SCP-674
評価: +6+x

アイテム番号: SCP-674

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 実験を行わない時は、SCP-674は保管サイト-23にて鍵の付いたプラスチック製の箱に収められます。SCP-674のコードは動作する上で必要無く、巻かれて結ばれた状態を保たれます。674は使用者以外に脅威をもたらすことはありません;しかし、財団に対するセキュリティ上の潜在的なリスクを持っていることが実証されています。それゆえに、万一674周辺にてセキュリティ侵害が発生した場合、現場職員の判断にてオブジェクトの破壊が許可されます。脅威性の検証と、情報収集機器としての利用の可能性を確かめるための実験は継続中です。

説明: SCP-674は任天堂製ファミリーコンピューターの周辺機器である"光線銃"で、北米にて1985年以降にファミリーコンピューターと共に販売されたモデルと一致します。674には典型的な摩耗や傷、かつての持ち主が外装を開けて中を覗こうとして失敗した形跡などが見られます。この機器は破壊不能ではなく、負荷テストの結果も通常通りでした。機器の分解・組み立ての結果、異常なパーツや内部の改造は発見されませんでした。清掃や部品のメンテナンスを行うことにより命中精度の向上が図られるように見られますが、画面の右端を狙った際に生じる盲点を消し去ることは出来ませんでした。

SCP-674を映像画面に向けて発射すると、使用者は画面に表示された場面に向けて発砲したような感覚を覚えます。場面内の物体は、ライブ映像であろうと録画の映像であろうと、状況に応じたふさわしい反応をします。撃たれた人間は死ぬか怪我をし、他の人間はしゃがんだり、物陰に隠れたり、カメラに写っている範囲から逃げ出そうとします。この現象は映像の外の現実とは対応せず、674の使用者以外は変化を感じ取らないということに留意せねばなりません。テレビの中の架空の人物は彼らの設定にある要素と一致するような反応をし、一方ニュースレポートやドキュメンタリーの場合は現実に即した反応をします。それ故に、インタビューを受けている役者への発砲と、同じ役者がSF映画で無敵のサイボーグを演じている間での発砲の結果は異なるものとなります。

アニメのキャラクターにも影響は及びますが、「アニメの中の理屈」1により、撃たれたキャラクターが突然煙に包まれた後ススに覆われて出てくるような場合から、[データ削除済]ような場合まで、幅広く極めて予測しがたい結果をもたらします。

最も特筆すべきSCP-674の使用効果は、利用者に永続するような、非常に常軌を逸した体験を見ている者にもたらすことです。被験者がこの機器を連続テレビ番組のキャラクターを撃つのに使用すると、使用者はその番組の続きのエピソードを改変してしまったことを永久に知覚します。撃たれた人物は死亡するか負傷したままとなり、他の人物はそれに伴った反応をします。この効果は、1度でも使った後ならば、曝露していない時でも継続します。ある時点において、架空のキャラクターはお互いのことや、『第四の壁』2を超えて見ている人間についての広く説明的な会話3を行うため、機密情報漏えいの可能性を秘めています。詳細については補遺を参照して下さい。

補遺: SCP-674は引きこもりがちな生活を送る33歳白人男性のM████ S███████の自宅から回収されました。S███████は自身の過激な政治ブログにて、自身の手で██████ █ ████元大統領や██████元副大統領を含むアメリカ連邦議会の半分のメンバーと、4名の最高裁判所関係者、さまざまなニュースキャスターやトーク番組の司会者、政治評論家を暗殺したことを主張したために財団の注意を引きました。S███████氏は軍警察国家4を回避するためにSCP-674を使用したことを主張しました;しかし、この機器を多くの有名人の"暗殺"に使ったことで、目的に反するビデオ内の現実を彼は体験しました。彼の最後のブログの投稿記事は国際秩序の崩壊、戒厳令、そしてSCP-███やSCP-███が解放されたときに生じると予測される詳細な大災害についての説明でした。

S███████氏は、財団についての先行知識を手に入れ、エージェントの待ち伏せをし、ホームセキュリティシステムのモニターに映ったエージェントに向けてSCP-674を発砲したことを主張しました。これは、もちろん、まったくもって効果は無く、エージェントは彼を拘束し、SCP-674を奪取しました。質問の最中、S███████氏はSCP-674の性質について、連続カートゥーンアニメ██████████のメインキャラクターが学士帽を被って地理学についての歌を歌っているところを手持ち無沙汰だったのでSCP-674で撃ってみたらその性質に気付いたと言いました。彼は、キャラクターが復活した後、キャラクターが人指し指を振って、彼に対して「機器を撃ち続けるとSCP財団が”捕まえにくる”」ことを警告し、その後歌に戻ったと主張しました。

S███████氏は拘置中に死亡しました。監視カメラの映像によると、彼は収容セルの監視カメラに向けて白熱した一方的な論争を行い、その後.38口径の拳銃弾に倒れました。

実験ログ SCP-674-1

この文章記録はDr. ██████の個人区画にあった、部分的に溶解した彼のラップトップのハードドライブから回収されました。Dr. ██████はSCP-674を実験のために持ちだしており、それも同様に彼の個人区画から発見されました。Dr. ██████の行方は分かっていません。

[データ破損]
―スクリーンの長さを13%拡張する。ワイドスクリーンテレビは小さなスクリーンに比べて大きな盲点を持つ―
[データ破損]
―私に撃てない画面の隅で叫んでいる―
[データ破損]
―ークが何発撃っても下に降りてこない、せいぜい彼の肩に当たるか、近くにいるレッドシャ―
[データ破損]
―コッティが左の壁に押さえつけられている、安全な盲点―
[データ破損]
―ポックが位相転換機で”極を逆にした"と主張―
[データ破損]5

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