SCP-781-JP
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アイテム番号: SCP-781-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-781-JPは低脅威度物品収容ロッカーに保管されます。実験等により開封したSCP-781-JP-Bは冷暗所に保管し、生成後消費されなかったSCP-781-JP-Cは焼却処分して下さい。現在4箱が保管されています。

説明: SCP-781-JPは異常性を及ぼす物品です。オブジェクトは42*24*5cmの異常性の無い紙製の被せ箱内に入れられた状態で販売されており、確保当時の個人販売店では「しゅうまい栽培キット(男子用)」と名前が割り振られていました。
箱の上面には「焼売栽培の品(男の性)」というゴシック体の文字の下でテーブル上の皿の上に乗せられたシュウマイと思われる外見の食品へ楽しそうに箸を伸ばす家族と思わしき4人組の写実的な水彩画が描かれており、「対象年齢:12歳以上」と右上に、「本場中華風味」「手軽も簡単」等の文字が左下に記載されています。
内部には以下の物品がポリビニル製パックに個別に封入されています。
物品の外見 備考
直径約4cmの透明なドーナツ型シール2枚 SCP-781-JP-Aと指定。調査の結果成分の大半が澱粉質で構成されている。
容量推定80ccのガラス製容器内に充填された茶褐色の軽度の粘性を有する液体。「焼売の素体」と記載されたラベルが貼られている。 SCP-781-JP-Bと指定。液体の成分には豚の遺伝子が含まれる。
ポリプロピレン製筒状ネット 異常性は確認されず。
脱脂綿 異常性は確認されず。
紙製の説明書。著しい誤植・文体の間違いが確認出来る日本語と手順毎の動作を表していると思われる人間男性のイラストが付属。 異常性は確認されず。
日本語で記載された紙製メッセージカード 異常性は確認されず。

以下は説明書に記載されていた手順の解読結果、並びに手順毎に引き起こされる異常です。

  1. 乳頭を囲む様にしてSCP-781-JP-Aを男性の胸部(乳輪)に貼り付ける。貼り付ける前に身体を洗う・ウェットティッシュで拭く等して清潔な胸部に貼り付けるのが望ましい。
  2. 貼り付けたSCP-781-JP-Aを中心に胸部へSCP-781-JP-Bを塗り込む。塗り込む内にSCP-781-JP-Aは次第に溶解、数分以内に完全に胸部に浸透する。その後乳頭部が緑色に変色、直径1.5cm程度の球形に肥大化する。
  3. 水で適度に湿らせた脱脂綿で胸部全体を覆い、ネットで固定する。平熱(体温)が低い者の場合は更に薄手の布団等を被せるのが望ましいとされる。
  4. 平均して2時間後、乳頭部周りに肥大化した乳頭部とほぼ同等の大きさ・形状・色をした肉腫が複数個発生する。触覚に関しても乳頭部とほぼ同等の感度を有する。
  5. 乳頭部及び肉腫の下部に垂れ下がる様にしてシュウマイ状の物体(以下、SCP-781-JP-C)が発生、徐々に膨張する。ある程度の大きさに達した時点で自重で落下するので、好みの大きさの時に採取して食べる。
  6. 定期的に乳頭部・肉腫からはSCP-781-JP-Cが生成され続ける。Dクラス職員を用いた実験においては、手順完遂後███日経過した現在もSCP-781-JP-Cの生成は止まらず。

手順を完遂した人間男性(以下、SCP-781-JP-1)より発生したSCP-781-JP-Cは豚肉・小麦等一般的なシュウマイを構成する材料と同等の成分を含み、Dクラス職員を用いた摂食実験においては「しっかりと味が付けられて食べ応えがある」「何も付けなくても美味しい」等の評価が得られていますが、SCP-781-JP-1の手順を完遂した人物がSCP-781-JP-Cを摂食した場合胃袋を通過した時点で消失、SCP-781-JP-Cの再発生間隔が短縮される事が確認され、長期的にSCP-781-JP-Cのみを摂食し続けた場合、腸機能に影響が発生します。それ以外の異常性は確認されず、数日間の放置による腐敗、長期間の低温保存による冷凍焼け等は問題無く発生します。
SCP-781-JPは200█年4月11日、神奈川県██市内在住の米井家から「息子の胸からシュウマイが生えている」との通報を受け、救急隊員内に潜入していたエージェントによりSCP-781-JP-1と予想される男性米井 ██氏並びにSCP-781-JPの箱を確認、財団が管轄している病院内に確保しました。その後のインタビューにより米井氏がSCP-781-JPを購入したとされる個人商店内から未開封のSCP-781-JPを倉庫内の在庫含め合計7箱を回収しました。店主への確認の限りは2年前から店頭に置いていましたが、米井氏以外に購入した人物は一人も存在しなかったとの事です。

対象: 米井 ██氏。通報を行った人物であり、SCP-781-JP-1-1の母親。

インタビュアー: エージェント・八木水

付記: 通報、搬送後の病院で行われた会話記録。

<録音開始>

エージェント・八木水: 落ち着きましたか?

██氏: ああ、はい…まだびっくりしてますけど、それでもどうにか話せます……

エージェント・八木水: それでしたら、通報に至るまでの……何がどうして、息子さんに救急車を呼んだのかを教えてくれますか?

██氏: (深呼吸)はい……私は夜中に目が覚めたんです。暖かい夜でしたから、多分お布団を重ね過ぎていたのでしょう…喉が渇いていたので……

エージェント・八木水: ええ、確かに暖かいですからねえ。

██氏: それで、お水を飲みに台所にまで向かいました。息子は、あの子の部屋からは音が聞こえていましたから、起きていたのは分かりました。

エージェント・八木水: 息子さんはそんな時間まで起きていたのですか?

██氏: はい…トイレの電気も点いてましたから、あの子が用を足しているのかなと…蛇口から出した水をコップに次いで、飲んでから台所を出ると、息子が……

エージェント・八木水: 大丈夫ですか?

██氏: はい、ええ…トイレの電気が消えて、息子が出てきて…変に服が盛り上がっているのが見えたんです。暗くても分かるぐらいに。

エージェント・八木水: 盛り上がっていた?

██氏: ぼこぼこと盛り上がってて、変に感じて。思わず呼び止めて何が有るのか確かめようとしたら、関係無いと強引に私を押し退けようとして……

エージェント・八木水: それで?

██氏: それで…前にちょっとご飯を残していましたし、病気かと思って気になって中を覗いてみたら……シュウマイが……

エージェント・八木水: それで、通報したのですね。

██氏: はい……シュウマイが……あんな風に生えているなんて、初めて見て…あの子が……あの子の胸から……グリンピースとシュウマイが……

<録音終了>

補遺: ██氏の精神的ショックに応じ、記憶処理後短期間のカウンセリングを行った。

 

対象: 米田 ███氏。SCP-781-JP-1-1として分類された。

インタビュアー: エージェント・八木水

付記: 搬送直後に行われた会話記録。

<録音開始>

エージェント・八木水: 貴方の身体についてですが、何をやったのか話してくれますか?

SCP-781-JP-1-1: (5秒間無言)あー……はい。何となく寄ってみた家の近くの駄菓子屋の中にシュウマイ栽培キットってのがあったんです。それを使ったらこんな風に……

エージェント・八木水: 使ったのはいつですか?

SCP-781-JP-1-1: えっと、もう半年は経ってると思うんです。試しに使ってみたんですけど、まだこんな風に生えてきて……ずっと……

エージェント・八木水: 半年間ずっと…シュウマイが?

SCP-781-JP-1-1: はい…余って腐らせるのも勿体無いし、美味しかったですから…それに、これで親に掛ける迷惑がちょっとだけでも、減るかなって……

SCP-781-JP-1-1: でも、違ったんです。シュウマイ以外の物を食べると、酷く気分が悪くなる様になって……その時にシュウマイの方を捨てれば良かったのに……

エージェント・八木水: シュウマイ以外の物を食べると?

SCP-781-JP-1-1: はい……毎日料理を部屋に持って来てくれていたんです……なのに、俺……食べ残すと心配されて、迷惑が掛かっちゃうかなって……

エージェント・八木水: 成る程……

SCP-781-JP-1-1: だから俺、シュウマイしか食べれなくなったって…もうお粥も食べれなくなって……今日もあの時トイレに居たのは……俺……

<録音終了>

終了報告書: 腸内検査においてSCP-781-JP-1-1の腸内は長らく活動しておらず、SCP-781-JP-C以外の食事、固形物をほぼ完全に受け付ける事が出来ない状態である事を確認。病院内に入院後、通常の食事・薬物投与により症状は緩和されている。

以下はSCP-781-JP内のメッセージカード内に記載された文面です。

今回は、焼売の栽培キットをお買い上げいただきありがとうございます。しかし、私はあなたの代わりに、本格的な定番おかずな、日本の皆様にも焼売を食べていると思いますか?私たちは主食として焼売を普及するためのキットをお創りになられました。あなた達人は、本格的な焼売の食べ物の味をお楽しみくださいしてください。焼売は親切な主食です。分かって下さい。

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