SCP-672-JP
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アイテム番号: SCP-672-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル:全てのSCP-672-JP-Aは個別にビニールパッケージに封入の上、低危険度物品保管庫に収容されます。SCP-672-JP-Aの個数や損傷の度合いに変化がないことを確認し、収容状況の記録を行ってください。また、後述する方法でランダムに選ばれたSCP-672-JP-Aの機能実験を定期的に行ってください。SCP-672-JP-Aに実験以外で直接触れてはいけません。SCP-672-JP-Aを用いた実験を行う場合は、セキュリティクリアランスレベル3以上の職員の許可を得たうえで、必ず被験者の1メートル以内にDクラス職員を配置した上で行ってください。

SCP-672-JP-Bのオリジナルは低危険度物品保管庫に収容してください。SCP-672-JP-Bのキャプチャデータは、財団のデータストレージに保存されます。SCP-672-JP-Bのキャプチャデータの閲覧は、セキュリティクリアランスレベル1以上の職員ならば許可されています実験以外では禁止されています。

SCP-672-JPに類似する製品が発見された場合は、即座に販売元を特定し、対象の回収と関係者への入念なインタビューを行ったうえで記憶処置を施してください。

説明:SCP-672-JPは、3キログラムのダンベル(SCP-672-JP-Aと指定)32個と、16本のVHSビデオテープ(SCP-672-JP-Bと指定)です。SCP-672-JP-Aは鉄を主体とする詳細な成分が不明な合金で製造されており、重り部分に『DR』の文字を意匠化したロゴシールが貼られています1。SCP-672-JPの異常性は、SCP-672-JP-Aに直接触れた状態で、SCP-672-JP-Aを単に保持している以上の力で運動すると、使用している筋肉が著しく発達する一方で、それ以外の筋組織が萎縮する点にあります。筋組織の増大と萎縮はほぼ等量であることが実験により判明しています。また、実験の結果以下の事実が判明しています。

  • SCP-672-JP-Aの効果による増大及び萎縮の対象となる筋組織は、横紋筋や平滑筋、随意筋、不随意筋の区別がありません
  • SCP-672-JP-Aを右手に握った状態で、右手以外の部位を運動させた場合、その部位の筋組織が増大します
  • 運動している部位の筋組織が増大し、一部分の筋力が向上するが、横隔膜や心筋の萎縮による呼吸停止、心停止の可能性があります
  • 全身を均等に運動させた場合は全身の筋組織が増大しますが、周囲の人物のうち最も近くにいる者の筋組織が萎縮します
  • 全身運動によってSCP-672-JP-Aを保持していない人物の筋組織の萎縮は、最大12kmの距離を置いても確認されました

SCP-672-JP-Bは、SCP-672-JP-Aを用いた効率的な全身運動を指導するVHSビデオテープです。再生時間は90分で、ミスターマンを名乗る身元不明の男性がSCP-672-JP-Aを保持し、同様に身元不明の男女3名と共に体操をする内容となっています2。SCP-672-JP-B自体には異常性がありませんが、SCP-672-JP-Bの指導に従って運動することで、周囲の人物の筋組織の萎縮と引き換えに、不随意筋である心筋はもちろん消化器を構成する平滑筋を含む全身の筋肉を増大させることが可能です。また、SCP-672-JP-Aを用いた運動をせずにSCP-672-JP-Bを視聴すると、全体重の1%程度の筋組織の萎縮が生じることが確認されています。

SCP-672-JP-AとSCP-672-JP-Bの併用により、容易に全身の筋組織を肥大化させることが可能ですが、骨格や血液には変化が及ばないため、SCP-672-JPの濫用は骨折や急性の貧血を生じさせることが判明しています。また、筋組織の肥大化による筋力の向上は確認されていますが、運動能力の向上につながった例は報告されていません。これは、急な筋力の向上に脳や神経組織が対応できていないことによると考えられます。

SCP-672-JPが発見されたのは、岡山県████市にの████████ハイツにおける集団消息不明事件によるものです。全8世帯が居住する████████ハイツにおいて、合計14名が職場や学校を無断で欠勤、欠席したことにより、████████ハイツの大家である████氏が警察に通報したことで、通信を傍受していたエージェントが異常を察知し、財団の関与するところとなりました。地元警察に潜入中の財団職員が████████ハイツの一室に足を踏み入れた所、生命活動を停止した住民を発見しました。発見時の状況から長期の飢餓状態による餓死だと考えられましたが、検死の結果心筋の萎縮による脈拍の停止によるものだと判明しました。また、████████ハイツの203号室において、SCP-672-JP-AとSCP-672-JP-B及び、全身の筋肉のが異常な肥大化により体重が████kgに達した203号室の住人の遺体が回収され、SCP-672-JPの異常性が判明しました。なお、SCP-672-JPを所持していた男性について調査が行われましたが、身元の特定には至りませんでした。遺伝子、指紋、虹彩のデータについては財団の身元不明者リストに登録されています。

SCP-672-JP-Aのロゴや、SCP-672-JP-Bに加えられた改変から、ワンダーテイメント博士などの要注意団体の関与が推測されていますが、断定には至っていません。

補遺:

SCP-672-JP-Bの内容(抜粋)
再生開始~3:58まで

[黒一色の背景に緑色の文字で『ミスターマンの体つくり講座 ダンベル体操編』と記されたタイトル画面が0.27秒間表示]

[0.8秒の砂嵐]

[黒一色の背景にオレンジ色の文字で『博士のミスターマン必殺ダンベル体操』と記されたタイトル画面が表示される]

[青空が表示される]

男性Aの声:ぽ、ぺ、ぷ、ぱ、ぴ、ぷ、ぴ、ぷ

女性Aの声:ぱ、ぷ、ぽ、ぴ、ぽ、ぷ、ぱ、ぽ

[青空を映していたカメラが下に向けられ、大分県大分市の████公園の芝生広場と思しき場所で、身元不明の男性と女性が向かい合って体操のようなものをしている様子が映される]

男性A:ぱ、ぷ、ぽ、ぺ、ぽ、ぴ、ぱ

女性A:ぴ、ぷ、ぽ、ぱ、ぽ、ぷ、ぱ

[画面左手より身元不明の女性が画面内に入る]

女性B:何をしているのですか?

男性A:手足の運動です

女性B:手か足の運動ですか?

女性A:手と足の運動です

女性B:どちらか片方だけにしましょう

[画面下方より身元不明の男性が顔を出し、これまでに登場していた三名を遮る]

男性B:やあみんな!体つくり、してるかい?毎度おなじみ

[男性Bを含め、画像のみが一時停止]

男性Bの声:は、か、せ、の3

[画像が再開する]

男性B:ミスターマンの体つくり講座だ!

男性A、女性A、B:あっ!あそこにミスターマン!

男性B:今回はダンベルを使って、楽しく元気に体つくり!

18:15~20:15まで

[男性A、女性A、Bを背に、SCP-672-JP-Aに酷似したダンベルを両手に持った男性Bが立っている]

男性B:これで基本の体操はおしまいだ!皆、どう動かせばどこが体つくられるのかわかったかな?

[男性Bは2秒間静止した後、一回頷く]

男性B:そうだ!いい返事だ!それではこれから、全身を体つくるための体操を伝授しよう!まずは、ダンベルを持ったままその場跳びの運動!

[男性A、B、女性A、Bがタイミングを合わせてその場跳びを開始する]

男性B:テンポを保って調子を整え、自分のペースでその場跳び!イチ、ニ、イチ、ニ!基本の運動で学んだ手足の開閉で、両手足の動きを感じるんだ!

87:30~89:12(再生終了)まで

[男性A、女性A、Bを背景に男性Bが立っている。男性A、女性A、Bは再生開始時点より明らかにやせ細っている一方、男性Bは体格がよりたくましく変化している]

男性B:以上が全身の体つくり体操だ!簡単だったろう!?

[男性Bは2秒間静止した後、一回頷く]

男性B:そうだ!だが、続けることが難しい!毎日一回、体つくり体操をして、皆も体つくろうじゃないか!そしてこの体つくり講座じゃ物足りない、またはちょっと難しいと感じた諸君らに朗報だ!今なら

[男性Bが画面外から何かを受け取ろうとした瞬間、画面が暗転]

[再生終了]

SCP-672-JP-A効果実験記録

実験対象:D-3412
実験方法:SCP-672-JP-Aを実験対象の右腕に保持させ、右腕の曲げ伸ばし、左腕の曲げ伸ばし、屈伸をそれぞれ10回ずつ行わせる
実験結果:右腕、左腕、両脚の順に部位の筋組織発達による肥大化が見られた。しかし、ある部位が発達するのに合わせて、他の部位が萎縮する様子が見られた

実験対象:D-3412
実験方法:SCP-672-JP-Aを実験対象の右腕に保持させ、右腕の曲げ伸ばし運動を20回行わせた
実験結果:実験対象の右腕が左腕の倍ほどの太さになった。握力を測定したところ、右腕は実験前の52kgから97kgに上昇していた。しかし左腕の握力については48kgから21kgに下降し、脚力や背筋力、腹筋などの成績も大幅に低下していた。

実験対象:D-3412
実験方法:SCP-672-JP-Aを実験対象の右腕に保持させ、右腕の曲げ伸ばし運動を5038回行わせた
実験結果:曲げ伸ばし運動の25回目から対象の心拍数が上昇した。また、呼吸も徐々に荒くなった。しかし心拍数と呼吸数が上昇する一方で血圧や一回の呼吸量は低下していた。最終的に38回目の曲げ伸ばし運動を終えた時点で、実験対象が昏倒し、実験が中断された。
考察:検死の結果、心筋の萎縮による血圧の低下により、脳虚血状態からの昏倒に陥ったと判明した。

実験対象:D-3418、D-5513
実験方法:SCP-672-JP-AをD-3418に保持させ、SCP-672-JP-Bを視聴させながら運動をさせる。D-5513は同じ実験室内にて待機させる。
実験結果:SCP-672-JP-Aの効果により、D-3418のほぼ全身の筋組織が肥大化した。一方D-5513は筋力の低下により、歩行に介助を要する状態となった。体重の変化としては65kgから75kg、68kgから58kgであった。

実験対象:D-3419、D-5514
実験方法:SCP-672-JP-AをD-3419に保持させ、SCP-672-JP-Bを視聴させながらの運動を、二回繰り返させる。D-5514は同じ実験室内にて待機させる。
実験結果:二回目の運動の途中でD-5514が昏倒した。引き続き実験を行ったところ、D-3419の体重は62kgから95kgに変化した。D-5514の体重は58kgから26kgまで減少しており、解剖の結果体内の筋肉が九割方失われているのが確認された

実験対象:Dクラス職員十一名
実験方法:SCP-672-JP-AをDクラス職員一名(D-3420)に保持させ、SCP-672-JP-Bを視聴させながらの運動を、83回繰り返させた。
実験結果:待機中のDクラス職員十名は2回目の再生中に直立できないほどに筋力が低下した。一方D-3420は順調に全身の筋組織が肥大化した。そして3回目の再生が終了し、4回目の再生を開始しようとした時点で、突然大腿骨を骨折し、転倒した。その後D-3420は立ち上がろうとしたが、身動きの度に全身の骨格が損壊し、痛みによって失神した。回収されたD-3420の体重は3██kgに達していたが、回収された骨格の破片を解析したところ、支持可能な体重を2█%以上上回っていることが判明した。

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