SCP-783-JP
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SCP-783-JPとSCP-783-JP-1群。

アイテム番号: SCP-783-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-783-JPはサイト-8104の換気扇と監視カメラが備え付けられた5.2m×5.2m×3.8mの収容室にて収容します。収容室内にはDクラス職員を待機させ、換気扇を停止させた上でSCP-783-JP-1を発生から1時間以内に摂食させて下さい。2つのSCP-783-JP-1を摂食した段階で、別のDクラス職員に交代させて下さい。SCP-783-JP-2が発生した場合、換気扇を停止し室内のDクラス職員に吸引させて下さい。

説明: SCP-783-JPは市販の[削除済]と同様のように見える七輪です。毎時間、金網の上にSCP-783-JP-1を1つ発生させます。SCP-783-JP上には5つまでSCP-783-JP-1が存在可能であり、それ以上のSCP-783-JP-1がSCP-783-JP上に置かれると瞬時に破裂します。内部の炭は尽きることがなく、火も消えることはありませんが、SCP-783-JP自体の耐久性に異常はありません。

SCP-783-JP-1はSCP-783-JPの金網の上に発生する3.1cm×5.5cm×0.8cmの角餅です。一般的な餅よりも粘度が高く、使用されている米の品種は現在まで不明です。SCP-783-JPで5分間焼かれると、これ以降後述の場合を除きSCP-783-JP-1の状態は変化しません。

SCP-783-JP-1を人間が肉眼で視認した後、視界外にSCP-783-JP-1が出た瞬間SCP-783-JP-1に関する情報の記憶、及びその人物の外傷体験1の記憶が消失します。この時、SCP-783-JP-1は約1cm膨張します。SCP-783-JP-1は約███cm膨張すると破裂し黒い未知の成分のガス(SCP-783-JP-2)を放出します。人間が膨張したSCP-783-JP-1を摂食或いはSCP-783-JP-2を吸引すると、それまでにSCP-783-JP-1が膨張して失われた記憶全てを獲得します。獲得した記憶の処理は現在まで実現していません。

実験記録01

対象: D-23987

実施方法: D-23987に1個のSCP-783-JP-1を視認させ、その後紙にスケッチさせた。

結果: D-23987は3回SCP-783-JP-1を再確認したが、SCP-783-JP-1をスケッチできなかった。SCP-783-JP-1はD-23987が視認する度に膨張し、最終的に約4cm膨張した。 

実験記録03

対象: D-83415

実施方法: 事前に「記憶にある中で最も古い嫌な思い出」を質問した上で、D-83415に1個のSCP-783-JP-1を視認させた。その後、もう一度同じ質問をした。

結果: D-83415は事前に「飼い犬を事故で亡くした」という内容を話していたが、視認後「親に性的虐待を受けた」という内容に変化した。SCP-783-JP-1は約1cm膨張。

実験記録04

対象: D-23987

実施方法: 実験03と同様の方法で実施。

付記: D-23987は過去に連続殺人事件を起こしている。

結果: D-23987の話した内容に変化は無かった。しかし、インタビュー中の会話からD-23987は自らが起こした最初の殺人事件の記憶が消失していることが確認された。SCP-783-JP-1は約1cm膨張。

分析: 対象が無意識に外傷体験だと感じている記憶も削除されるようだ。

実験記録07

対象: D-45517

実施方法: 実験03と実験04で使用したSCP-783-JP-1を回収し、D-45517に摂食させた。その後、実験03と実験04で消失した記憶についてD-45517に質問した。

結果: D-45517は経験していない2つの記憶について当時抱いた感情を交えて説明し、また「犬を飼ったことは無いのに、飼い犬が死んだことははっきり覚えている」と証言した。実験後D-45517にはクラスB記憶処理を施したが、獲得した記憶は消失しなかった。尚、味については「微妙」と回答。

分析: SCP-783-JP-1は記憶を吸収し蓄えているのかもしれない。兎に角、記憶処理を受け付けない記憶というのは面倒だ。

実験記録08

対象: D-51954

実施方法: 事前に3つ以上の外傷体験を古いものから順に挙げさせた上で、D-51954に3個のSCP-783-JP-1を視認させた。その後、D-51954の挙げた体験をそれぞれ確認した。

付記: D-51954は過去に実弟を流産で亡くしている。

結果: D-51954は事前に7つの体験を挙げていたが、視認後2つについて「記憶にない」と回答した。また、確認後にインタビュアーが質問したことで、事前に挙げていなかった実弟の流産の記憶が消失していたことが判明した。SCP-783-JP-1はそれぞれ約1cm膨張。

補遺1: 201█/██/██、██研究員によってSCP-783-JP-1を摂食せずに膨張させる実験が行われました。収容室内にて3人のDクラス職員に交代で1個のSCP-783-JP-1を視認させたところ、SCP-783-JP-1を約███cmまで膨張させた段階でSCP-783-JP-1は破裂、内部からSCP-783-JP-2が発生しました。当時換気扇を作動させていた為にSCP-783-JP-2はサイト-8104の一部へ拡散し、実験に参加したDクラス職員含む██人が処理不可能な記憶を獲得しました。被害者にはカウンセリングを実施し、業務に支障を来す程の精神被害を受けた人物には一時的な療養をさせました。これを受け特別収容プロトコルは改訂され、説明にSCP-783-JP-2についての記述が加えられました。

補遺2: SCP-783-JPは青木ヶ原樹海内で張られたテント内で発見されました。当時、テント内で馬場█氏がSCP-783-JPによる一酸化炭素中毒で死亡しており、SCP-783-JP上には3個のSCP-783-JP-1が発生していました。SCP-783-JPの側面に日本生類創研と読める刻印が存在していた為、「男性が死亡している」との通報を受けたエージェント2がSCP-783-JPとSCP-783-JP-1群を回収し、通報した登山グループにはクラスA記憶処理を施しました。

SCP-783-JPの誕生経緯を調べる為█氏について調査したところ、█氏の親戚家族の家に█氏の息子である馬場██氏3と共に█氏の遺品と遺書(文書783-JP)が預けられていることが判明しました。遺品の内4つには未知の構造や成分が見られる実験用具が存在したため、それらをAnomalousアイテムとして回収しました。
以下は文書783-JPの内容、及び██氏へのインタビュー記録です。

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