SCP-776-JP
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アイテム番号: SCP-776-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-776-JP出現区域はカバーストーリー「地盤沈下の危険性」「耐震工事の延期」等の適用を行い封鎖した上で民間人の進入を防いでください。区域内部の全ての女子トイレは扉の撤去を行い、プール内部は水を抜くと共に校内の階段は全て封鎖した上でエレベーターを設置して下さい。

追記: 駐留する警備員は校外周辺の巡回を行い、内部は監視カメラを用いて警備を行って下さい。

説明: SCP-776-JPは██県██市立███小学校敷地内で確認されている異常な生物的実体群の総称です。実体は複数種が確認されていますがいずれも捕獲には成功しておらず、詳しい生態等は判明していません。出現する実体はSCP-776-JP-1からSCP-776-JP-6との指定が行われていますが、個体はそれぞれの出現時間に応じて消失する為に各個体の識別が行えていない事から識別名称の指定が見送られています。以下が確認されている個体です。


SCP-776-JP-1: 午後11時から午前1時までの間に校門付近に出現する、体長2m程のオオナナフシ(Entoria magna)を模した石像に類似した個体。出現後即座にグラウンドへと向かい、外周を時速60km程度の速度で疾走する。極めて強い膂力の為に静止を行う事も出来ず、個体の破壊やサンプル採取にも成功していない。

SCP-776-JP-2: 午後6時から午後9時の間に不定期にプールに出現する体長1.7mのニホントビナナフシ(Micadina phluctainoides)に類似した個体。プール内部に人間が存在した場合瞬時に対象に接近し、捕獲と同時に対象と共に消失する。個体はプール外部からは水面下に存在する様に目視されるが、水中カメラを用いた場合は水面より上に個体が存在する不可解な映像が撮影された。消失した対象は未だ発見されておらず、GPSを所持させたDクラスを用いた実験は信号が途絶えた為に成功していない。

SCP-776-JP-3: 校内のいずれかの女子便所に不定期に出現するナナフシ目(Phasmatodea)の物と思われる、最長1.5mまでの長さが確認されている首と頭部。扉が閉められた状態の個室の便器内部に潜み、ノックや開扉に反応して便器から飛び出す事によって対象の捕獲を行うと共に消失する。この時のドアの破損状況から極めて強い力と速度で飛び出している事が判明しており、消失した対象に関してはSCP-776-JP-2と同様の結果しか得られていない。

SCP-776-JP-4: 午後9時から午前3時の間に不定期に音楽室に出現する、体長1.3m、厚さ2mm程のトゲナナフシ(Neohirasea japonica)に類似した個体。常に両目が赤と黄に点滅しており、移動や捕獲の試みは成功していない。接触によって発生する異常性は確認されていない。

SCP-776-JP-5: 午後7時から午前4時の間に校内のいずれかの階段部分に出現する、13対の足を持つエダナナフシ(Phraortes illepidus)に類似した個体。体長は出現した階段の距離に応じた長さの物が確認されており、移動を行わず階段部分を占有している。人間が接触した場合は他の個体と同様に、同時に消失する。

SCP-776-JP-6: 午後6時から午前1時までの間に屋上に出現する体長2m前後のサカダチコノハナナフシ(heteropteryx dilatata)に類似した個体。出現以降は柵を乗り越えて落下した後に外壁を這い上がる行動を繰り返す。接触による消失等は確認されていないが、進行を遮った場合前脚による捕獲を行いその後対象と共に落下する事で重軽傷を及ぼす危険性が確認されている。落下後は対象を放置して再度外壁を這い上がり同様の行為を繰り返す。


これらの個体は全てがナナフシ目の生物に類似していますが通常の種に見られる擬態を行う様子は見せておらず、食事や排泄等も確認されていない為、あくまでも類似した存在であり同一の生態を持つ生物では無い物と推測されています。なお、同学校の関係者に調査を行った所、SCP-776-JP群の行動と類似した内容の所謂「怪談」が児童間で流行しており、異常性の発生原因に関与している可能性が推測されています。怪談の内容は「深夜に二宮金次郎像が校庭を走る」「過去に自殺した生徒が屋上から何度も飛び降りる」等の計六つが確認されていますがこれらについての調査を行った結果、内容と合致する過去の事件等は確認されませんでした。また、この怪談の由来として「かつて土葬が行われていた時代、校舎があった土地は墓場であり人骨をそのままにして校舎が建てられた事によって呪われている」であるとの証言が児童達から得られていますが、調査の結果そのような事実も確認されていません。

発見経緯: SCP-776-JPは1997年7月19日に██県の██市立███小学校の教員から通報があった事によって確認されました。当初はSCP-776-JP-1のみが確認されていた為に一時的に出現区域を封鎖し、発生原因と考えられていた二宮金次郎を模した石像を撤去する事で収容が行われていましたが、その後SCP-776-JP-2からSCP-776-JP-6の発生が確認された為にカバーストーリー「地下の空洞による地盤沈下の可能性」を適用して校舎を移転する事で収容が執り行われました。なお、当学校は以前から数名の失踪が確認されており、最も古い事例で1996年7月20日に泊まり込みで作業をしていた男性教師が失踪している事が判明しています。

追記:1999年7月10日、発生原因の特定を目的とした調査の一環として███小学校敷地内の土壌の調査を行いましたが、ナナフシ目の物と思われる死骸が大量に混入していた事を除いては何ら異常性は確認されませんでした。発見された死骸はその損傷から種の特定には至っていません。

補遺: 1999年7月15日、定期報告が途絶えた事を不審に思い確認に向かった職員によってSCP-776-JP収容区域内に駐留していた警備員5名が姿を消している事が報告されました。職員が到着した際には既に無人の状態であった事が証言されており、校庭の一部に仮設された詰所内部を捜索した所、食事や作業の痕跡が残されていた他、通信機に内部を巡回していた警備員と待機していた警備員の間での通信記録が残されていました。以下がその記録を書き起こした物です。

<録音開始, 1999/07/13 AM5:05>

[詰所内の当番表から、この日は小田警備員と古川警備員が夜間警備を行い河原警備員、野々村警備員、杉水流警備員が詰所で待機していた事が判明しています。]

小田警備員: こちら小田、1F宿直室付近で不審な物音を確認した。直ちに調査へと向かう。そちらは何か聞こえるか?

河原警備員: こちら河原、特に異常は無い……おい、起きろ、ちょっと表を見て来てくれ杉水流……ああ、すまない、今表の方を見に行かせた。

小田警備員: そうか、20分程前に古川から職員室付近で物音がすると連絡があったんだが……そちらに連絡は行ってないのか?この時間なら宿直室はアイツの巡回ルートの筈なんだがアイツの姿が見えないんだ。通信も繋がらない。

河原警備員: いや、連絡は無いな。分かった、一度こちらから連絡を取ってみる。ところでその物音ってのはどんな音なんだ?

小田警備員: 結構大きい音なんだがそちらに聞こえてないのか?木を踏み潰すような音とミシッて感じの軋む音だ。宿直室の中から聞こえてる訳では無いんだが……

河原警備員: うーん、こっちには聞こえないな。取り合えずもう一人そちらに向かわせる。古川にも一度連絡を取ってみるからお前もそのまま調査を続けてくれ。一応15分経ってもそっちから連絡が無かった場合、こっちから入れるからな。

小田警備員: 了解。

[その後12分間、連絡は無い。古川に対しては3回通信が試みられているが応答は無い。]

小田警備員: こちら小田、物音の発生源を見つけた。旧校舎だ。

河原警備員: 旧校舎……?その音はそこから出てるのか?

小田警備員: ああ、どうも中に例のアレがいるらしい。体長5mくらいか。今までのとは少し違うな……杉水流と古川が外から見張ってる。

河原警備員: うん?杉水流の奴、そっちと合流してたのか。なかなか戻ってこないんで野々村を起こして向かわせてたんだが。古川とも合流できたんだな。

小田警備員: ああ、野々村もさっき来たよ。お前も一度こっちに来てくれないか?正直言ってアレをどうすればいいのか分からないんだ。

河原警備員: 上に報告するしか無いな。所詮俺達じゃあの手のはどうにも出来ん。仕方ない、俺も一度確認に行くよ。誰かひとりこっちに寄こしてくれないか?流石に詰所は開けられん。

小田警備員: 了解。古川を向かわせる。

<録音終了, 1999/07/13 AM5:22>

以上の記録を最後に一切の連絡は行われず、現在も職員5名は消息不明のままです。この異常な事例を受けてSCP-776-JPの特別収容手順の一部が変更されました。なお、███小学校は全ての校舎が1995年の7月8日に建て替えられており、「旧校舎」に該当する施設は存在しません。

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