SCP-693
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thephanthomwriter

SCP-693-3B

アイテム番号: SCP-693

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-693のすべての実例は安全であると考えられるため、実験に参加する研究員はSCP-693をそれぞれのオフィスに保管します。 事件693/A/050を受け、SCP-693のすべての実例は使用しない場合、標準的収容ロッカー12C-Kへ返却します。

事件693/E現在、SCP-693のすべての実例はEuclidとして再分類されました。このことから、SCP-693の各実例は25cmx25cm×25cmの鋼鉄製収容ボックスへ個別に保管します。各収容ボックスは標準的収容ロッカー12C-Kへ保管します。

SCP-693の実験を行う際は、被験者の頭部から採取した毛髪のみを使用することが必須の手順です。どのような状況でも研究員が同調状態にあるSCP-693に直接接触することは推奨されません。すべての毛髪は実験に割り当てられたDクラスによってSCP-693から取り除き、研究員へ返却されます。

説明: SCP-693は全長18cmの人型人形のシリーズで、一つ一つが一本の糸から編んで作られており、目には黒色のビーズが使われています。いくつかのSCP-693の実例には衣類の変化が見られ、糸で織られたシャツやパンツ、布製のヘッドバンドや帽子などの例が存在します。この衣類はSCP-693の特性に影響を及ぼさないと思われます。SCP-693の新たな実例は添付された使用説明書と共に発見されています。その内容については補遺693/Aで詳述しています。

SCP-693は通常時は普通の人形ですが、その時点で生きている人間の頭部から採取した毛髪を糸の輪に通すことで同調と呼称されるプロセスを開始します。(死亡した人物から採取した髪を使用した際の反応に関しては補遺693/Bを参照してください)この時点で人形は自身の意志を持って動き出し、同調した人物の現在の動作を演じ始めます。SCP-693はあらゆる発言もまた投影し、まるで自身がその人物であるかのように振る舞います。SCP-693は9日間に渡って同調した人物の全行動と全発言を確実に描写します。

9日後、SCP-693の行動と発言は不正確になり始めます。体の糸の色にしたがい、SCP-693は同調した人物の行動を不正確に表現しながら、現在の所有者(この場合の所有者とは毛髪を人形に差し込んだ人物を指す。同調した人物ではない)を探して死に至らしめようとします。各色と対応する行動は以下の通りです。

  • Red-所有者を怒らせ、より激しく怒りの感情を爆発させようとする。
  • Blue-所有者を抑鬱の状態に導き、自殺に至らしめようとする。
  • Yellow-所有者が一方的な性行為へ及ぶようにそそのかす。
  • Black-所有者がより危険な状況に陥るように仕向ける。

SCP-693の実例が所有者を死亡させることに成功した場合、SCP-693の新しい実例が所有者の体の上で発見されます。

財団は現在7体の赤色の実例、10体の青色の実例、5体の黄色の実例、1体の黒色の実例を所有しています。

補遺693/A: 添付された使用説明書の写し: 「本物のノッティストーカーの購入おめでとう! 愛している人に見向きもしてもらえない? その人が陰であなたのことをなんて言っているか聞いてみたい? おおっとそんなに怪しまないで! このサイコーに素晴らしい製品があれば、あなたは愛する人の言うことなすこと何もかもを知り尽くすことができるぞ! あなたの仕事は標的の頭から髪の毛を一本手に入れ、それをノッティストーカーの糸の輪の中に差し込むこと。後はどこかにいるあの人を見物しよう! ザ・ファクトリーはこの他にも素晴らしい製品をご提供しております」

補遺693/B: 死亡した被験者から採取した毛髪の使用に関して: 死亡した被験者から採取した毛髪をSCP-693の実例との同調に用いた場合、対象は同調した被験者の行動を受動的に演じることはありません。その代わりに、SCP-693は死亡者した被験者自身であると自称し、所有者の相談役として行動します。また、9日間が経過するとSCP-693の行動は不安定になり、所有者を確実に死亡させようと試みます。

事件693/A/050: ████/██/██、ディレクターG█████が彼のオフィスにSCP-693の2つの実例を置いていきました。ディレクターG█████は最近までSCP-050の所有権を保持していました。オフィスを離れた1時間後、ディレクターは火災報知機が反応したため保安部によってオフィスに呼び戻されました。入室と同時にディレクターは卓上のSCP-050を発見し、灰皿の傍らに積もったSCP-693の2体の実例の灰を発見しました。この灰によって『お礼は結構。1』という文章が綴られていました。この事件以降、SCP-693の実例を研究員の個人的な空間に保管することは禁止されました。

事件693/E: ████/██/██、上位研究員Westは適切な収容ロッカーにSCP-693の実例を返却しました。Westは対象から正しく毛髪を取り除くことに失敗していました。SCP-693のすべての実例は同調状態の実例の周囲に集まっていました。同調状態の実例はロッカーの壁へ逆さまに張り付けにされていました。SCP-693がどこで釘を手に入れたかについては不明です。

補遺693/C: 収容ロッカー内部にカメラを設置した後、SCP-693の実例は直接観察されていないときに移動することが判明しました。暴力行為が発生することはありませんでしたが、非同調状態のSCP-693の実例が、直近の所有者が死亡するまでの30分間の行動を演じる姿が見られました。このことからSCP-693はEuclidに再分類され、収容ロッカーの内部で個別の容器に保管されます。

事件693/P: ████/██/██、研究員ColeはD-693/4523によってD-693/43から採取した陰毛を用い、SCP-693-R-12を同調させようと試みました。SCPは通常通りに動き始め、ふいに停止しました。およそ1分間俯いたまま頭部を傾け、その後、頭部を上げて研究員Coleの方を見ました。SCP-693は[データ抹消]と話したと報告され、それから清掃員が実験房に派遣されました。研究員Coleは精神科の診療を受けるよう指示され、2名のDクラスは予定より早く終了されました。

補遺693/D: 複数の機動部隊が、要注意人物に対するスパイ能力を向上させるため、SCP-693をアノマラスオブジェクト#1115と共に使用することを要求しています。要求は現在審議中です。

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