SCP-737-JP
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SCP-737-JP-1-c片の嵌った指輪。

アイテム番号: SCP-737-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-737-JPは標準人型収容室に収容されます。現在SCP-737-JPの異常性は後述の範囲に留まっていますが、SCP-737-JPが財団の収容に対し決して従順とは言えず、潜在的な危険性があることに十分に留意してください。SCP-737-JPの能力の行使は実験時の監視下にのみ許可されます。

出現したSCP-737-JP-1のうち、異常性を持たない段階のものは焼却処分し、SCP-737-JPとの接触で異常性を得たものは標準人型収容室にて収容されます。週に一度、児童の心理に精通した臨床心理士によるカウンセリングを行ってください。また、SCP-737-JPの顧客リストから既に市場に流通したSCP-737-JP-1片の積極的な回収を行ってください。回収されたSCP-737-JP-1片は全て標準低危険度収容ロッカーに収容されます。

説明: SCP-737-JPは身長170.5cm、体重63kg、収容当時42歳の日本人男性です。知能テスト、体力測定ともに結果は平均的であり、後述の異常性の他に特筆すべき要素はありません。

SCP-737-JPの半径5m以内には、7日から35日の不定な周期で児童の遺体(以下、SCP-737-JP-1と記述)が出現します。SCP-737-JP-1は過去から現在に渡って日本各地で虐待が原因で死亡した児童と遺伝情報が一致しており、それぞれの墓を調査した結果複製体であることが判明しています。SCP-737-JPはSCP-737-JP-1に直接接触することで、SCP-737-JP-1の皮膚以外の組織を瞬時に宝石に変化させます。

SCP-737-JPが直接接触した時点でSCP-737-JP-1は生前と一致する記憶、精神活動を獲得し、既に死亡し更に体組織が鉱物に変化しているにも関わらず、自由意思によっての行動が可能になります。食事や排泄は行いません。視覚、聴覚などの感覚は機能していますが、SCP-737-JP-1の皮膚を剥がし肉体から宝石を採取しても痛みを訴えることはなく、痛覚は存在しないと見られています。また通常人間が生存不可能なほど体を削られても意識を保ち続けます。

補遺1: SCP-737-JPは収容以前個人で宝石店及び宝飾品工房を営んでおり、恐らくSCP-737-JP-1から採取したと思われる宝石類、それらを使用したアクセサリーを販売し続けていました。産地として虚偽の説明を掲載していたこと、仕入れ先が不明であったことから非合法組織の関与を疑われ、家宅を捜索した警察にSCP-737-JP-1が発見されたことによって異常性が発覚。警察内部の財団エージェントによって速やかに収容され、関係者にはAクラス記憶処理が施されました。

補遺2: 以下、SCP-737-JPの収容時にSCP-737-JPの自宅地下室から回収されたSCP-737-JP-1の一覧です。戸籍上死亡していること、また体組織の変化及び欠損のため一般社会に適応することは不可能と判断されました。また、既に全身を砕かれ市場に流通した未知のSCP-737-JP-1が存在すると考えられます。

SCP-737-JP-1-a: 静岡県████市にて父親に頭を強く殴打されたことにより死亡した7歳の女児と一致。トパーズに変化し、収容時は右腕及び左脇腹が欠損していた。

SCP-737-JP-1-b: 高知県████町にて母親からのネグレクトにより餓死した3歳の男児と一致。ブルーサファイアに変化し、収容時は左腿、右眼球が欠損していた。

SCP-737-JP-1-c: 北海道████市にて父親に強姦、絞殺された17歳の女子と一致。ダイヤモンドに変化し、収容時は右手首、両脚、両乳房が欠損していた。

SCP-737-JP-1-d: 埼玉県████市にて両親からの精神的虐待をきっかけとして自殺した13歳の男子と一致。エメラルドに変化し、収容時は右薬指、下半身が欠損していた。

SCP-737-JP-1-e: 滋賀県████市にてカルト宗教団体の信者であった両親に儀式と称して溺死させられた10歳の男児と一致。ルビーに変化し、収容時は両腕が欠損していた。

SCP-737-JP-1-f: 福島県████市にて母親に████駅トイレに遺棄され低体温症で死亡した2ヶ月の女児と一致。オパールに変化し、収容時は頭部のみを残していた。

補遺3:インタビュー記録SCP-737-JP-1-c

<録音開始, 20██/6/█>

████博士: ご気分はいかがですか。お話するのに不都合はありませんか。

SCP-737-JP-1-c: はい、先生。大丈夫です。何故かは分かりませんが、この体でもきちんと声が出ますから。私の声、聞こえづらくないですか。

████博士: 問題ありませんよ。では、あなたがあの地下室に来てからのことを教えていただけますか。

SCP-737-JP-1-c: はい。と言っても……気が付いたら、あそこにいたんです。私は、あの時お父さんに……殺されたはずなのに。何が何だか分からなくて。そうしたら知らない人が……████さん1が、立っていて。私、怖かったけれど……████さんは私に服をくれて、優しい言葉をかけて、安心させてくれました。

████博士: 続けてください。

SCP-737-JP-1-c: ████さんは、私がどんな風に死んだか知っているようでした。辛かったねって。苦しかったねって、言ってくれました。私、████さんと暫く話していました。私が今まで受けた仕打ちを話さずにはいられなくて。そしたら、████さんは突然私の右の、手の甲の皮を剥いだんです。でも痛くなくて、血も出なくて。私の肉が、みんな綺麗な宝石になってたんです。████さんは、私は今まで愛されなかったから、これから皆に愛される存在になるんだよって言っていました。変な感じが、しましたけど。自分が綺麗な宝石になっているのは嫌な気分ではありませんでした、寧ろ感動したくらいです。そして████さんは私の右手に機械を当てて、砕きました。これから私は加工されて素晴らしいアクセサリーになって人を飾るんだって、言ってくれました。

████博士: なるほど、そのようにして砕かれたのですか。あなたは両脚を欠損していますね。ベッドから動けなかったのでしょう。苦痛ではありませんでしたか。

SCP-737-JP-1-c: いいえ。ほら先生、私と同じような子たちが地下室にいたでしょう。動けなくても沢山話し相手がいたんです。私、あの子たちのお姉さんだったんですよ。最後まで砕かれ終わった子がいなくなるときは寂しかったけど……砕かれれば砕かれるほど、嬉しいってことを知ってましたから。だから、平気でした。

████博士: 詳しくお聞かせください。

SCP-737-JP-1-c: 私の頭に流れ込んできたんです。砕かれて、磨かれて、指輪とかネックレスになった私に、みんな笑顔を向けてくれるんです。凄いって、目を輝かせてくれる。綺麗だ、素敵だって。私、あんなに褒められて大事にされたことなんてなかった。私、████さんの言っていたことが分かりました。愛してもらえるってこういうことなんだって、嬉しかった。先生、今だってです。何百もの私が、今この瞬間にも愛されてる。私はそれを感じています。

████博士: それは愛情ではなく、美的価値と金銭的価値への評価ではありませんか?

SCP-737-JP-1-c: ……分かってます。それでもいい。それでも私、今とても幸せなんです。ねえ先生、お願いです。████さんも、きっと怒ってる。もっと砕かせて。私たちを、仕舞い込んだりしないで。

<録音終了>

終了報告書: SCP-737-JP-1-cの発言から、宝石として販売されたSCP-737-JP-1片には受容器としての機能が備わっている可能性があります。SCP-737-JP-1片の回収を急いでください。SCP-737-JP-1に対しては現在、意識保持の限界を調査する実験が計画されています。

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