SCP-771-JP
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アイテム番号: SCP-771-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-771-JPが存在する██山は自然調査地域として一般人の立ち入りを禁止してください。財団職員が立ち入る際は身辺調査の上、過去に何らかの法的制裁を受けていた場合、侵入を禁止してください。

SCP-771-JP-Aの堆積する谷底には標準監視装置を設置し、周囲を封鎖してください。

説明: SCP-771-JPは██県██山中にある、幅約1.5m、全長約5m、桁高500mの簡易吊り橋です。見かけの材質は一般的なサルナシ(Actinidia arguta)や鉄筋と違いはありませんが、あらゆる物理的破壊は現在時点で失敗しています。

SCP-771-JPの異常性は、過去に何らかの法的制裁を受けた人間がSCP-771-JP上に存在した状態で発現します。対象がSCP-771-JPの中心付近まで到達すると、突如として風が吹き出し、SCP-771-JPは揺れ動きます。その後、SCP-771-JPが落下し、対象はそのまま500m下の谷底に転落します。

転落した対象(SCP-771-JP-A)は谷底から約200mの地点でその体勢を変化させます。この体勢になった時点でSCP-771-JP-Aは自律行動が不可能になり、以後その体勢以外を取ることが不可能になります。SCP-771-JP-Aはその体勢に非常に激しい苦痛を感じることが判明しています。この苦痛は現在時点で使用可能な機材、薬物での緩和が不可能です。

現在時点で確認されている体勢は7種類であり、年齢、性別によって変化することが確認されています。以下はその体勢の一覧です。

転落対象 体勢
20歳未満 身体を丸めた体勢
20、30代の男性 足を延ばして右を向き座っている体勢
20、30代の女性 同世代の男性と一致するが左を向いた体勢
40、50代の男性 「S字」と表現される体勢
40、50代の女性 「Z字」と表現される体勢
60代以上の男性 「胡坐をかいている」と表現される体勢
60代以上の女性 「気を付け」の姿勢と表現される直立の体勢

これらの体勢に変化したSCP-771-JP-Aはその後空中を並行移動しつつ落下します。多くの場合回転を伴いますが、伴わずに落下する場合もあります。この平行移動を外部からの接触で変更、阻害することは不可能です。

谷底は25×5mの完全な長方形であり落下したSCP-771-JP-Aが堆積しています。本来であれば落下したSCP-771-JP-Aは以前落下したSCP-771-JP-Aの上に落下する結果となりますが、前述の平行移動、回転の結果、落下地点が重複することは僅かです。落下し堆積したSCP-771-JP-Aを移動させることは不可能です。

谷底一面をSCP-771-JP-Aが覆った場合、SCP-771-JP-Aは苦悶の声をあげながら消滅します。この消滅後、SCP-771-JP-Aは200m地点から約30秒に1回1個体ずつ再出現し、堆積を繰り返します。再出現までの期間は不定期で、約10分から2ヵ月までの間隔が確認されています。現在時点で財団の確認していないSCP-771-JP-A1の出現はありません。

SCP-771-JP-Aは自身等を堆積し吊り橋に到達することで苦痛から救済されると主張しますが、前述の移動阻害不可の特性からそれが事実であるかどうかは判明していません。

補遺: SCP-771-JP-Aが出現する際、周囲の風音などが一定のリズムを刻むことが判明しました。調査の結果、それらのリズムはロシア民謡の「トロイカ」と一致することが確認されました。

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