SCP-810-JP
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アイテム番号: SCP-810-JP
 
オブジェクトクラス: Euclid
 
特別収容プロトコル: SCP-810-JPはサイト-81██の防音加工が施された標準中型動物収容室のゲージ内で飼育されています。SCP-810-JPに接する職員は、防音処理が施されたフルフェイス型ヘルメットの着用が義務付けられています。
 
説明: SCP-810-JPは全長60~80cm、トラツグミ(学名:Zoothera dauma)に類似した外見を有する大型の鳥類です。SCP-810-JPは20██年現在32体存在しており、一般的な鳥類の飼育法で管理されています。SCP-810-JPはトラツグミおよびオオトラツグミ(学名:Zoothera dauma amami)には見られない発達した舌筋をしています。
 
SCP-810-JPは、他生物の鳴き声を精巧に模写することが可能です(以下、模写音と表記)。SCP-810-JPの知能は高度で、対象となる生物の声を繰り返し聞くことで習得することができます。SCP-810-JPは模写音の習得対象とする生物にはある一定の条件があり、オブジェクトにとって危険性が高く、敵対的な生物の鳴き声を対象とする傾向があります。SCP-810-JPはアラーム音や動物の鳴き声を録音したもの等、人工的な音を習得することは出来ませんが、生物の皮や骨を素材とした楽器の演奏音であれば、その音を模写することが可能です。SCP-810-JPは習得した模写音を同種間や子の前で発し、教え合うなどの行動が確認されています。
SCP-810-JPは多くの場合、外敵が自身の周囲に存在する状況や、身の危険を察知した際、模写音を発します。SCP-810-JPの模写音を聞いた人間を含む生物は、習得元となった生物をイメージする想起現象と認識障害を発症します(以下、模写音を聞いた生物をSCP-810-JP-Aと記載)。SCP-810-JP-Aに発生する想起現象は、対象物の生物の外見を知らない状態や、絶滅などの理由により存在しない場合でも発生することが確認されています。
 
認識障害による影響はSCP-810-JP-AにSCP-810-JPを視認させると、オブジェクトをオオカミ・██カッコウ・白い笛といった物体と認識し、SCP-810-JP-Aに白い笛を視認させると、それら物体をSCP-810-JPと認識するといった置換的な作用をもたらします。SCP-810-JPの認識障害は模写音の対象となった生物や物体に限定されています。
 
置換的な認識障害のほかにSCP-810-JP-Aは、SCP-810-JPと認識した対象物の声・音に対して異常な興味を抱きます。SCP-810-JP-Aは対象物の声や音を聞くため、苦痛や暴力的な手段を用いて音を発させようと、積極的に活動します。SCP-810-JP-Aに変化した被験者に異常行動の活動理由について質問したところ、対象物の声・音をSCP-810-JPが本来持つ鳴き声(以下、地声と表記)と認識し、「未知の鳥(SCP-810-JP)の正体を明かすため行動する」と主張しました。SCP-810-JP-Aは対象物に物理接触を行った時点で認識障害から脱しますが、対象物が声・音を発した瞬間、認識障害と異常な興味が再発し、最終的に対象物が破壊/死亡するまで暴力的な行動を行ないます。
SCP-810-JPは地声を発した場合、他生物(模写音を聞いたSCP-810-JP-Aも該当する)に上述した想起現象とSCP-810-JPに対して異常な興味を引き起こすことから、オブジェクトの模写音は、他生物の注意を自身から逸らす為に使用されていると考えられています。なお、SCP-810-JP-Aに生じた全ての異常な効果は、SCP-810-JP-Aが死亡するまで恒久的に持続します。
 
SCP-810-JPは財団の確認する限りでは、ニホンオオカミ(学名:Canis lupus hodophilax)の遠吠えと██カッコウ(学名:████████)の鳴き声を習得していました。ニホンオオカミはSCP-810-JPを主な食料供給源とし、██カッコウはカッコウ科の持つ托卵の習性によりSCP-810-JPのヒナが巣から放り出され死亡させることから、双方は外敵とみなされ習得されたものだと推測されています(白い笛については、補遺-1を参照して下さい)。
2種の絶滅動物は森林伐採・密猟・[削除済]等の理由により個体数が減少するに従い、オブジェクトは2種の模写音の発声頻度が低下していきました。19██年からSCP-810-JPの模写音は、アモイトラ(学名:Panthera tigris amoyensis)の骨を素材にして製作された笛の音に限定されています。
 
補遺-1: SCP-810-JPは18██年、蒐集院から押収したオブジェクトの1つです。押収文献の内容は、一般的に平家物語や源平盛衰記として知られる「鵺退治」の話と類似していますが、模写音や認識障害等、異なる点が認められています。
 
押収文献(一般的に知られる「鵺退治」とは異なる箇所を抜粋):

 
のおあある とをある びやうびやう のおわある

はたた様のいかづちを恐れ、くわばらから、鵺の如き鳥の大犬の真似吠え響きけり
件の怪鳥、獅子の頭、猿の胴、大犬の足、二又の蛇の尾を持つと伝わる
弓張月の丑三つ時、矢を虚空に射(い)り、ふりふり落ちたその姿には
獅子頭(ししがしら)や双頭の蛇尾など無く

ほろうけん ぼおうけん ほほう しづしづやんや

おもむき深き声で鳴く、名も知らぬ死路の鳥がいるばかり

 
押収文献の詳細な情報によるとSCP-810-JPは、[編集済]時代末期ごろから異常性を有していたことが判明しています。[編集済]時代当時の蒐集院はSCP-810-JPが人間の声を模写した場合の影響を想定し、大規模な捕獲作戦を実行。捕獲作戦の効果的な手段として、SCP-810-JPの模写音と対象物の区別をつけるため、日本に生息しないトラの素材を用いた笛の音を意図的に習得させ、その模写音とオブジェクトの視認時に生じる認識障害を目印に捕獲作戦を行っていました。SCP-810-JPが笛の音を習得し易くするため捕獲員は、オブジェクトに矢や石等を投擲しています。
SCP-810-JPは[編集済]時代当時に習得したと推測される笛の音の模写音を発します。しかし、アモイトラの骨を元に製作された笛は3つ存在しているものの経年劣化と[削除済]によって著しく破損しており、楽器として機能する状態ではありません。また20██年現在、アモイトラは絶滅した可能性が強く疑われており、██年以内にSCP-810-JPは模写音を全喪失する可能性が指摘されています。

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