SCP-710-JP
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アイテム番号: SCP-710-JP

オブジェクトクラス: Safe Keter

特別収容プロトコル: SCP-710-JPは████州に位置するサイト-██の専用ロッカーにて管理、収容されています。対象を使用する際はレベル3職員による許可を得た上で実行してください。無断で対象を使用した職員は処分の対象となります。
現在、SCP-710-JPは収容不可能な状態です。機動部隊はプロトコル「パラドックス710」に記載されているSCP-710-JP使用日程にのっとり発砲を行ってください。SCP-710-JP使用日程はSCP-710-JPによる新たな事件の発覚の都度更新されます。SCP-710-JPによって引き起こされた事件に関する被害者及び関係者にはAクラスの記憶処理を施し、その上で事件の隠蔽工作を行ってください。

説明: SCP-710-JPはスミス&ウェッソンM66、2,5インチリボルバーに酷似した銃です。しかし、製造番号などの記録は存在しておらず、グリップとトリガーに本来のM66とは異なる特徴をいくつか有しています。

SCP-710-JPの異常性は発砲後に発揮されます。SCP-710-JPを用いて発砲した場合、発砲した地点の「過去」と「未来」に、発砲した弾丸が出現します。(その際、SCP-710-JPの機構は問題なく機能しており、また使用された弾薬も同様に消費されます)。なお、これらの異常性はある程度まで制御することが可能であり、グリップの右側面内部にある「random ON OFF」と記入されたスイッチ、および「F、P 00/00/00」と記入されたつまみを操作することによって、弾丸を出現させたい時間を設定することが出来ます。グリップ右側面は取り外し可能になっており、「random」の項目をOFFにすることによってSCP-710-JPの発砲時のタイムワープが制御可能になります。

SCP-710-JPに取り付けられているメモリはFとPにより過去、未来の切り替え、数字を入力する部分はそれぞれ年/月/日に該当します。また、年の選択は下二桁までしかなく、過去、未来の設定は現在の年数から換算した年数に依存するものと思われます。

例: 2013年に「F 01/5/9」と入力した場合、一年後の2014年5月9日に弾丸が出現し、「P 01/5/9」と入力した場合、一年前の2012年5月9日の発砲地点に弾丸が出現します。同年に射出したい場合は「空白 00/5/9」と入力することで同年の5月9日に射出が可能になります。通常の銃器として使用する場合は「空白 00/00/00」と入力することで使用可能になります。

なお、これらの機構はSCP-710-JPに対してX線機器を使用した調査により明らかとなりました。その為、これらの存在が発覚するまではSCP-710-JPのタイムワープの不安定さが懸念されていましたが、それらの制御が可能になった事により対象をSafeへと再分類することが決定しました。
以下の2012/8/11の実験記録はこれらの機構発覚前に行われたものです。

実験記録001 - 日付2012/8/11

対象: D-710-001

実施方法: D-710-001によるSCP-710-JPの発砲。

結果: 弾丸は消失しました。その後の弾丸の出現はありません。

分析: おそらく射出された弾丸は過去、もしくは未来にワープしたと思われます。なお、この分析は実験002の結果に基づくものです。使用された実験室は弾丸の出現、または過去にそれらしき事案の資料が発見されるまでセキュリティー担当者によって監視され、封鎖されます。

実験記録002 - 日付2012/10/4

対象: D-710-002

実施方法: D-710-002によるSCP-710-JPの発砲。

結果: 弾丸は消失しました。その二日後、D-710-002がSCP-710-JPを使用した地点から弾丸が出現しました。

分析: 弾丸が出現した時刻はその当時のD-710-002が発砲した時刻と同じでした。このことから、SCP-710-JPが弾丸を送ることのできる単位は年単位、もしくは日単位である可能性が浮上しました。

実験記録003 - 日付2012/12/24

対象: D-710-003

実施方法: D-710-003によるSCP-710-JPの発砲。

結果: 弾丸は消失。

分析: 調査の結果、1993/2/8に実験室が使用された際、何者かによる発砲事件が起きたという資料を発見しました。保管された弾丸の旋条痕などを鑑定した結果、SCP-710-JPによって射出されたものであると判明しました。

実験記録004 - 日付2013/1/11

対象: D-710-004

実施方法: 過去に発砲が確認されていない対象に対してSCP-710-JPを使用する。(実地場所はサイト-███の実験室の壁。)

結果: SCP-710-JPを使用中にサイト-███でSCP-███の収容違反が発生したため、実験は中止されました。その翌日、サイト-███は凍結されました。

分析: まるで、何もかも最初から決まっていたかのようだ・・・・。 S████博士

SCP-710-JPは、2004/4/2の████州で発生したトラブルが切っ掛けで発見されました。当時、射撃場に来ていた一名の利用客が射撃場のオーナーに苦情を申し立て、その内容はいくら引き金を引いても弾丸が射出されないというものでした。しかし、拳銃内の全ての弾薬を調べたところ問題なく消費されていたことが判明し、ただのクレーマーの文句であると処理されました。ですが2012/3/1の現地にて、来客が無かったにもかかわらず、オーナーが2発の発砲音を確認。その後も数回の無人の発砲事件が発生したためオーナーは現地の警察に通報し、当時その署内に潜伏していたエージェントの目にとまりました。
オーナーの証言では、2004/3/26の夜中に不審な人物が射撃場に侵入する事件が発生し、オーナーは設置してあったショットガンを用いて侵入者を撃退しました。その際、オーナーはその人物が落としたと思われる銃を貸出用の銃として利用、この事件を切っ掛けにこれらの一連の出来事が発覚しました。その後財団のエージェントによる事件の介入により、当時の関係者にAクラスの記憶処理を適用、オーナーを拾得物横領罪で起訴しました。
財団は現在もSCP-710-JPを所持していたと思われる人物を捜索中です。

追記1: 2013年現在、SCP-710-JPは収容不可能な状態にあります。詳しくは事案2013/4/7を参照してください。

事案2013/4/7

2013/4/7にS████博士のオフィス内にて発砲事件が発生しました。当時、S████博士は自身のオフィスにて報告書の作成を行っており、その最中に突然何者かに撃たれました。博士に怪我はなく、彼の証言では部屋には博士以外の誰もいなかったということです。その後の調査でも、侵入された形跡は発見できませんでした。

この事案から、SCP-710-JPを使用した者による犯行である可能性が浮上しました。また、過去のデータにはSCP-710-JPをS████博士のオフィス内で発砲したという記録は無く、当時サイト-██は移設されたばかりだったことから「未来」からの発砲であることが決定づけられました。
その為、2013年以降にSCP-710-JPの収容違反が発生することが確定しました。

現在、世界各国でSCP-710-JPを使用した人物による「過去」、「未来」からと思われる射殺事件が発生しています。

SCP-710-JPはKeterに再分類されました。

追記2: 現在、SCP-710-JPの収容維持のため、SCP-710-JPが使用された事件に財団が関与することが決定しています。

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