SCP-728-JP
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オブジェクト影響発生源となっている解体予定の████████小学校

アイテム番号: SCP-728-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-728-JPの影響下にあると推定される人物、その他関係者が影響範囲外へ出た場合は対象を確保し、財団へ勾留します。その後遺族に対してはカバーストーリー『事故死』が適用されます。既に影響下にある被験者は、統計上影響範囲外に長期間滞在することは不可能であることが確認されていますが、影響範囲外への長期滞在が確認された被験者に対しては、既に影響が及んでいる地域へとその外出目的が変更されるよう可能な限り介入してください。目的変更が不可能であった場合、対象の被験者は影響範囲内から出た直後に拘束され、終了されます。

日本への外国人入国者については、港から財団のエージェントによる尾行、並びに保護を行い、対象が影響範囲内に長くとどまる事のないように働きかけてください。

これら全ての工作活動において違反が認められる全ての場合に現場エージェントの判断による対象の終了が認められます。

SCP-728-JPについて言及されるいかなる資料も作成者を発見し拘束し、心理医療スタッフによる適切な説得の末、十分に情報漏洩の危険性がないか"岡部四式思想テスト"を行い、合格した者のみ開放されます。当該オブジェクト影響下からの脱出に成功した『卒業生』が発見された場合は、インタビューを行った後終了してください。

説明: SCP-728-JPは1983年の各農村地帯で初めて発見された、現在まで至る教育機関関係者周辺に起こる観測可能な時間異常です。SCP-728-JP影響下ではその年の4月1日から翌年の3月31日までが繰り返されています。この時間異常に関して当該の影響下にある児童を持った保護者や、職員、近隣の住民までもがこの時間異常の中にいることが分かっています。当該オブジェクトの渦中では3月31日が終了した時点で身体の変化、成長の全てが昨年の4月1日まで戻り、それまでの記憶は消去されることが確認されています。SCP-728-JPの影響下にある社会は影響下にない社会への適応能力が高く、当該オブジェクトの影響下にない地域での時間で生み出された文化や技術、製品に対しても柔軟に適応し、時間異常の中で人々はそれらに順応することが分かっています。

最初に発見された岐阜県大野郡の小学校では、6学年の生徒は卒業式を終えた後自宅に戻り、翌朝から新6学年として、その小学校に登校し始めました。この最初に確認された事例に関して、当該の小学校は現在まで31回の新年度を迎えており、3回の校舎改修工事を経て校舎自体の外見は確実に変わって居ることから、SCP-728-JPの影響は人間だけに及ぶものだと考えられています。また、7回の教師の移転1と2回の地震を経験しており、当該オブジェクトは正常な時間軸に沿った時間異常と言えます。

その他の事例において23回の文化祭全てで同じ品目を同じクラスが行うことのなかった高校と、一度も重複した取引を行わなかった会社が確認され、SCP-728-JP影響下では、人間の思考や行動までもが必ずしもループしないこと、その他の空間異常や過去事象の収束のないことが確認されています。以下が現在までに確認された顕著な事例です。

県立███高校では2年生の██ ███という生徒が8月2日に合計16回家出をしており、この生徒は財団エージェントの調査の結果では16回とも離接する██県にある██市の住宅で発見されました。

私立██高校1学年のあるクラスだけが25回のクラス替えにおいて全く同じ人選になりました。該当のクラスにおいて形成されたスクールカーストも25回全く同じ人間で構成されていました。

私立███幼稚園では年中行事である『お遊戯会』の出し物として12回の映劇を行っていますが、12回の演劇中9回が『浦島太郎』を題材にしたもので、他の3回における『オズの魔法使い』『人魚姫』『オズの魔法使い』に関し2回の『オズの魔法使い』の人選は全く違うものでしたが、9回にわたって行われた『浦島太郎』その全ての人選はまったく同じものでした。

自営業█████の職員である█████は、東京を中心として業務を行っていますが、24回の取引内容全てが同じであり、彼の行動パターンは全て同じであることが分かっています。

█████小学校に通う4学年の██████は自宅への放火により他家族3名と共に焼死し、自宅は全焼しました。それらは現在██████████に指定され、現在研究が進められています。2

████████中学校2-Aでは████という生徒だけが24回の全く同じ日付から合計12日間登校せず、行方は現在も判明していません。ですが、12日が経過した翌日には必ず登校する姿が確認されています。

私立████高校3学年の███████、███████、███の三名はそれぞれSCP-███-JPに暴露した経験があると見られ、発見時の要請で財団のエージェント・橋田による長期作戦の末、19回の確保に成功しています3。現在までこの三名の収容は成功していません。   

なお、当該オブジェクトがいつから存在していたのかは現在調査中です。(現在までの研究レポートは補遺1を参照してください。)

1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007年に大分県の小学校でSCP-728-JPから抜け出し、卒業する学年が現れました。報告を受けた財団はエージェントチームを派遣、全卒業生を回収し、財団にてインタビューを行いました。インタビューに応じた小学6年生の男女は共通して『信じられないくらいとても楽しい1年間だった』と供述した後の4月1日明朝、全ての児童が老衰で死亡しました。検死の結果、外見上全く問題はありませんでしたが、細胞の劣化、多臓器不全、多数のがん細胞、テロメアが異常な速度で摩耗した痕跡が全ての遺体で確認され、少なくとも生後██年は経過していることが分かりました。この結果は1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007年当時の平均寿命から考えて異常なほど早世でした。

オブジェクト無力化実験記録 - 日付1980/3/31

対象: SCP-728-JP影響下の████████小学校
補遺: この学校はループ開始以前に廃校が決定しており、6学年以外の生徒は存在せず、今回の実験に選抜されました。
実施方法: 学校の解体、破棄。
結果: 卒業式の後、財団の技術チームにより6時間で取り壊しが完了しました。SCP-728-JPの異常性は無力化され、その後周辺地域の中で卒業生を持つ世帯の全ての人間が老衰により死亡しました。
最年少の遺体は当該の学校の生徒のもので、検死の結果240歳前後の細胞劣化だと報告されています。
分析: SCP-728-JPは我々が想定しているより遥か古来からのものである蓋然性が極めて高く、不用意な無力化は混乱を招く危険性があります。

SCP-728-JPは現在まで他の地域へ毎年急激な速度で伝播し、その数は1600件を超え、現在までSCP-728-JPは20の小学校500の中学校600の高校400の大学、90の専門学校、7の一般企業で確認されています。発見されたオブジェクトの大半が教育施設を基点に発生していることが確認でき、平均した被影響半径は当該地域の交通網や人口に大きく左右され、特定の値は算出されていませんが、日本の国土のおよそ70%を占めているだろうとの仮説が立てられています。

SCP-728-JP発生施設の解体はオブジェクトの特異性を無力化することが出来ると証明されていますが、実験記録の結果を踏まえ、当該オブジェクトの無力化は禁止されています。

補遺1: 現在発見されているSCP-728-JP影響下の施設において、最も古くから存在する建造物である████████旧名:██屋に関して当時の資料の中にその奇妙な振る舞いが記述されていることから、最低でも███年前から当該オブジェクトが存在していたとして研究が進められています。

補遺2: 伝播の法則については現在調査中ですが決まって教育担当の職員の配置が変わった先の教育施設、並びに職場に伝播しているようです。

近年サイト-████にて記憶処理装置が開発されたと聞いています。本オブジェクトは一般人の勾留対象が非常に多く、我々SCP-728-JP収容チームのあるサイト-81██においても記憶処理装置の使用を認めて頂けないでしょうか?—新渡戸博士

現在サイト-81██は隔離対象にあり、今後他のサイト職員はサイト-81██への一切の人的接触を禁止します。我々は既にサイト-81██からの卒業生に対してインタビュー並びに記憶処理を施した後収容しています。実験の際はレベル4職員の許可を得てください。—O5-6

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