SCP-756-JP
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SCP-756-JP

アイテム番号: SCP-756-JP
 
オブジェクトクラス: Neutralized
 
特別収容プロトコル: SCP-756-JPは既に無力化されています。
 
説明: SCP-756-JPはアメリカ合衆国国務省より発行されているものと極めて近似なデザインのパスポートです。期限や所有者情報、IDなどの記載は無く完全な白紙状態ですが、ICチップが埋め込まれていないことから、2006年3月以前に製造された可能性が高いと見られています。
 
SCP-756-JPを海外渡航の手続きに於いて使用した場合、未知のミーム的効果により、どのような手続き上の不備や意図的な違反も認識されないようになります。この効果はSCP-756-JPを使用した手続きが開始されるのと同時に現れ、出入国の管理に関係する全スタッフに即座に影響が及びます。
その際、SCP-756-JPを使用する手続きを行う以前に発見されている不備や違反についても、個々の認識や記憶から欠落し、没収されたものがあれば、SCP-756-JPの使用者が要請を行うことで必ず返却されます。
これらの効果は、SCP-756-JP使用者がSCP-756-JPを所持したまま空港または海港の敷地内から退出するまで継続します。しかし多くの場合で、不備や違反が見逃されているためにそれらの記録もスタッフによっては残されておらず、スタッフの持つ認識能力や知覚にも大きな変化は無いため異常性の発見は困難です。
 
SCP-756-JPは、その性質を利用して日本国内に潜伏していたカオス・インサージェンシー工作員を制圧した際に初めて回収され、同工作員からの証言とDクラス職員を用いた実験により異常性の存在が確認されました。
 
こりゃあ便利だ。是非優先して研究を進めてもらいたいな。潜入に使えるかもしれない。 ──エージェント・██
 
補遺1: 20██年5月██日、カオス・インサージェンシー構成員6名による、自害的な攻撃を含んだ襲撃によってSCP-756-JPが奪取されました。同案件により3名が死亡し、18名が重軽傷を負っています。
同日、SCP-756-JPの再回収を含んだ特別調査チームが組織されました。
 
補遺2: 20██年5月██日、カオス・インサージェンシーの潜伏拠点と思われる建造物が機動部隊により制圧されました。しかし機動部隊突入時には既に潜伏拠点は何ものかによる襲撃と破壊を受けた後であり、カオス・インサージェンシー工作員と思われる4名の死体のみが回収されました。
 
残存した証拠の解析では、襲撃者は蛇の手の構成員であることが示唆されています。
 
補遺3: 20██年7月██日、特別調査チーム宛に、蛇の手の構成員を名乗る人物からメールが送信されました。
そこには、カオス・インサージェンシーからSCP-756-JPを奪取したのは自分たちであることを自白する文章と、SCP-756-JPを取引によって蒐集院残党へと譲り渡した旨が記載されていました。
同メールには、SCP-756-JPを再回収しようとする活動全体に対する、非常に抽象的な抑止の忠告が書かれていました。
 
特別調査チームは調査対象を蒐集院の各残党へと再定義するのと同時に、増員の要請を行いました。
要請は6日後の20██年7月██日に承認されました。
 
補遺4: 20██年8月██日、蒐集院残党勢力の一つ"呪禁道持禁医疾社"との交渉中、未確認の超常現象によって同組織の壊滅が確認されました。同組織の拠点は同質量の人糞へと置き換わっており、生存者は発見されず、拠点内の全物質が人糞へと置換されていました。
 
その後、超常現象の発生過程の調査と、送信者不明のメッセージの内容により、これら超常現象は人為的なものであることが判明しました。また、SCP-756-JPは"呪禁道持禁医疾社"によって所有されており、強奪された可能性が高いと見られています。
 

送信者不明のメッセージの内容:

久しぶりだね! 楽しい楽しい博士のにぎやかしバクダンはたっぷり味わってくれたかな? お友達がたくさん集まったパーティーは楽しく盛り上げなくちゃ! 大はしゃぎの時間はまだまだ終わらないよ。夕日が沈むまで、皆で思い出に残る遊びを考えよう。楽しもうね!

以後20██年11月██日までに発生した、SCP-756-JPが関与したと思われる一連の異常現象については別途資料を参照してください。 資料は破棄されました。
 
補遺5: 20██年11月██日、マーシャル・カーター&ダーク株式会社名義の商品として、デザインに多少の改変が加えられたSCP-756-JPが発見されました。
直ちにエージェントが回収のために派遣されましたが、SCP-756-JPが既にUIUによって取得されていたため、財団米国本部を通じての引き渡し要請が検討されています。
 
補遺6: 20██年11月██日、ORIA主導によるFBI襲撃事件が発生しました。ORIAはマーシャル・カーター&ダーク株式会社より情報を得ており、それに基づいてSCP-756-JPを含むUIU管理下の幾つかの異常アイテムを奪取しました。しかし襲撃者の作戦軌道から、最優先の確保対象はSCP-756-JPであったと推測されています。
本襲撃事件により、UIU捜査官2名を含んだFBI職員16名が死亡し、31名が重軽傷、2名が行方不明となっています。
 
補遺7: SCP-756-JPに関連した一連の事件に対し、SCP-756-JP担当研究チームが疑問を呈した事によってSCP-756-JPの性質の再調査と資料の再検討が実施されました。
 
その結果SCP-756-JPは未確認のミーム的特性を有していた事が初めて確認されました。SCP-756-JPの異常性質を知る人間は、本来有しているSCP-756-JPの効果や客観的な利便性以上に「SCP-756-JPが便利なものである」事実を過剰に評価するようになります。
財団がSCP-756-JPを所有していた頃に実験を行ったDクラス職員へのインタビュー記録では、どのDクラス職員もSCP-756-JPを「すごく便利なもの」としか描写出来ず、その具体的な使途に言及する事無く終始利便性について感心しているかのような素振りを取っていました。
 
このミーム的特性が未発見であった要因としては、SCP-756-JPの特性が低脅威且つ利便性に優れた使用が可能であった点、当時の研究チームを含んだ数多くの財団職員もこのミーム的特性の影響下にあったであろう点、このミーム的効果が必ずしも強烈な所有欲や独占欲または精神的な中毒性には直結せず、管理下にあったDクラス職員の過激な異常行動を誘発するには及んでいなかった点などが挙げられています。
 
新たに発見されたこのミーム的特性によって、複数の要注意団体によるこれまでの事件が誘発されているものと思われます。しかし「便利である」という認識そのものはSCP-756-JPによる効果ですが、そこからの「だから活用したい」という心理への移行はあくまで当事者自身の心理活動によるものであり、そのために各要注意団体に於いても、このミーム的特性は見過ごされているものと考えられます。
 
このミーム的特性に影響されている人間の数は今や特定不能であり、今後はSCP-756-JPの徹底した情報封鎖と、関連情報に対する記憶処理、記録の改竄が実施されます。
 
補遺8: 20██年1月██日、GOCより「SCP-756-JPをORIAより奪取後、破壊した」との情報が寄せられました。また、GOCとの合同調査によって、SCP-756-JPが破壊されるのと同時にミーム的特性も消失していた事が確認されました。
 
SCP-756-JPの残骸はGOCより返還され、Neutralized認定後、同組織職員立ち合いの下で焼却処分されました。
 
一連の事件による、一般社会への被害総額と被害者数の調査は現在も進行しています。

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