SCP-726
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牛の試料を再構築するSCP-726

アイテム番号: SCP-726

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 1ペアの人間型SCP-726サンプルが、サイト-17にて安全のため壁にクッションを詰めた収容セルに収容され、24時間間隔で老廃物の清掃をされます。野菜を混合した懸濁液を食物として与えるのが適切です。清掃や検査の際には、行動をなだめるために瓶入りのピーナッツバターが提供されます。3ヶ月ごとに、男女1体ずつの死体が与えられ、再構築が成功した後に処分されます。いかなる場合においても、他の種類の動物の組織は持ち込みを許可されません。

説明: SCP-726は、世界中の温帯地域に生息するクロバエの一種であるLucilia sericataと生理的・遺伝的に同一な卵と幼虫を持つ生物です。幼虫が腐敗し始めている動物組織の上で孵化すると、最初のうちは通常と同じく生きていない組織から摂食し始めますが、食べ終わると中心へ集まり、健康で生きているひと続きの細胞組織を吐き戻し始め、動物組織の体積が増えるごとに不明な方法で増殖します。妨害されない限り、SCP-726は死体を、組織の元の姿まで完全に”再構築”します。再構築の過程は高速で起こり、あたかも摂食の活動を撮影して逆再生しているかのように見えます。最終的に生体機能のすべてを回復させると、幼虫はすべて急に落下し、その体を崩壊させます。

SCP-726によって再構築された生物は、身体機能こそ最適な状態まで回復していますが、精神機能についてはクロバエそのものです。再構築個体は腐敗する有機物から漂う匂いを本能的に追いかけ、舐めたり吸ったりするような動きでそれを摂食しようとします。再構築個体は、羽がない動物の場合、存在しない羽を使って不器用かつ定期的に羽ばたこうとしているような痙攣動作を見せます。鳥類や翼手目動物のサンプルでは、通常の手段の飛行を行うことが出来ませんでした。腐食する肉への接近は彼らの性欲を惹起し、元の種族が何であろうと交尾を行う動きを見せます。いかなる機械的な交尾の成功においても、繁殖力のあるSCP-726の卵塊が生産され、メスの体を持った再構築個体が適切な栄養源へ卵塊を配置します。

SCP-726は元の肉の状態や量によらず完全な肉体を再構築できることが証明されており、同じ死体から切り離された断片から複数のコピーを生み出すこともできます。再構築された後に死亡した生物は、他の死体同様にSCP-726によって再構築を行うことが出来ますが、そのようにして生まれた個体は精度に劣化が生まれることが分かっています(付属の生成ログを参照)。

発見: 19██年8月16日、ウェストバージニア州ベックリーに住むFaber夫人が地元の██████ ████の裏にある大型ゴミ箱から全裸で発見されました。発見された当時、彼女は大きな男性[編集済]と共に[編集済]を行っている最中であり、急性認知症として入院となりました。数週間後、地元にて、牛や豚や鶏などの常軌を逸した振る舞いの蔓延が多数報告されました。財団の諜報員がSCP-726の再構築を行う性質を推測し、Faber夫人が発見された大型ゴミ箱にて死肉の断片から動物が再生しているところを発見しました。収容のために行われた徹底捜索の最中、Faber夫人と全く同じ姿の個体が██体、彼女の土地付近の林を徘徊しているところを発見されました。尋問の結果、Faber氏は妻の殺害と死体の損壊・遺棄を認めました。


実験ログ: 8/17 Dr. ██████ SCP-726 生成ログ
まずは、再構築の繰り返しの極限を探る実験から始めることにする。試料ごとに1つのSCP-726の卵が導入される。高速で増殖するため、蛆虫の量は作用には寄与しない。再構築される生体組織の大きさのみが寄与する。

試料: 死んで間もない1匹のドブネズミ、縦方向に半分に切断した。
結果: SCP-726は2匹の全く同じネズミを再構築した。毛皮の模様は他方の鏡写しとなった。

試料: 先の実験のネズミを細かくペースト状にして混ぜた物。
結果: SCP-726は2個体に分けて再構築し、ほぼ同じ姿のものが2匹生まれたが、片方は右目が赤かった。

試料: 先の実験のネズミのうち、相違の少ない方を細かくペースト状にした物。
結果: 少し足を引きずっており、両眼とも盲目のネズミが再構築された。

試料: 盲目のネズミの心臓。
結果: 眼や色素沈着のないネズミが再構築された。ひっきりなしに鳴き声を出す。

試料: 眼のないネズミの心臓、半分に切断した。
結果: 眼のないネズミ二匹。一方は狭い円を描くように歩き、他方は体毛が全く無くまた前者に対して極めて攻撃的。
注釈: 生理機能の低下に反比例して虫のような振る舞いが現れている。

試料: 毛のないネズミの肉片。
結果: 眼も体毛も四肢もないものが生まれた。元の生物の姿に完全に戻らなかった。頭蓋は肝臓部に発見された。

試料: ”脳の無い”ネズミの肝臓。
結果: 眼も体毛も四肢もなく、”蛆虫のような”長い胴体を持ち、不完全な眼と見られるコブ状の物体が全身に見られた。苛烈な攻撃性を持ち、最終的に自身の後部を摂食し始め、出血多量により死亡した。

試料: 先の実験のネズミの肉全て。
結果: 大きく、雑然とした形をした、組織と内臓の塊。死亡するまで震え続けた。

試料: 先の実験の結果物。
結果: 大きく、ナメクジのような、移動性を持ち機能分化の見られない細胞の塊。外皮を通して栄養を吸収しているようにみられる。

試料: 先の実験の結果物。
結果: 先の実験と同じ。
注釈: 同様の実験をこの後4度行ったが、結果は変わらなかった。私はこの最後の”ナメクジ”を長期観察の対象にすることにした。私はこいつをBrundleと呼ぼう。

試料: 紀元前███の物と特定された死体より取り出された1切れの乾燥死肉。
結果: 想定通りの飛ぶ動作を行う中年男性が再構築された。
注釈: これは興味深い新たな科学捜査器具になるかもしれない。

試料: Dクラス被験者の指先1つ。
結果: 被験者が再構築され、想定どおりの飛ぶ動作を行った。通常の範囲の個体識別結果が一般や財団の記録と比較された。DNAは正確に一致したが、歯列や指紋は逆になった。

試料: 先のDクラス被験者から摘出された眼球。
結果: 被験者が再構築され、歯列は元と同じになったが、指紋はまったく別のものとなった。
注釈: 元のサンプルからでさえ、このような微小な差が生じる。

試料: 足首に化膿した深い切り傷を持つ生きたDクラス職員1人に対して、傷口にSCP-726を塗りつけた。
結果: 壊死した組織が摂食され、傷が治るまで再構築が成された。被験者は█時間後に挙動が悪化するまで健康に見えた。被験者はSCP-726再構築個体に関する特性を全て見せたため、最終的に処分された。
注釈: 医療への応用はやめたほうがいいだろう。

試料: ポーターハウス・ステーキ
結果: 去勢された成体の雄牛、羽ばたこうとする動作や食欲を除いて通常と同じ。この個体は屠殺され、ポーターハウス・ステーキとして調理され、Dクラス対象群に与えられた。後の検査はしばらく特筆すべき結果をもたらさなかったが、[データ削除済]既知のクロバエと一致した。被験者は処分された。
注釈: 予想より少しだけ大規模なバイオハザードとなった。初期回収現場のより深い調査を提案する。

試料: ポーターハウス・ステーキ
結果: 生成物は先と同じ。切り身は放射線照射を含む様々な化学的・熱的殺菌処理を施された。Dクラス職員に対して様々な料理の形で提供された。結果は先の実験と同じとなった。
注釈: どうやらこの異常な蛆虫は新たな放牧手段としては使えそうにないことが分かった。

試料: ███種類の昆虫とクモ類を混ぜて細かくペースト状にしたもの。
結果: ██████体の節足動物が再構築され、ハエのように振る舞った。すべてのメスはSCP-726の卵を生産した。
注釈: これは野生では起きないだろう;死亡した昆虫は肉付きも良くないしクロバエを引きつけるような臭いも出さない。脊椎動物の死骸における生殖と同じように、十分な量の腐肉が湿潤な環境下で必要となる。

試料: SCP-726の種類に一致するような成虫のクロバエを███匹混ぜて細かくペースト状にしたもの。
結果: 1体の、常軌を逸した大きさをした巨大なハエ。すぐに死亡した。
注釈: これは想定外だ。2乗3乗の法則がこの世にあって残念だったな。もうちょっと詳しく観察したかったんだが。

試料: サケの切り身1切れ。
結果: 1匹のサケの成体(オス)。水に入れると”溺れる”ように猛烈に暴れる。水から出すとやみくもに跳ねるが、窒息のようなストレスは見せなかった。

試料: 揚げイカリング1つ。
結果: 1匹のイカの成体(オス)。すぐに水を張った水槽に入れられた。水から取り出されるまで力なく悶絶した。触手を使って粗雑に這いまわり、糞便類や腐肉を好んで摂食した。SCP-726は精子のサンプルを所有していた。

試料: █████ドライブスルーで購入されたチーズバーガー1つ。
結果: SCP-726は2匹の成牛と██匹のドブネズミを再構築した。

試料: 商用として流通している"potted meat food product"1缶。分析の結果、牛や豚の派生物、高果糖コーンシロップや米食品医薬品局承認済みの12の保存料が検出された。
結果: [データ削除済]
結果: いったい全体この███が何なのか想像もつかないぞ?

試料: 先の実験の成果物の死体1体、ペースト状にすり潰された。
結果: [編集済]動く物体に対して極端な攻撃性を見せる。処分の試みはすべて失敗した。検体は凍結された。
結果: 液化させても動き続けた。

試料: 先の実験の試料を解凍したもの。
結果: [編集済]SCP-███に類似する性質を見せた。焼却された。
結果: 実験はこれ以上やらない。Brundleについてもおそらくそうなるだろう。

補遺: SCP-726の実験は、Dr. ██████の最近の発見を受けて打ち切りとなりました。サイト-17に存在するサンプルは、矛盾した振る舞いや異常な成長が無いか詳細に観察されなくてはなりません。

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