SCP-739
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アイテム番号: SCP-739

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-739は明るく照らされた室内に置かれ、SCP-739のドアは常にストッパーを使用して開けておきます。どのような場合であっても、誇張癖、精神病質、社会病質、独我論的な性格である職員はSCP-739に関する役職に任命されることはありません。もし適切な職員がいない場合、精神変異を行なうことでそのような職員を作り出すことが認可されます。

実験が行われていない時は必ず2名のD-クラス職員が室内にいなければならず、3時間毎に交替します。1名はSCP-739の内部に立ち、もう1名は前者のすぐ目の前に立ち、前者がSCP-739のドアを閉めないようにします。

プロジェクト管理者の許可を得ずにはSCP-739の実験を行ってはなりません。SCP-739より出現した後に敵意の兆候を表した全ての対象は、即座に終了させられます。

説明: SCP-739は漆塗りのオークで作られたブースであり、基礎部は91cm✕91cm、高さは210cm、頂部は87cm✕91cmの大きさです。このオブジェクトは対称的な台形プリズムの形をしています。オブジェクト内の内側へ傾いた2面には互いに向き合って鏡が貼り付けられ、上昇していく反射光を生み出しており、それが頭上で重なり合うという幻覚を与えます。ブースの後ろの壁とドアには特徴の無い平凡なものです。

SCP-739の内側を撮影した全ての映像記録には、内部の鏡による反射が記録されません。それらの全ての記録では鏡が一様な黒色に見え、完全に光が記録されていないことが示唆されています。オブジェクト内の不明な箇所からかすかな囁き声が発せられるのを聞くことができますが、個々の語句や声を識別することは不可能です。

もし被験者やアイテムがSCP-739の内部にいる時にドアを閉めると、そのドアは開けることが不可能になります。閉まっている時間は変動的であり、その間ブースは激しく揺れます。揺れが止むとドアは再び開けることができるようになり、内部に置かれていたオブジェクトの被験者は、一次元の横反転を経験します。被験者のあらゆる非対象な部分は反転され、これには内臓や非対称分子も含まれます。この変化は分子レベルで発生し、L-アミノ酸はD-アミノ酸になります。

コミュニケーション可能な被験者は自分は影響を受けていないと主張し、そうではなく周りの環境が反転したのだという考えに固執します。被験者をSCP-739の異常効果に2度曝すとその横反転効果は戻りますが、被験者の中には依然としてその後の周囲の環境の中に小さな不一致があると報告する者もいます。質問をされると、被験者は具体的な不一致を明らかにすることができず、それが直感的なものであるためだと主張します。

数度SCP-739の効果を受けると、被験者は実験前に比べて顕著に物理的、精神的な逸脱を表します。実験被験者にとって望ましくないと考えられている特徴1が段々と消えていき、完全になくなるか望ましい特徴に置き換わります。変化した被験者はそれらの変化に気付かず、何も変化は起きていないと主張します。

影響を受けた被験者はまた、SCP-739に曝される以前の人生の記憶が段々と異なるものになっていきます。それらの記憶は被験者がSCP-739を使用する度に強まっていき、最終的には真の記憶よりも被験者がより好ましいと考える記憶になります。ただし、例外なく被験者がSCP-739に関する実験のために財団D-クラス管理者に就任するというものです。被験者はそれらの偽の記憶の中に出てこなくなっていく人間に対する親しみを無くしていき、一度も会ったことのない人間と親しい仲にあると主張します - 多くの場合ではその人間は純粋に架空の人物か、ステレオタイプに描かれた人物です。

内部にアイテムや被験者がない時にSCP-739のドアが閉じられると、オブジェクトは初め、まるでそれらが内部にあるかのように動作します。ドアが開けられると、SCP-739の内部より未知の外観の存在が出現します。それらの存在は一律に、特徴が無く、映像記録には暗くぼんやりと映り、直接の観測は認識災害となります。記憶削除の前に質問を受けた職員は、その存在は異質、あるいは不可知のものでありと主張し、しばしばそれを存在していない物と呼びます。現在までにSCP-739より出現したそれらの全ての存在は、周囲の環境を損傷させるためにショック波を使用し、近くの職員を傷つけたり殺害したりします(実験739-23を参照)。

D-クラスによる実験の開始後、SCP-739はもはや閉じられた時に内部にある無生物オブジェクトの存在を認識せず、内部が空であるかのように動作します。

補遺1: インタビュー記録

インタビュー対象: D-53682

インタビュアー: ███研究員

前書き: インタビューが行われる前、D-53862は連続して複数回SCP-739により変化させられました。それらの実験の開始前、D-53682は身長154cm、体重65kgの白人男性であり、切断により肩から下の左腕を失っていました。一連の実験の完了後、そしてこのインタビューの間D-536482は身長203cm、体重105kgの白人男性であり、失った腕は再生していました。

<記録の開始>

███研究員: あなたのフルネームと、呼称について述べて下さい。

D-53682: ジョン・カート・ボール、D-53682。

███研究員: それは確かにあなたの名前ですか?

D-53682: どういう意味だ、「確かにそうか」だって? それが俺の名前だ、生まれた時からな。

███研究員: 我々の記録ではあなた - D-53682 - はジョシュ・クラレント・ボールです。実験の開始前、それがあなたの名前であるとあなたは我々に言いました。

D-53682: 違う、俺の名前はジョン・カート・ボールだ。ずっとジョン・カート・ボールだった、前に俺が言った様に。誰かがあんた達の記録を滅茶苦茶にしたに違いない、キャムに直せるかどうか見てもらうべきだな。

███研究員: キャム?

D-53682: ああ、キャメロンだよ。知ってるだろ、ここにいる大きな技術エキスパートだ。ナチョ・チップスを燃料にしてるのも同然のやつだ。

███研究員: いつキャメロンに会いましたか?

D-53682: ああ、随分と昔だ…サイト-83のカフェテリアであったんだっけな。いや、待てよ、学校で会ったんじゃなかったか?うーん、いや、どうでもいいことだ。

███研究員: あなたが投獄された理由について教えてもらえますか?

D-53682: 詐欺とマネーロンダリングだ。推測させてくれ、また俺は間違ってるのか?

███研究員: そうです。あなたは2件の第2級殺人で有罪判決を受けました。

D-53682: ああ、確かに俺は誰かを殺したことを覚えている。もしあんたがそれを俺がやったと仄めかさなかったらありがたかったな。

███研究員: よく分かりました。ドアが閉じた時にSCP-739の内部で何が起こったのかを覚えていますか?

D-53682: ブースのことか?ええと…ドアがまた開く前に、何かぼんやりとした者の事を覚えている。

███研究員: 続けて下さい。

D-53682: 入った時俺は1人だった、そうだろ?入った時に声が聞こえたのを覚えている。俺は…俺はそれらの物はそこにいるべきとは思わない…

███研究員: それとは何ですか?

D-53682: 確実には言えない、ただ… なぁ、俺はいつでもあんたが自分で入って確かめることができると思うな。きっとやつらもあんたを見て喜ぶだろう。

<記録の終了>

後書き: D-53682と会話を続け、更なるSCP-739と被験者が受けた変化に関する情報を集める試みが現在進行中ですが、被験者が非協力的であるため、現在までに集められた情報は決定的ではありません。SCP-739を複数回使用した全ての被験者は、財団職員に対して直接的な脅威とならない限りすぐさまインタビューを受けます。脅威となった場合にはプロジェクト管理者の裁量により、通常の終了処置の使用が認可されています。

補遺2: 事件記録

実験739-23
日付: ████/██/██
手順: 内部にアイテムや被験者を置かずにSCP-739は閉められ、そして開けられた。
結果: 10秒の閉じられた状態が終了すると、出自の不明な存在がSCP-739より出現した。この存在(非因果的にSCP-███-1-Dと呼称する)の外観は全ての視覚記録において隠されており、暗い部分として映っている。当時実験室にいた職員は存在の出現に極度の不快感を表明し、それを観察することを避けようとした。SCP-███-1-Dは即座にサイト-832のレイアウトを認識した。その存在は背後のSCP-739を閉め、2度目の閉じられた状態を作り出した。

SCP-███-1-Dは210デシベルを超える指向性ショック波を使用して妨害する障壁を破壊し、主に武装した初期対応収用チームであった直面した全ての職員を殺害し、収用違反を発生させた。その存在は可能な限り多くの職員を排除することに焦点を当てており、いくらか妨害されたり攻撃されたりしない限り他のオブジェクトや存在に関して意識を払わなかった。SCP-███-1-Dの外観の視覚性認知災害のため、収用活動は著しく妨げられた。

10分後SCP-███-1-Dは崩れ落ちた。その存在の自動化された検死ではそれは地球環境に適しておらず、恐らく酸素中毒に類する原因により死亡したことが判明した。それは収用違反の際に非致死性の怪我を受けており、活動中に高速な再生能力があるであろうことが示された。

SCP-███-1-Dの収用違反の間、2体目の同様の存在(SCP-███-2と呼称)がSCP-739より出現し、直後にサイト-83の境界線より逃亡した。その存在は収用違反後発見されていないため、SCP-███-2がSCP-███-1-Dよりもより地球環境に適応していたかどうかは不明である。

補遺3:
SCP-███-1-Dが職員を攻撃するために使用した音パルスの解析では、それが極度に歪められたヒューマノイドの会話であることが発見されました。SCP-███-1-Dにより発せられたいくつかの語句の書き起こしを下記に示します。

私を中に入れてくれ!

やることが多すぎる。

我々はあなた達の使者が我々に教えたことを強化する。

我々は仕事を完成させる準備ができている。

なぜあなた達は私を無視するのか?

もし我々が一緒に叫ぶならば、あなた達は見るだろうか?

我々はあなた達の承認を得る。

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