SCP-675-JP
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SCP-675-JP曝露者の脳のCTスキャン画像。赤線で囲われた部分が融解していることが確認できる。

アイテム番号: SCP-675-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 全てのSCP-675-JPはサイト-8122の冷蔵用低脅威度物品収容ロッカーに保管されます。SCP-675-JPの変性を防ぐため、ロッカー内の温度を3℃(276K)に保ってください。SCP-675-JP曝露者発見の為、回収部隊つ-13("大杯呑み")が全国の救急搬送事例と、脳外科及び精神科の診療記録を常時監視しています。SCP-675-JP曝露者と認められた場合、回収が行われ、対象は失踪または死亡したものとして扱われます。担当者の許可なく、SCP-675-JPの実験を行うことは禁じられています。

説明: SCP-675-JPは、一般的に日本酒(sake)と呼ばれる種類のアルコール飲料です。SCP-675-JPには高純度のミネラル及びアミノ酸、タンパク質、糖分が含まれ、通常の日本酒とは組成が大きく異なりますが、SCP-675-JP自体には如何なる異常な点も見受けられません。全てのSCP-675-JPは一般的な規格の瓶に封入され、「大吟醸 幸ぃのう」のラベルが付けられています。現在までに74本のSCP-675-JPが発見され、内68本が保存されています。

SCP-675-JPの異常性は、GABA-A受容体1を持つ生物がSCP-675-JPを摂取した時に発現します。SCP-675-JP摂取により血中アルコール濃度の上昇があり、かつ血中アルコール濃度が0.10%以下の場合、時間経過に従い対象の大脳皮質が融解していきます。この融解は一般的な脂肪の熱融解プロセスに酷似しており、影響を受けた脳細胞は不可逆な損傷を受けます。現在までの調査では、血中アルコール濃度0.10%の状態を約3時間保持すると、対象の全ての大脳皮質が完全に液状化することが判明しています。大脳皮質融解の影響として、呂律が回らなくなる、バランス感覚が失われる、記憶が欠落する、等の影響が現れます。

血中アルコール濃度が0.10%を超えた場合、融解は白質まで拡大し、未融解の脳下部を圧迫しだします。白質の融解、小脳の圧迫、及びそれらに伴う髄圧の異常上昇により、対象の言動はより常軌を逸したものとなります。同時に、対象は最早自身の足で自立不能になり、脳機能の低下が顕著になっていきます。脳細胞の融解が進行すると、対象は極度の悪心に襲われ、多くの場合嘔吐します。対象の脳細胞はこの時点で既に十分に液状化しているため、嘔吐を試みた対象の眼球を押し出し、もしくは対象の鼻孔内の穴から口腔へと流出し、外部へと漏れ出します。このプロセス中に対象が死亡することはありません。

SCP-675-JPを摂取した者は一様に、“過去飲んだ中で最も美味しいお酒である”と証言し、アルコールによる正常な反応以上に多幸感を得ることが分かっています。この為対象はより多くのSCP-675-JPを消費する事を望み、結果として大脳の完全な融解という結果を齎します。また、他者にSCP-675-JPを飲むことを強く勧める傾向にあります。SCP-675-JPによる全ての対外的な影響は、一般的なアルコールによる酩酊状態と外見上の差異が無いため、対象自身を含め周囲の人員が異常に気付くことはありません。アルコールの分解が終了した後、対象は通常通り酩酊状態から回復しますが、現在まで融解した脳細胞を戻す試みは全て失敗に終わっています。

回収記録: ██市にある居酒屋チェーン店████で飲食した客が急性アルコール中毒で搬送された際、CT検査にて当該被害者が“脳無し”であることが発覚した事から、SCP-675-JPの特定に繋がりました。████で飲食した全ての客の追跡調査が行われ、内██人がSCP-675-JP曝露者として回収されました。その後カバーストーリー『急性アルコール中毒による死亡事故』が適用され事件は収束しましたが、未回収のSCP-675-JP曝露者の人数は未知のままです。

当該居酒屋店から数100m離れた路上にて、SCP-675-JP犠牲者と見られる男性に対し、鼻孔上部に管状の棒を突き刺し[削除済]、不審な男が発見されました。外見上は酩酊者を介抱している様に見えましたが、犠牲者が終始奇声を上げていたため、周囲を巡回中だったエージェント・山嵐がこれを不審に思い、男を拘束した後にインタビューを行いました。インタビュー記録をインタビュー記録SCP-675-JPに示します。

回収されたSCP-675-JPは、後の調査にて秋田県に存在する男鹿██酒造による製品であると判明しています。当該酒造への調査が入りましたが、男鹿██酒造の全ての従業員はSCP-675-JPの影響を受けていたため、SCP-675-JP製法の詳細は未だ分かっていません。断片的な情報から、男鹿██酒造の従業員達が"幸福な世界の実現"、"脳髄による支配からの脱却"という思想を持っていたことが判明しています。男鹿██酒造は周囲の村々にSCP-675-JPを配ることで信頼を得ていたことが分かっています。これらSCP-675-JPは後に財団により回収されました。残存する書類からの、製法解析の試みは継続中です。

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