SCP-678-JP
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コースター

SCP-678-JP。

アイテム番号: SCP-678-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-678-JPはエリア-81██内の低危険物収容ロッカーに折り曲げられた状態で保管されます。またSCP-678-JPの半径1m範囲内に集塵装置を設置し、定期的にフィルターを交換してください。この際使用済みフィルターは焼却処分を施してください。

説明: SCP-678-JPは毛糸で構成されている約150×110mmのコースターです。青・緑・白の3色の毛糸が用いられており、成分検査では一部より[削除済み]成分が検出されていますが99.8%は既存のアクリル系繊維のものと一致しています。

SCP-678-JPの上に液体あるいは固体の物質がSCP-678-JPと接触した状態で存在している場合(この物質を対象と呼称)、対象に働く重力加速度が急激に減少し、最終的にゼロになります。この影響はSCP-678-JPと接触している間のみ働き、また対象に接触している物体は同様に影響を受けます。SCP-678-JPが影響を与えられる物質の限界量は体積にして██m3であり、これを超過する量の物質の場合、異常性を発揮しなくなります。

SCP-678-JPは折り曲げる・丸める等の変形を行った場合、特異性を発揮しないことが判明しています。

実験記録678-JP-001 - 20██/██/██

対象: 水で満たしたグラス

実施方法: SCP-678-JP上に載せる。

結果: 水面が徐々にせりあがった。ある程度まで膨らむとそれ以上の変化は無かった。

実験記録678-JP-002 - 20██/██/██

対象: 加速度計

実施方法: SCP-678-JP上に載せる。

結果: 少しの時間の後0m/s2を表示した。

実験記録678-JP-003 - 20██/██/██

対象: 電子秤、食塩10mg

実施方法: 食塩を電子秤に載せた状態で電子秤ごとSCP-678-JP上に載せる。

結果: 少しの時間の後電子秤は0gを表示した。またこの際研究員の息が誤って食塩に吹きかかり、食塩が電子秤よりこぼれた。食塩は実験室の床へと落下した。

実験記録678-JP-005 - 20██/██/██

対象: 実験用ラット

実施方法: SCP-678-JPの上に乗せ、対象とSCP-678-JPを拘束具で固定する。

結果: はじめ対象は動揺した様子を見せ、もがいていた。拘束具を外しSCP-678-JPから離すと対象は問題なく活動した。

実験記録678-JP-006 - 20██/██/██

対象: D-3835

実施方法: SCP-678-JPの上に乗せ、対象とSCP-678-JPを拘束具で固定する。

結果: はじめ対象は"落ちる!助けてくれ!"といった旨の発言を繰り返し、非常に取り乱している様子であったが、実験開始から█分後に気絶したため実験は終了された。

分析: これはただ単に重力加速度がゼロになっているだけで落下は発生していないが、肉体がそう錯覚してしまったのだろう。今後の実験は十分に訓練を行ったDクラス職員で行うこととする。 -木林博士

実験後の清掃の際にDクラス職員が"埃っぽい"と報告しましたが、確認したところ何の異常もありませんでした。問題ないとは思いますが念のため追記しておきます。 -花海棠研究員

実験記録678-JP-008 - 20██/██/██

対象: D-3850

実施方法: SCP-678-JPの上に乗せ、対象とSCP-678-JPを拘束具で固定する。

付記: D-3850はあらかじめ高所からの落下に耐えるための訓練を施されていました。

結果: 以下は実験の音声記録です。


<記録開始>

[D-3850がSCP-678-JPに乗せられる]

D-3850: うおっ!?

木林博士: どうした?

D-3850: いや……ただ落下するような感覚がしたんだ。まるでここの床が幻で、無限の奈落に落っこちてしまったような感じだ。

木林博士: 今はどのような状態か?

D-3850: 周りの風景は何にも変わらないが……相変わらず落下感だけは残ってる。どんどん落ちてる。……博士、これ本当に大丈夫だよな?

木林博士: 大丈夫だ。君の足は両方とも地面についている。

D-3850: なら良いけども……何だか変な感覚だ。

木林博士: 何か変化があればすぐに報告してくれ。

D-3850: 分かった。

[以後約1時間、視界が白んでいること以外対象からの目立った報告は無かった]

木林博士: 異常は無いか。

[約█秒の沈黙]

D-3850: ああ……特に問題は無い……

木林博士: そうか、だが反応が遅いし妙に声がゆっくりだぞ。

[約██秒の沈黙]

D-3850: 博士……もっとゆっくり喋ってくれないと聞こえない……

木林博士: どうした、疲れているのか。

[約██秒の沈黙]

D-3850: いいや……特に……

[以後約██分間沈黙が続く]

木林博士: 大丈夫か? 瞬きもせずによくじっとしていられるな。

D-3850: ……

木林博士: おい。

D-3850: ……

木林博士: 気絶しているのか? 一旦実験を終了する。

<記録終了>


実験終了後SCP-678-JPより降ろされた対象はすぐさま活動を再開し、"随分と早く実験が終わった"と証言しています。

分析: 重力加速度がゼロになるだけであれば無重力感を感じるだけだが、対象は確かに"落ちている感覚"を訴えた。我々のまだ知らない特異性が存在するのかもしれない。また、長時間SCP-678-JPに晒されていると対象の生体活動が低下するらしい。これは反応の遅延、心拍数の低下、瞬き数の減少等から明らかである。人体の長期保存に有効かもしれない。更に長時間の実験の必要があるだろう。 -木林博士

実験記録678-JP-010 - 20██/██/██

対象: D-3860

実施方法: 対象に肉体の状態を計測する機器を装着し、SCP-678-JPの上に乗せ、対象とSCP-678-JPを拘束具で固定する。

付記: 対象はあらかじめ高所からの落下に耐えるための訓練を施されていた。

結果: 実験開始から約2時間後、対象が消失したため実験は終了された。以下は実験の音声記録です。


<記録開始>

[保安職員に連れられた対象がSCP-678-JPに乗せられようとする]

D-3860: 博士聞いてくれ俺は時間を……!!

[対象がSCP-678-JPに乗せられる]

木林博士: ん、どうしたのかね。

D-3860: [激しく動揺したような表情で不明な音声を発する]

木林博士: 落下の訓練は受けたはずだ。今更動揺することはないだろう。

[以降対象は約██分に渡り激しい動揺、不明な発声を行うが次第に沈静化してゆく]

木林博士: 気分はどうだね?

D-3860: ……い……ろ……ど……も……た……

木林博士: どうしたんだ?

D-3860: ……お…………う…………な………………き………………じ……

木林博士: さっきから何を言っている?

[以降対象の発声の間隔が伸びてゆく]

木林博士: 対象の精神状態に多少の懸念はあるが、生体活動の状況は概ね予測通りだな。

D-3860: …………

[以後約██分間沈黙が続く。対象に取り付けられた計器の表示にも異常は見られなかった]

木林博士: 2時間を突破したが……D-3860、答えられるか?

D-3860: [反応なし]

木林博士: うむ、まあ予想通りの反応だ。

[対象が消失する]

木林博士: なっ!? 消えた!

木林博士: 実験を中止する! Dクラスの行方を捜索しろ!

<録音終了>


 
補遺: SCP-678-JP収容以降、サイト-81██勤務の職員からジャーキング1が入眠時以外にも頻繁に発生するとの報告がなされました。調査の結果ジャーキングの発生数はSCP-678-JP収容時を起点として約4倍に増加していることが判明し、追加調査が行われました。結果、サイト内の空調設備よりSCP-678-JP由来のものと思われる繊維が検出され、一部は[削除済み]を形成していました。これを受け、特別収容プロトコルが改訂されました。
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