SCP-736-JP
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アイテム番号: SCP-736-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-736-JPの封じ込めは、確立された活性化現象からの逸脱の監視に重点を置いています。サイト-███拡張観測拠点736-JPに駐留している機動部隊イプシロン-55(“ピルトダウナー”)が考古学調査チームを装って現地で待機状態を保ち、影響領域に接近した人物を退去させます。接近者がSCP-736-JPの異常性質に関する知識を有している場合は、拘留・尋問の後にクラスB記憶処理を施し、カバーストーリー“熱中症”または“貧血”を適用して解放します。

2009/05/01現在、SCP-736-JP-A実体を物理的状態に留め置くことを意図した更なる試みは許可されていません。詳細は事案736-JP-αを参照してください。

説明: SCP-736-JPはアメリカ合衆国ニューメキシコ州サンファン郡、アー・シー・スリー・パー荒野研究エリアの一角に存在する計15本の砂岩の柱と、それを取り巻く半径およそ30mの大雑把な円形領域です。

SCP-736-JPの異常性は大きく2つの状態に分かれます。

不活性状態: 平時のSCP-736-JP領域では、以下に挙げるような異常現象が確認されています。

  • 15本の岩柱は、共通して以下の特性を帯びています。
    • 外見上は砂岩にも拘らず、如何なる状況でも表面温度1℃を維持しています。
    • 極端な耐久性があり、結果的にサンプル採取が成功していません。
    • 上部の円盤状の層は、柱の本体と完全に分離しているにも拘らず、人為的な除去の試みに対して完全な不動性を示します。
  • SCP-736-JPの岩柱の周囲では、柑橘系の果物に似た香りが知覚されます。これは化学的検出が不可能です。
  • 岩柱に近接した人物はしばしば“重苦しい呼吸音のような”幻聴を報告します。こちらも録音装置には記録されません。
  • 夜間の影響領域内部は、外部の天候に関係なく、雲一つない星空です。観測される星の数や位置は現代のそれに対応しておらず、財団の天文学部門からは白亜紀後期の配置に相当するものと仮定されています。

活性化状態: SCP-736-JPは毎年一度、7月29日に、極めて能動的な異常性を発現します。この事象は影響領域外部への拡散が記録されているにも拘らず、依然として平時の効果範囲内からのみ観察可能です。活性化事象は、SCP-736-JP-Aと指定される霊的実体の顕現を伴います。

SCP-736-JP-Aは一般にペンタケラトプス(Pentaceratops sternbergii)として知られる角竜類の成獣の骨格20体の総称です。現在までSCP-736-JP-A実体は胴体の前半分のみが観察されていますが、平均して体長およそ7mと考えられます。現在まで発掘されている異常性の無いペンタケラトプスの骨格と比較すると、SCP-736-JP-A実体は頬状突起1がより目立って張り出しています。SCP-736-JP-A実体は通常の状況下では周辺環境との物理的相互作用が不可能であり、財団職員らの存在を認識している様子もありません。

SCP-736-JP活性化事象は常に以下の流れで進行します。後述の事案736-JP-αを除き、現在まで逸脱は記録されていません。

時刻 活性化事象の展開
23:00 SCP-736-JPの岩柱が明るい青色光を放ち始め、30分かけて1,700cd/m2まで光度を上昇させます。また、岩柱の表面からは薄緑色の煙が立ち上り、周囲に漂います。煙の周囲では明確に息苦しげな呼吸、または嗚咽の声を聞き取ることが出来ます。
23:30 岩柱上部の“円盤”が2,000cd/m2まで光を強め、一斉に空中に浮かび上がります2。その後、円盤は時計回りに円を描きながらゆっくりと柱の上を飛行します。薄緑色の煙は柱の周囲を急速に旋回し始め、活性化事象が終了するまでその流れを継続します。
23:35 SCP-736-JP-A実体群が、SCP-736-JP空間を丸く取り囲み、胴体の前半分のみを露出させる形で地中から“浮上”します。全ての-A実体は異常効果範囲の境界線外に姿を現していますが、前述の通り、内部から観察しなければ視認できません。
23:40 円盤群は周回を止め、一定の複雑なパターンに則ってお互いに交差運動を始めます。SCP-736-JP-A実体群はオーボエのそれに似た低音を未知の音源から発しながら、前足を交互に地面に打ち下ろし、身体を左右に揺する動作を行います。
23:55 岩柱の中心部上空に青色の濃い煙が発生し、円盤は再び時計回りの周回を開始します。SCP-736-JP-A実体群は五本角を淡い青色に発光させ、出現した煙を見上げながら、明確に音楽的なトーンで“歌い”始めます。
00:10 円盤群が周回軌道を拡大するのに合わせて、青い煙は渦巻銀河のそれに似た形状を取り、徐々に規模を増して影響領域の上空に広がっていきます。この事象の直接的視認は、持続的に煙の拡散を見続けたいという軽度の衝動を引き起こしますが、これが観察者に長期的な悪影響・精神改変を齎すことはないと断定されています。
01:00 煙の渦が直径███mまで拡大した段階で活性化事象は突然終了し、SCP-736-JPは平常時の状態に戻ります。現在まで、どの段階で青色/薄緑色の煙とSCP-736-JP-A実体群が消失し、円盤が岩柱の上部に帰還したかを観測する試みは成功していません。

補遺: SCP-736-JPは、財団の前身組織である全米確保収容イニシアチブ(ASCI)によって1899年に発見されました。ASCIは当初、不明な先住民の一団が夜ごと何らかの儀式を行っているという複数の目撃証言を受けて調査を行っていました。以下はASCIエージェントのアーノルド・バンクスによる1899/06/09付の報告書からの抜粋です。

…またしても、ターゲットは我々の監視網に引っ掛かることなく例の場所に集まっていました。15、6人といったところです。単なるカイオワ族の不穏分子であろうという先日の見解を改めなければなりません。儀式は明らかに、一帯の先住民たちと完全に異なる言語を用いて行われています。昨夜は風向きも味方して逐一内容を聞き取れましたが、全体的に蛇が舌を這わせるような発音ばかりで、ルパートはおろかエルク3さえも内容を全く理解できませんでした。とりわけ“ぷなく(pnaq)”、“すろん(slon)”、“とれぇる(tlerr)”、“ふぃふす(fifs)”といった単語を頻繁に用いていましたが重要性は不明です ― 同封の転写4を本部の分析に回してください。一人が何事か言うと即座に他の者が返し、続けて皆が唱和する、という流れは一貫していたので、おそらく精神的問答の類なのでしょう。

我々の監視の中で、先住民たちはあからさまに異常な一面を見せつけました ― 焚火が薄緑色に変わったかと思うと火球になって空に浮かび上がり、彼らはそれを車座に囲んだ状態で旋回し始めたのです。やがて彼らの姿はぼやけた光の帯になり、そして…消失しました。全く唐突に、何もなかったかのように姿をくらましていて、焚火の燃えカスさえ残っていませんでした。

とにかく、この一件が単なる秘密裏のサン・ダンス5と一線を画していることは疑う余地がありません。調査班の即時増員を求めます。

翌日、ASCIは暫定的に岩柱を1899-004のナンバリングで確保しました。この段階におけるASCIの調査文書が領域内の香気と幻聴について触れていない点は特筆に値します。以降の1ヶ月間にわたり、問題の先住民らは4回、夜間に確保部隊を遠巻きに観察する様子が確認されています。ASCIエージェントによる捕縛の試みは全て、直前まで明確に見えていたはずの捕獲対象が到着時には何処にもいないという結果に終わりました。

1899/07/30、近隣の町から派遣されたASCIの交代要員は、岩柱の異常効果範囲に隣接する駐留部隊のキャンプが倒壊しているのを発見しました。この段階に至って初めて、SCP-736-JPでは香気と幻聴が記録されています。当時、現地には20名のASCI職員が駐留していましたが、そのうち9名のみが遺体となって見つかりました。遺体は鈍的外傷による損壊が激しく、正確な死因は判明していません。

行方不明のASCI職員11名分、および先住民14名分の衣服や護身具が、事案後に回収されています。全ての衣服には、着用者の素肌が触れていたであろう部位に焦げ跡が残っていました。

ASCIは人員を大幅に増加して監視を続行しましたが、これ以降、儀式を行っていた先住民らが姿を現すことはありませんでした。翌年の07/29に活性化事象が初めて記録されたものの、SCP-736-JP-A実体群が当該事案を仄めかすような行動を取ることは無く、当時何が起こったかは現在も定かでありません。 事案736-JP-αを参照してください。


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