SCP-673
評価: +9+x

アイテム番号: SCP-673

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: どの様な生体組織もSCP-673が存在している間、その主要収容エリアに立ち入ってはなりません。除染および検査を行なう個室によって隔てられた、2重のエアロックシステムが常に維持されなければなりません。故障や停電の間は即座に収容セルを封鎖しなければならず、サイトのセキュリティ職員による再調査の後にのみ解除されます。収容セルに存在していた機具は、再使用の前に殺菌され、最低でも2週間は隔離されます。

収容セルのメンテナンスはSCP-673が一時的な収容セルへ取り除かれた後にのみ行われます。化合物NioX-9によりすべての表面は手当てされ、全ての成長しすぎた場所は取り除かれ、再構築されます。SCP-673が主要収容セルへ戻される最低12時間は前に、全ての職員は収容セルから立ち退かなければなりません。SCP-673の除去後、一時収容セルは48時間NioX-9により水浸しにされます。

SCP-673の独立した個体は発見後可能な限り早く切除され、分離されます。切除後5~8時間以内に新たに切除された個体の評価が行われます。評価後、研究や生産、その他の価値が無いと判明したSCP-673個体は即座に焼却されます。メインの収容塊に戻された個体は、セントラルレコードと共に記録されます。

収容エリアやその内部で働いている全ての職員は与えられた仕事が完了すると、即座に隔離されます。隔離された被験者の観察は最低でも2週間続きます。異常な行動や成長、その他のSCP-673による症状が被験者に見られた場合はサイト司令部に報告され、最終的な評価のために被験者は拘束されます。

説明: SCP-673は有機組織の塊であり、完全にランダムな集合体に見える形に接続されています。これらの組織には、例えば心臓や消化管、血管、脳などの認識できる構造を含んでいますが、多くの組織構造はその構成や目的が識別できません。組織構造はまたその増大したサイズも注目に値し、通常のサイズに比べて20から50倍の大きさがあります。サンプルに対する実験ではSCP-673の基礎構造には通常の有機体の中に対応するものがなく、あらゆるDNAや通常の細胞構成物を欠いていることが示されています。

組織はあらゆる外部の刺激や物質の必要なしに動作するようであり、数日間血液や神経接続がなくとも"心臓"は鼓動し、切除され、完全に水中に入れられた時ですら"肺"は伸縮を継続します。組織は、主要な塊から隔離されると、腱や薄い骨のように見える構成物を使用して壁や床、天井一面を突き破り広がりながら、周囲の構造へ"成長"します。組織は無期限に"動作"し、露出している臓器に関連する通常の腐敗は発生しません。

SCP-673は未知の手法による感染性があるようであり、物理接触だけが継続的に観測されている感染手段です。"空気"感染の事例が報告されていますが、極度にレアなケースです。SCP-673は有機組織を"好む"ようですが、有機物に比べて遅い速度で非有機構造を統合していきます。実験では非有機物の構造に従った大雑把な方針と共に組織統合が進行しているようであることが示されています。パイプは血管や消化管、梁は骨のような支え、戸口は弁、といった具合です。SHeLLプロジェクト[2]では、十分な空間と十分な量の有機素材があれば、SCP-673[削除済]が示されています。


補遺:
[1] 注: 人間の組織でない臓器が支配的になることは、識別不能な行動を導く可能性があります。人間のものでない組織を生産する被験者の全ての記録は即座にセントラルレコードへ再拘留されます。全てのSCP-673被験者は収容の間継続的に観測され、記録されます。

[2] SHeLLプロジェクトの完全な記録のはO5の審査を待って利用可能となります。レベル4クリアランス職員への部分的文書請求はセントラルレコードによる承認待ちです。


文書88-9-R: 感染の進行

全事例の内96%において、感染の初期ステージは接触時に発生しました。SCP-673との物理接触は被験者に対して接触部位に小さな発疹を発達させ、それは2時間以内に消えていきます。被験者は接触後4~5日経つと異常な行動を見せ始め、その行動は感染が進行するに連れてはっきりとしてきます。感染により行動は異なりますが、共通の症状には食欲の増加、パラノイア、不適当な食欲、性欲の増加が挙げられます。進行や発達に一貫した行動はありませんが、行動は臓器支配の最終段階に関連しているようです。

感染の中期ステージは変動的で、多くは通常初期接触から2~3週間後に観測されます。被験者は体格の歪み、髪/爪/皮膚の損失、骨密度の減少、機能障害、異常な骨の成長、発疹、体液の増加/減少、全体的な筋萎縮などの生理的な変化を見せ始めます。被験者は"臓器支配"を示し始め、体のいくつかの部分が膨らみ、急速に周りの組織を吸収していきます。被験者の行動はこれらの場所の周りに集中し始めていきます(例:"胃支配"にある被験者は継続的に暴食を行い、"心臓支配"の被験者は長期に渡る、暴力的でリズムのある痙攣を行ないます)。[1]

SCP-673の最終ステージは初期接触後5~6週間後に始まります。被験者は支配臓器の成長に完全に統合されていきます。被験者は通常この段階において運動力や会話能力を失います。被験者はもはや食事や酸素などの基本的に人間が必要とする物を要求しないようであり、メイン臓器についた寄生虫のように振る舞います。形成されたSCP-673臓器に体の組織は吸収、統合されていき、最終ステージ開始から24~48時間後に完全に吸収されます。この時点で残った意思や知能は無視できるものとみなされており、多くの"感情表現"は2週間以内に消えます。


文書OO-3: プロジェクトスタッフへのSHeLLプロジェクトメモ:

SCP-673の塊による"攻撃"の事例は、ほぼ全てのSCP-673個体に観測されるランダムな臓器の痙攣に起因することが簡単に分かることを書き記しておこう。このような出来事を、特にセキュリティ文書において"攻撃"として記述することは、危険と言っていいほどに無責任なことであり、将来的に懲戒処分が下されるだろう。

SCP-673の塊は多くの場合明らかに神経系を欠いており、"意思を保有"することはない。"逃亡の試み"や"コミュニケーション"の事例は擬人感や誤同定の明確な例であり、このため研究トピックとして適切ではない。神経系クラスタとの"会話"を行なう提案は、プロジェクト司令部の審査と統率を必要とする。

キンダー博士の"事例"は、プロとして対象から一定の距離を保ち、論理的思考を行なうことが必要であることを示すことに十分な例である。新たなプロジェクトリーダーは1週間以内に任命され、暫定的な統制はアーロン博士が執り行う。

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