP-667-1の拡大はほぼ直近20年間に起こったことが示されました。財団が現在用いている作業仮説は、この期間にSCP-667-2が地域に侵入してSCP-667-1との共生関係を発達させたことで、SCP-667-1は以前より遥かに高い成長率で拡大を始めることが可能になった、というものです。

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