SCP-772
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死亡した牛の喉に卵を産みつけようとする直前のSCP-772。上記のようないくつかの個体は、即興で珍しい産卵場所を作ります。

アイテム番号: SCP-772

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 全てのSCP-772個体は18m×18m×9mの囲いの中に収容され、その囲いは20m×20m×10mの密閉されたセクタ-07の部屋に置かれます。囲い毎に最大で15体の個体を収容することが勧告され、この数を超えて収容を行なうことはSCP-772の攻撃力を増大せる結果に繋がる可能性があります。この部屋にはSCP-772の緊急安楽死が必要となった時に、全SCP-772個体を窒素させ焼却させる、遠隔操作で起動するフッ素注入済み空気のアルミニウムディスペンサーが設置されています。この緊急安楽死の機構と他の関連する全ての機具には、適切な効果が発揮されることを確実にするための定期的な保守点検が行わなければなりません。保守点検の間隔は7日を超えて開いてはいけません。SCP-772の卵は照明のよくついた冷凍庫に、-10℃を超えない温度を保って保管されます。余剰の/必要でない卵は即座に焼却され、その後生じた燃え滓の中に生命の兆候を調査しなければなりません。もし生命の兆候がある場合には2回めの焼却が認可されます。同様の手順が全ての死亡した/必要でないSCP-772のホストであるもの/なり得るものに対して適用されます。

注: 研究以外の目的でSCP-772を使用しようとする職員は、必ずO5の承認を得なければなりません。 – ウッドサイド博士

説明: SCP-772には未知の種族の狩り蜂(wasp)であり、表面上はMegarhyssa属の種族に類似しています。典型的な成長した成虫は頭から腹まで、触覚と産卵管を除いて、60cmあります。この棘のついた産卵管は最大で70cmの長さに及び、ホストを貫きどのような場所にでも5から20個の卵を産み付けます。卵は通常6cmの長さで直径2.5cmです。SCP-772は几帳面であり、産卵の最中はほとんど外科的です。それは3cm以上切開することはなく、ホストはその傷が十分に癒えるまでの数時間麻痺および/または昏睡状態にさせられます。卵とともに、独自に哺乳類の免疫系を抑制するよう適応したポリドナウイルスが注入されます。これは小さな寄生蜂がそれらのホストである芋虫に対して行なうことに類似しています。

産卵管は極度に鋭く操作可能であるため、メスのSCP-772個体は甚大なセーフティハザードを起こす危険があります。危険が迫ると、メスはこの器官を武器として使用し、繰り返し攻撃者を刺します。これらによる傷は必ずしも致命傷ではありませんが、実際それらには痛みがあると報告されており、骨まで貫通した事例が文書化されています。全てのSCP-772個体の周りでは用心して行動するべきですが、オスにはメスが武器やホストへの侵入として使用する産卵管がありません。

メスはthelytokous parthenogenesis1により無性生殖を行なうことが可能であり、オスがいないときにそのようにします。SCP-772は卵を産み付けるために暖かくて暗く、栄養豊富な空洞を必要とします。それは習性的に大型の哺乳類の腹部皮下脂肪に卵を産み付けますが、肩や背中、尻、腿、[削除済]などを含む他の部分の皮下脂肪も活用することが知られています。Dクラス職員を使用して行われた広範囲な実験について文書[追加のクリアランスレベルが必要です]を参照してください。SCP-722の卵は4から12日間で孵化し、孵化期間はホストのストレスホルモン量と反比例の関係があると推測されています。孵化すると、SCP-772の幼虫はホストの組織を消費し始め、ホストの体の深い部分へと進んでいきます。幼虫は膿瘍や腫瘍と簡単に間違われますが、SCP-772が真皮より離れていくと、観測者にはその膿瘍/腫瘍が自発的に消えていくように見えます。

SCP-772は19██年██月4日、███████大学の著名な昆虫学者である████████教授が自宅のバスルームの床で内蔵が抜き出され、部分的に貪られているのが見つかったときに、発見されました。数匹の成長したSCP-772が教授の死骸と彼の飼っていた2匹の猫を餌としているのが発見され、SCP-772が蛹化後も肉食であることを示していました。大学の同僚への聞きこみでは、████████教授は死の2週間前にアゾレス諸島から戻っていたようです。彼はイギリス到着後に誰とも連絡をとっておらず、大学へも戻っていませんでした。████████教授はアゾレス諸島の遠隔地域で一度に数ヶ月間実験を行っており、その不在の間はほとんど誰とも連絡を取りませんでした。彼は記録したデータや個人的な省察について一連の日誌に記録しており、現地ではその内の2冊が発見されました。事後解析のために、関連する、および/または注目すべき抜粋については複写され、この文書に含まれています。

日誌772-B:

52ページ

19██/██/12

ついに、数ヶ月もの間地元の植物や完全に通常の昆虫生活に対して同じ平凡な実験を行い実りのない調査を行ってきたが、私は何かを発見した。そしてこれは私が人生をかけて探してきた発見であるかもしれない。未だ文書されていないもの、未だ聞かれたことのないもの。シュテラーやダーウィン、その他が当たり前のもとしていただろうと私は確信するその貴重な瞬間、本当に何か新しい物を目撃したのかもしれないという感覚。いや、新しいものではない。本当のところは古代のものであるが、過去を見ている、あるいは未来の自然淘汰を探している人間の目にとっては新しいものである。それはアーサー・コナン・ドイルやジュール・ヴォルヌが彼らの物語の中で書くようなものだが、実際にこれは真実なんだ。主よ、私は自分が科学者であることを知っているが、でもジョージですらこのことには興奮しただろう。ジョージ、これを見ているか?君がこの記念品を読むときには、君の顔に振りかざす事のできる賞を受賞していると願う。これはただの研究仕事ではない、情熱と献身の問題である!これはマラリアや赤痢、睡眠障害や死の危険さえあるものなのだ。私はそれが見合うものであったと今敢えて言おう。これらの幼虫は最低でも10cmの長さがある!

58ページ

19██/██/13

私は死骸を私のキャンプ地へ運んできた。これを保管するのは全く衛生的で無いかもしれないが、これでフルタイムに幼虫を観察することができる。それをここに引きずってくるのにはやや罪悪感を感じたが、でもそれでなにかあるわけではない。学部生の頃にどんな気分だったかを少し思い起こさせた。その頃は救いのないラットを引きずるのが嫌だった。まあいい。こいつはもう死んでいるわけで、誰かが彼を探す前に少し時間があったはずだ。

60ページ

19██/██/15

私はそれのすべてを詳細に観察し、そして幼虫につまずいたのは全く幸運であったようである。それらの全てはまるで時期尚早に暴かれたかのように、最も暗く、最も締まった場所を求めて死体の中の進める深さまで後退している。そして私は皮膚を、少なくとも残っているものを、元の場所に折り畳んだ。今では彼が完全に平坦に、綺麗な切れ目で切り裂かれているのが分かる。これは幼虫の仕業ではなく、ナイフか或いは何らかの種の刃物によるものである。もしこ死体が殺人事件の証拠であるならば私はすごく苛々するだろう。私は彼らがここでそのようなことに首を突っ込んだりしないと思うが、何者もこの死体を見ることが無いように確実にしなければいけない。私の発見を失う訳にはいかない。

75ページ

19██/██/21

それらは今では全て繭になった。私の元々の疑いがは正しかったようであり、それらはヒメバチ上科の種族のようである。[文書は殴り書きされており解読不能] これは全く私らしくないが、私はデータ収集よりも心配することに労力を費やしている。私は死体を発見した元の場所に戻り、何があったと思う、殺人の武器がそこにあった。以前はそれに気づかなかった。それは大きなマチェテであり、乾いた血がその上に残っていた。もし誰かが私を見つけたら、私が彼を殺したと考えるかもしれず、私はこれら全ての認識で賞を受け取る者でなくなるかもしれないと思い、恐怖した。当局に接触することは絶対に避けなくては。なあ、君は私を責める事ができるか?この狩り蜂が科学のために含意することに比べたら、1件の殺人事件の調査など何でもない。

82ページ

19██/██/7

すでに14日間経ち、私は期待で死にそうである。これは死体が横たわっているキャンプ場のバラのようなものでは必ずしも無い。いつになったらこの虫たちは蛹になるんだ?

85ページ

19██/██/15

なんてことだ、私は感激している。私は誇らしげな父のような気分であり、それらは遂に現れた。幸運にも私は1週間前に死骸の周りに囲いを作っていた。なぜなら、それは本当に"たくさん"いたからだ。これは真に有史以前の優れたものである。それらは黄と赤でカラフルであり、積極的な魅力がある。それらの外骨格は私がこれまでに見てきたものと似ていない。それらが囲いの壁に向かって飛ぶとき、なんとワイヤーが曲がるが、それは本当に厚いワイヤーなのだ。そのような強い力を使っていて、しかし怪我をしているようには見えず、その外骨格は並外れて頑丈であるに違いない。そしてメスの産卵管は驚異的だ。60-70cm、信じてくれるだろうか。しかしこれら全てを2つの場所に記録することはできない、私のデータノートを見てくれ。

89ページ

19██/██/18

いくらか心配していたが、最近夜に羽音が特に強く、そしてそれらは死体を食べ尽くした。私は混乱しており、どのようにしてそれが可能なのか分からないが、それらは髪と骨を食べ尽くした。それらは自身を含めて動くものに対して極度に攻撃的であり、それらが壁に対してぶつかることは段々と恐怖を煽るようになってきている。[この部分の文書は二重線で消されている] 私は正直言ってあの囲いがどれだけの時間持つのか分からない。 [二重線の終了] 私はこれまでの長さの時間あの囲いが保っていることに驚いている、特にこのように風が吹いている中で。私は何をするのか分からない。それらを失うリスクは冒せないが、街へ助けを求めに私が離れれば、私がいない間にそれらは脱出して自由になり、永遠にいなくなって[文書は殴り書きされており解読不能]

91ページ

19██/██/11

クソ、クソッタレ、[数ページに渡り消しゴムで消したあとがあり、時にはページが破けるほどに強い] 畜生、私にはいくらかの書かれたデータと何枚かの写真やスケッチがあったが、でも現実に比べたらそんなものはただのゴミだ。そうだろ?生き残ったのは幸運だったが、悪魔は私が世話していたものを全て取り去った。なぜなら私は全ての証拠を失い誰も私を信じてくれないからだ、彼らは私が狂い、普通の狩り蜂の写真をいじくりまわっていると言う。この事を書いていて少し気分が悪い、生涯の発見を失っただけでなく、ここの何か悲惨な病気にかかってしまったようだ。水からか、死体の汚染からか、蚊からか、寄生虫からか、或いは悪魔の[文書は殴り書きされており解読不能] 君が想像もできないような嘔吐、胃痛、胸痛があり、どんなものでも食べたものは胃酸の逆流を悪化させるだけのようだ。

誰もそれらを発見できないように、それらを殺しておくことができたのなら良かっただろう、でも君は私の拳銃が十分でなかったことを信じることができるだろうか?鈍い音、とても鈍い音がして、私は弾丸が当たるとそれが平らに潰れ、完全に使い物にならなくなるのを聞いた。私は真夜中に起きると体の横が痛み、囲いはただ木とワイヤーの山になっており空気は羽音で満ちていた。私はこの日誌を掴むとトラックに飛び乗ったが、どのように逃げ出したのかは分からない。私はただ走りながら発砲し、そしてトラックの内側にいる時でもそれえらはガラスを突き破ってきた。私は針が、一端が巨大で厚く、もう一端は針がないほどに細く鋭いものが、私の顔の1インチしか離れていないところを突き、窓には羽が激しくぶつかりガラスは弱まり割れた。道路を探そうとして何十本もの木にぶつかりそうになったが、私は見つけた。道路まで歩くのが面倒であっからその道を作成した。それが私の人生を救った。ある時点で嫌な音がし胃がむかつくのを感じたが、何とかして私はハンドルの下に頭を引っ込めることができた。ガラスの破片が降り注ぎ、ガラスと針の両方に数回背中と腕を刺されたが、ペダルを最大に踏み続け何とかして狩り蜂より速く走ることができた。なんて詩的なんだ。今私はクソッタレの世界が認める科学者ではなくフィクション作家になれるだろう [文書は熱狂的に殴り書きされており、解読不能]

95ページ

19██/██/20

私は信じたくないが、夜に眠ることができずそしてなぜそのように感じているのかが分かる。どうして知らないなんてことができるんだ?前からはっきりとしているべきであったことで、私は可能性を考えてはいたが、ここに書きそれが起こっているかもしれないと認めたくなかった。もしこれが本当に発生しているのなら、私が病院へいけば検査台の上で死に、誰か他の人がそれらを見つけた功績を得るかもしれない。しかし私はそれが起こっていると思う。今では毎日大量の痛み止めを飲み、馬鹿みたいに酔っ払っている。[文書は走り書きされており解読不能] それは起こっている、馬鹿野郎。主よ、痛みが、痛みが、私を泣き叫ぶ子供として覚えてください、でも人間はこの痛みに耐えるようにできていない。

97ページ

19██/██/22

それらを発見した。それらは"私のものである"。私は科学のために"死ぬ"が"無名"ではない。"私"に因んでそれらに名前をつけてくれ、"おまえ"は子供のようにそれらに耐えないだろう、病的で、いくじのない [削除済]

144ページ

19██/██/27

殺されていなかった。彼自身を切り開いたのだ。私もだ。

補遺772-01: SCP-772の幼虫に対し多数の実験を行った後、我々は以下の事柄を結論づけました:

  • 幼虫は明るい光および21℃以下の温度に敏感です。どちらかに長時間直面すると、生体は深い冬眠状態へ後退し、殆ど死亡した状態になります。それは状況が再び成長に適するものになるまで、数ヶ月、もしかしたら無期限に、この方法で生存することが可能です。
  • 幼虫の唾液にはホストの組織の分解と消費を助ける消化酵素が含まれています。
  • 幼虫はホストのストレスホルモンに好意的に反応し、エネルギーレベルの増加、消費速度の増加、成長の促進を見せます。

補遺772-02: SCP-772の成虫に対し多数の実験を行った後、我々は以下の事柄を結論づけました:

  • 生きた牛と死んだ人間の選択肢が与えられると、SCP-772は100%生きた牛に対して卵を産み付けました。幼虫が生存するために生きた組織が必要であるのか、あるいは単に成虫にとって好ましい選択肢であるのかどうかは未だに不明です。
  • 生きた牛と生きた人間の選択肢が与えられると、SCP-772は84%の確率で生きた人間に卵を産み付け、判断を決定する前に両方の対象に対して激しく触覚を叩きつけました。
  • 同様のことをSCP-772は数名の人間の対象と直面した時に行い、時おり"叩く儀式"を最大で5回、それぞれの対象に対して行いました。SCP-772が対象を選択する評価基準は未だ不明ですが、それの好みと[クリアランスレベル 3/772 を要求]には相関があるようです。さらなる研究が計画されています。注: 蜂嫌いのDクラス職員がSCP-772のデータ収集の手助けとなるかもしれません。 – ウッドサイド博士
  • SCP-772は肉食のようであり、資源の乏しい環境では共食いをします。オスは小さな哺乳類(例:兎、猫)を襲って殺しますが、たいていはメスにより殺された獲物を含む、発見した死骸をあさります。SCP-772のオスはメスの獲物に対して"群がって"いるところが見られ、メスはそれらの存在に(限られた数は)寛容です。閾値を超えると、メスはオスが撤退するまで攻撃し、時には逃げ出すのに遅れた個体を殺して食べます。SCP-772の個体間の交流に関するより多くの情報や仮説は、文書772-11Wを参照して下さい。
  • 両性とも火器や焼夷弾、殺虫剤に対し非常に高い耐性があります。酸素量の不十分な空気による窒息が、一様に成功していることが示されています。
  • 顕微鏡による解析により、他の昆虫のように外骨格の主成分がキチンではなく、キチン、水酸燐灰石、現在までに知られていないフラーレンによる複雑な構成をしていることが判明しました。さらなる研究が計画されています。
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