SCP-695-JP
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アイテム番号: SCP-695-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-695-JPはその特性により回収が不可能である為、機動部隊あ-81("幸福鼠")隊員及び研究主任に届けられる要請に基きSCP-695-JP内の監視及び作業、周囲へのカバーストーリー「薄給激務無福祉化」の流布、場合によっては記憶処理を行って下さい。

説明: SCP-695-JPは日本の近畿地方を中心に発生する異次元空間への出入口、並びにそれに関連する現象です。

発生の凡そ一週間前より、近畿地方の一部地域に「日雇作業員募集」「指定日時場所」「勤務時間」等が簡素に記された張り紙(以下SCP-695-JP-1)が出現します1。文面は出現の度に変化が確認されていますが「作業内容:甘味」「報酬:満腹」「服装:動きやすいものなら自由」の記述は確認する限り変化していません。材質は一般的な紙と変わらず裏面に使用されている糊も異常性は持ち合わせていない為簡単に剥がす事が出来、近隣住民からの通報を受けた行政により書かれた日時以前に大半が撤去、シュレッダー等による細分化、焼却により処分されます。

これまでに█回以上SCP-695-JP内侵入した相手に対しては葉書、メール等を通じて場所と時間を記した文面での要請が届けられる事が機動部隊あ-81("幸福鼠")隊員の元で確認されています。対象者が死亡した場合この要請は届けられなくなります。葉書の場合は消印・切手等は存在せず、メールの送信元のサーバ・プロバイダを特定する試みは全て失敗しています。

張り紙内に記された場所には指定された時間2と同時に人型実体(以下SCP-695-JP-a)とマイクロバス(以下SCP-695-JP-b)が出現します。SCP-695-JP-aは日に焼けた肌と所々に擦り切れの見られる赤色の作業着とサングラスを身に着けた外見40代程度のモンゴロイド系の男性であり、奇妙なアクセントの日本語、英語を喋る事が可能です。SCP-695-JP-bは一般的な14人乗りのマイクロバスですが、外装は黒く全体を塗り潰され、ナンバープレートやランプ、サイドミラー等は取り付けられていません。内装は198█年に製造された█████社の███████と類似性が見られ、各所に褪色、腐食が見られます。

SCP-695-JP-aはその時集まった人物に対し一人ずつ作業に参加する意志の有無を尋ねます。この質問に関しての精神影響は無く、一般人であっても自由意志による返答が可能です。拒否した場合はそのまま次の人物へ同様の質問を尋ね、肯定した場合対象の苗字を問いかけ所持している名簿に書き込み、SCP-695-JP-b内に乗り込むように指示をします。
以前にSCP-695-JP内に侵入した経験のある人物に対しては以前に答えた名前と同一人物かを確認する旨を尋ねますが、答えを聞く前に以前と同じ名前を名簿に記し同様にSCP-695-JP-bに乗る様に指示をします。また、隊員に対する態度から侵入回数が多い相手程比較的友好的に接することが確認されています。

前述の問いで肯定を示した全員をSCP-695-JP-bに乗せるとSCP-695-JP-aは運転席に乗り込み、扉を閉めSCP-695-JP-bのエンジンを始動させると同時に消失、SCP-695-JP内へと転移します。この際GPSによる追跡捜査は全て失敗に終わっています。この時SCP-695-JP-1は未だ張り出された位置から動いていないもの、回収されたもの、破られた、燃やされた等損傷を受けたものを問わず全て消失します。

転移した空間内は推定直径400km程の惑星と予測され、上部には太陽と同等の光量を発しますが紫外線は確認されない恒星が存在しています。大気は窒素、酸素、二酸化炭素をほぼ地球と同等の割合で含んでおり、重力は地球の92%、気温は10~20℃内を保ちます。SCP-695-JP-bは必ず住宅街の末端と思わしき場所へと転移します。ドローンによる調査の結果SCP-695-JP-a以外の人型実体、生命体の反応は確認されていません。また全ての建築物、地面等は全て菓子、またはその材料となりえる物質で構成されています。赤土に見える土壌は89%のブドウ糖と13%の塩化ナトリウム、7%のクエン酸と微細な成分を含有し、地面に関しては摂食による異常は見られません。3

SCP-695-JP-aはSCP-695-JP-bを停止後扉を開いて集まった人員を降ろします。この時携帯端末、発信機、録音装置等服の中にしまい込める程度の小型の物品は自由に持ち込む事が出来ます。SCP-695-JP-aは名簿に記した人員へ点呼を取りながら作業の振り分けを行い、実践による簡単な説明、作業に使用する用具、資材を食べてはいけない事への強い説明を行った後作業開始を告げます。以下はこれまでに確認された作業とSCP-695-JP-aの作業呼称です。

SCP-695-JP-aの呼称 作業内容
塗装 チョコレート製の刷毛、コテを用いてスポンジケーキで出来た壁にアイシング、マシュマロ、生クリーム等を塗り広げる。不足した場合はSCP-695-JP-aへの通達で補充される。
運び 焼菓子と飴で出来た猫車を用い指定された場所へ様々な資材を運搬する。飴の混ざった粉砂糖、巨大なハッカ飴、アイスクリーム等を確認。途中で零した場合SCP-695-JP-aに叱責され、干菓子製のスコップでの可能な限りの回収を命じられる。
タイル貼り 塗装後の壁に四角く切り出されたビスケット、羊羹等を貼り付ける。素早く丁寧に行うべきとSCP-695-JP-aに強く説明される。
接着 飴製の骨組みの各所をガムベースによって接着する。SCP-695-JP-aが過度に歪な接着部を発見した場合、愚痴を呟きながら修正を行う。
地均し 飴で出来たローラー、焼菓子製のトンボ等を使って土運びにより運ばれた粉砂糖を均していく。他の作業が手早く終了した人員は時間終了まで本作業を行うよう指示を受ける。
柱作り 確認される限りエージェント・エンデンのみに割り振られている作業。 熱された飴をSCP-695-JP-aと共に焼きチョコレート製の棒で練り上げ、円柱を生成する。

作業に対して怠慢な態度を取る4者を発見した場合SCP-695-JP-aは非常に激昂し再度作業に取り掛かるように指示しますが、態度を改めなかった場合にはその人物の衣類、首元を掴み上げSCP-695-JP-b内に強制的に放り込み、作業終了までSCP-695-JP-bは施錠されます。SCP-695-JP-aの所持する鍵を用いる正規の手段以外の開錠、車体の一部破壊による救出は全て失敗に終わっています。

作業中に使用される建築物の資材及び道具を模した菓子類を摂食した人物は急激な血圧の上昇による心臓発作、血管内への脂肪蓄積による心筋梗塞等により確実に死亡します。この時SCP-695-JP-aは実に気分が悪そうにSCP-695-JP-b下部に存在するトランク内に押し込み、作業を続行します。

作業開始から平均して3時間弱の時間が経過し、恒星が頂点にまで登った時にSCP-695-JP-aは休憩と称して作業の中断を伝え、飴細工の瓶入りの460mlの水、箱型の干菓子に入った菓子の詰め合わせを一人につき一つずつ配給5し、SCP-695-JP-aも同じものを休憩時間内に食べます。この食事に異常性は確認されておらず、休憩時間に食べない場合はそのまま持ち帰る事も出来ます。食事を摂り終えたSCP-695-JP-aに対して、休憩時間中ならばインタビューによる情報の取得が可能です。

凡そ50分後休憩時間の終了をSCP-695-JP-aは告げ、作業の再開を指示、場合によっては作業の割り当てを変化させます。再会から凡そ4時間が経過し、恒星が地平線に隠れ始めた時SCP-695-JP-aは本日の作業の終了を告げ、SCP-695-JP-b内へ戻る様に指示をします。全員が戻ったのを確認するとSCP-695-JP-bの運転席に乗り込み、SCP-695-JP-b内に転移時から数分後、消失した位置と同じ位置にSCP-695-JP-bが再出現します。

SCP-695-JP-aは運転席から降りてSCP-695-JP-bから降りるように指示をします。この時死体がトランク内に存在している場合引っ張り出し、SCP-695-JP-bの運転に支障の無い位置にまで移動させます6。降りて来た人物に対し名簿を確認しながら菓子の入った封筒を配布します。死体に対しては渡さず、前述の非協力的な行為によりSCP-695-JP-b内に閉じ込めていた相手には封筒の中身を一部抜き取ってから手渡します。

全員の降車を確認するとSCP-695-JP-aは再度SCP-695-JP-bに乗り込み発車、3km程の走行後に消失します。以上の現象が約28日に一度の間隔で繰り返されます。

封筒の中身 平均した個数 備考
直径約4cm、厚さ約2cmの白い薄皮饅頭 3個 1個2000kcalの熱量を確認。その他は一般的な薄皮饅頭と変わらず。中身は粒餡、漉し餡、チョコレート、キャラメル等██種類を確認。
一辺約8cm、厚さ約6mmの銀色の正方形のビスケット 1枚 1枚30000kcalの熱量、並びに30種類以上の必須栄養素を確認。前述の非協力的な態度を取った人員には抜き取って渡さない。
直径約10cm、厚さ約2cmの金色の丸型チョコレート 1枚 エージェント・エンデンに配布された封筒内のみに確認。その他菓子は見られず。推定20Mcalの熱量と30種類以上の必須栄養素、[データ削除]等を確認。██種類の効能を含め、食糧危機への対策として研究が進められている。

補遺1: SCP-695-JPは200█年に奈良県██群██町にて「大学生らしき4人が路上に倒れている」との匿名の通報を受けた警察の調査の下被害者の1人が所持していたデジタルカメラ内にSCP-695-JP-1の画像データを発見、その3週間後大阪府内で再発生したSCP-695-JP-1をエージェント・エンデンが見付け、記載された日時、場所への調査により異常性が発見されました。周囲にはカバーストーリー「集団服毒自殺」が流布されました。
発見場所を中心とした調査の結果「涼しい場所で腹が膨れる仕事」との触れ込みでSCP-695-JP-1の存在が発見の██年前から近畿地方内に確認されました。SCP-695-JP内に侵入経験のある一般人は死亡者含め3███人以上と予想され、現在調査が進められています。カバーストーリーの効率的な流布の為、該当者への記憶処理が決定されました。

補遺2:

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