SCP-748-JP
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アイテム番号: SCP-748-JP

オブジェクトクラス: Euclid

シズルRTC素粒子.jpg

D-1457の頭蓋内より摘出されたSCP-748-JP-1、一部に劣化が確認できる。

特別収容プロトコル: SCP-748-JPはサイト-81██の中型収容ロッカーに、SCP-748-JP-1は冷蔵状態の小型バイオ収容ケースにそれぞれ収容されています。SCP-748-JP及びSCP-748-JP-1の重量は常時計測下に置かれます。担当研究員は重量変化が確認された際に出現したSCP-748-JP-1の移送と成分解析を行って下さい。

説明: SCP-748-JPは高さ110cm、最大径55cmの味噌樽であり、素材にはヒノキ(Cryptomeria japonica)と真竹(Phyllostachys bambusoides)が用いられています。SCP-748-JP-1は米味噌と人由来組織の混合物です。SCP-748-JP-1に含まれている米味噌はSCP-748-JP内で熟成が行われた物ですが、生成過程と原材料に特異な点は存在しないと考えられています。SCP-748-JP-1の風味や外見は一般的な米味噌と概ね一致します。SCP-748-JP-1は消費1された際に同量がSCP-748-JP内に再出現します。

摂食されたSCP-748-JP-1の0.5~3.0%は摂食者の大脳の無作為な部位と置換されます2。頭蓋内へと転移したSCP-748-JP-1は基本的に腐敗の兆候を示しません。この置換により摂食者の生体機能が直ちに脅かされる事はありませんが、多量の摂取は自己認識機能の低下、他の摂食者との限定的な感覚共有、不定期的な多幸感を引き起こします。これらの兆候が確認された摂食者はSCP-748-JPから7km3離れた時点で意識の混濁を示し、再接近を行わなかった場合は数日で脳活動が停止します。

SCP-748-JPは191█年に発生した宗教団体██会における信徒の不審死を契機として蒐集院に回収され、後に財団へと管理が引き継がれました。回収当時の██会では共同生活を営む信徒4█名全員が日常的にSCP-748-JP-1を摂食しており、終了後の解剖調査では大脳のほぼ全量がSCP-748-JP-1へと置換されていたケースも確認されています。現在のSCP-748-JP-1には██会の宗主であった隅埜██氏をはじめとする7█人分の人由来組織が含まれています。

補遺: 蒐集院が行っていたSCP-748-JPの異常性に関する調査資料は大部分が関東大震災後の混乱を機に失われており、隅埜██氏個人についての残存資料は以下の聴取記録のみです。

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隅埜██に対する初期聴取記録

第███番

へぇへぇ、札やら祝詞やらあんたら本物ですか、う
ちのも救つてやれあいいのにね、へゝ
あの樽、バアさまの代から家にあつたとか云ふ事で
すが由來なんざ無いでしよ、味噌樽ですよ
へえへ、いやねどうせ金無し種無しだ、へ、へゝ、
清貧らしく神佛の眞似事でもしてみようかつて
お偉い方めいてか、からだの一部分けたりしたらハ
ク附くかなとね、で███指やら爪は痛ェし垂レ4ぢや
汚ェ、で、で家に味噌樽あるしミソでね、へえへ
へえ、云へ、ここね後ろ頭べこんとしてるでしよ、
親父にひのしでヤられて割れたんだつて、へゝゝ
え、診たセンセイもをかしいよね零れてたから返す
よつてねラムネ瓶に入れてへえへゝゝゝ
すつかりクズみたいになつて轉がつてたのを、へ、
た、樽に混ぜてね、芋がら汁にしてこしらえ説法ぶ
つて飮ませてたらへ、へゝえへ、ボオつとして信じ
てくれるんでね、あとは増やして、へえへゝ
自分もウチのら何やつてるかな、分かるからこれが
悟りなのかなとね、へゝ
何となくね、ミソに██つてるなつてのはピンとね、
へ、へえへゝ、そりゃ初めは食べなかつたですよ自
分の頭んなかなんて、へえへゝゝゝ
でも我慢が、またほしくてね、へえ、小桶に入れて
た最初のをね、自分で味噌汁にしたり燒いたりで全
部喰つてね、へえへ、かき混ぜてへゝゝえへ
己れが齒ですりつぶされるのがねえ、へ、へえ飮ま
れて、救はれてるなァとォ、たまらなくて、へゝゝ


追記: 蒐集院からの引き継ぎ以降、財団の認知する実験と連動しないSCP-748-JP-1の再出現が█回発生しました。混入している人由来組織の比較調査により、蒐集院収容下の比較的早い段階において多量のSCP-748-JP-1が持ち出された可能性が指摘されています。出現したSCP-748-JP-1は同一人物由来の組織が多く含まれており、何者かによる多量の摂食が行われたものと推測されました。現在個別に収容されている当該SCP-748-JP-1には同一人物の脳組織36██g5が含まれています 。この再出現は19██年以降確認されていませんが、摂食者の捜索及び収容違反の経緯調査は現在も継続中です。

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