SCP-758
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アイテム番号: SCP-758

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-758は、財団の特別収容プロトコルから逸脱しない範囲であれば、快適な居住空間と要求する生活用品が与えられます。SCP-758の居住空間に施錠をしたり警備員を配備する必要はありません。もしSCP-758がホールを歩き回っているところを発見した場合は、担当の研究員に報告してください。SCP-758は、1日につき3回の食事と、もし要求するならば軽食を与えられます。SCP-758と直接会話をするときは、SCP-758のことを「ヴァシーリイ」と呼称してください。

説明: SCP-758は、身長190cm、体重約110kgの若いロシア人男性です。フルネームをヴァシーリイ・████・██████████といい、19██年にロシアの██████で発見されました。対象は、4歳のときに重度の自閉症患者であると診断されています。

職員の一部は、SCP-758が自閉症と診断される原因となった症候は、SCP-758自身の持つ能力に対応するためにできあがった対処メカニズムであると推測しています。現時点では、SCP-758が実際に自閉症にかかっているかどうか、またその推測が真実であるかどうかを確認することはできていません。

補遺758-1:

発達

以下の記録は、財団に勤務する前は対象の発話および行動療法士を務めていた████・█・██████博士が纏めたメモの内容です。

SCP-758を診断した2年後、SCP-758は言語学の技術面における誤りを指摘し、訂正する能力を示すようになった。6歳のとき、彼は両親の読んでいる新聞の文章の誤りを訂正した。誤りの訂正の範囲は、文法、句読点、綴り、構文を含んでいた。次の週にはSCP-758に対し、母親が学んだ程度の文章で書かれたエッセイや雑誌、最終的には大学卒業レベルの教科書や辞書といったますます高度な資料が与えられた。

対象の両親がサヴァン的な才能と信じて疑わない学習能力に関して、SCP-758の主治医であった██████医師は、あまり刺激を与えすぎないように対象に学ばせる言語を1つに絞るように勧めた。██歳のとき、対象は店の外の地面に落ちていた、中国の標準語で書かれたパンフレットを発見した。SCP-758はそれを拾い上げ、しばらくの間そのページをじっと見つめた後、以前資料にやってみせたようにそのパンフレットの誤りを修正し始めた。██████医師は自分の見つけることのできたあらゆる言語の資料を対象に与え始めるようになった。

発見

かつて心理学を学んでいたことのある(医学資料861379を参照)エージェント・██████は、SCP-758の両親が対象の才能に関して語り合っているのを耳にし、すぐさま財団に報告を行った。CTスキャンとMRI検査を行った結果、ブライト博士と私イングリッシュ博士により、対象の脳に言語野が存在していないことが即座に発見された。この事実により、本来ならばこれほどまでの言語処理能力を対象が持っているはずはないことから、対象がSCPオブジェクトであるという結論が導き出された。SCP-758は収容し研究を行うため、すぐさまサイト-██へと輸送された。進展については、研究記録758を参照すること。― イングリッシュ博士

補遺758-2: 即刻、SCP-758はオブジェクトクラスをSafeに再分類されており、それに応じて収容手順も変わっている。対象は財団の番号指定システムを理解していないため、SCP-758から反応を得たいのであるならば、職員はSCP-758と直接会話をするときには「ヴァシーリイ」と呼称すること。― イングリッシュ博士

補遺758-3: SCP-758が、自分の今読んでいる言語が理解できないと主張しているとき、SCP-758は真実を語っているということが確定した。そういうわけであるので、SCP-758の能力を公文書を校正するために利用したいと思っている人員は、対象と接触したい旨の申請書を、予定されているイングリッシュ博士とサーリン博士との研究会議の前もしくは後にブライト博士に対し提出すること。- O5-██

メモ: そうだ、宗教的な文章の現在の翻訳が原典と意味が合致するかどうかの学術的な推測は確かに存在する。だがSCP-758はその発見を行うのには用いられない。それは我々にとって大して重要なことではないので、そのことに関して質問は行わないこと。- O5-██

研究記録758

19██/█/█ - 私がSCP-758の能力の研究に割り当てられてから、今日で3週目になる。現時点まで、対象は気が乗らないのか、それとも職員と交流することができないのか、研究に進展はない。- イングリッシュ博士

19██/█/██ - 我々は、対象に強制させるよりもむしろ、対象が偶然自分の時間にそれらを見つけることを期待して、SCP-758の居住空間に文書を残しておくことにした。- サーリン博士

19██/██/██ - SCP-758は、我々が居住空間に残しておいた文書に訂正をし始めた。また、サーリン博士と私に対していくらかの認知や信用の合図を示すようにもなった。今のところはこれが彼の交流の限界であろう。ここまでは、我々は対象に現代の地球の言語を提供するだけであった。- イングリッシュ博士

19██/█/█ - 昨日、初めて対象にコンピュータ言語を提供した。対象の能力でコンピュータに対応できるか不明だったため、コードは通常の紙に印刷されていた。対象は、困惑したような表情を浮かべてそれをじっと見つめていた。今日、対象の前に同じコードをコンピュータ端末に表示された状態で提供したところ、数秒後に対象はコードの誤りを訂正し始めた。- イングリッシュ博士

19██/█/██ - 本日より、既に絶えてしまった言語および地球外か他の特別な次元に由来すると見られる言語を用いた実験を開始した。SCP-███やSCP-███を含む、そのような言語に対しての知識を持ち合わせているSCPオブジェクトに対し、我々は比較のために、彼らの知識の上ではきちんと書かれている文章と、様々な範囲で細かく技術的な誤りの存在する文章の2つの例を提供するように要請した。全てのSCPオブジェクトは抵抗することなく我々の要請に応じた。そしてSCP-758の能力は効果的であることが再確認された。 - サーリン博士

19██/██/██ - 今日は、それが言語と技術的には捉えられる場合があることから、SCP-758の能力が数学にも及ぶのではないかという考えが持ち上がった。対象には基本的な代数学証明が提供された。そして、対象は施設に収容されて以来、初めて言葉を口にした。それは数学は本当に言語ではないことを我々に知らせるものであった。- イングリッシュ博士

20██/██/█ - SCP-758がイングリッシュ博士や私と会話するようになってから、実は対象が文章を見たときに、読むことのできるのは対象の母国語であるロシア語のみであることが判明した。他の全ての言語に関しては、彼は誤りが存在していること、そしてそれをどう訂正するべきかを単に認識しているだけであった。- サーリン博士

20██/█/█ - 今日、偶然にもSCP-758の能力は書き言葉のみに制限されないということが判明した。対象が2人の警備員を追い越したとき、対象は彼らがフランス語を話しているのを聞き、フランス語についての知識を持っていないにも関わらず、警備員の1人の文章の構成の仕方を訂正した。更なる実験は、この地域で行うよう命じた。- イングリッシュ博士

20██/██/█ - 詳細な研究の結果、SCP-758の能力を話し言葉に応用するとき、SCP-758は書き言葉的な技術面の訂正に加えて、方言、アクセント、発音の訂正が可能であることが判明した。声を出して書き言葉を読むように要請したとき、対象は完璧にその言語を話すことが出来ると判明したが、まだそれらを理解していないと述べた。- イングリッシュ博士

20██/█/██ - SCP-758は、基本的に「時間全体で翻訳する」能力を示した。すなわち、対象の能力は現代語の概念の理解を行い、書き込まれた文章が規定された時間内に変形出来ることを証明して、どんな口語表現でも変形し、結果として原文と同じ意味を持つ「翻訳された」複製が進展した言葉として与えられるのである。既に絶えてしまった言語でこれを試みた場合、対象は文章を、それを変形するのに制限した時間内に、最も類似する現代語に完璧に翻訳した。対象が最近の世代の言語に文章を更新している間、対象は文章を元の前世代の言語には戻せないようだ。- イングリッシュ博士

20██/██/█ - SCP-758は、要請されれば書かれた言葉を発音することが可能であることを自分で証明した。現在までに、サーリン博士と私はSCP-758の助けによって、複数の既に絶えてしまった言語を流暢に話すことを学んだ。- イングリッシュ博士

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