SCP-818-JP
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アイテム番号: SCP-818-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-818-JPの影響範囲内とその周囲300mは高さ4mの有刺鉄線付きのブロック塀によって隔離されています。塀の周囲は3名の警備員に偽装した、遠隔操作による殺傷が可能な首輪を装備した非武装のDクラス職員による巡回を行い、一般人による侵入を阻害してください。巡回役のDクラス職員には小型の撮影機器を装備させ、その映像を少なくとも10分以上の遅延を発生させた複製を用いて財団職員による監視を行ってください。万が一巡回中にSCP-818-JP-1の声や姿が確認された場合は速やかにSCP-818-JP担当研究チームへ報告を行ってください。

SCP-818-JP-1に暴露した人間は全て地下サイト-81██の収容施設へと収容し、備えられた焼却装置を用いて終了処分してください。この業務には必ずDクラス職員を用いて行い、業務の指示を行う際は必ず3名以上のDクラス職員を介した伝達により行われます。被害者へ何らかのインタビューが必要な場合も同様に3名以上のDクラス職員を介して行ってください。

説明: SCP-818-JPは佐賀県█山に存在する50平方メートルの空き地内で発生する異常現象です。SCP-818-JPの影響範囲内の中心には異常性のない高さ約1mほどの社が存在します。社の内部からはおよそ██個の未知の石片が発見されています。これらの石片に加工を行った形跡が見られることから、何らかの物品が経年劣化や外的要因により崩壊したものであると推測されています。しかし各石片の劣化が非常に激しく、かつ石片の一部が喪失しているとみられ、本来の形を再現する試みは失敗しています。SCP-818-JP内の環境は積雪がある場合を除き常に肉眼で土壌が観察できる状態で固定されています。

SCP-818-JPは敷地内で人間(以下被害者と表記)が現代の日本国内で一般的に善行・礼儀正しいといわれる行為(以下出現条件と表記)を行うことで発生します。出現条件を満たした人間の周囲にSCP-818-JP-1(SCP-818-JP-AとSCP-818-JP-Bの総称)が出現します。

SCP-818-JP-1は外見上およそ70代の老夫婦のように見える人型実体の総称です。それぞれ男性型がSCP-818-JP-A、女性型がSCP-818-JP-Bと呼称されます。出現したSCP-818-JP-1は被害者の行動に対して賛美の言葉を述べ始めます、賛美の言葉はひどく大げさなもので被害者の行動を全肯定する内容であり、「えらい」といった言葉が多く使用されます。この言葉は文法上や単語の意味的に使用が適切でない場合も使用され、その点を指摘した場合も訂正を行わないことから「えらい」という言葉に何らかの執着があると推測されています。

SCP-818-JP-Bが比較的通常通りに会話を行うことができる一方、SCP-818-JP-Aは被害者に対する賛辞の言葉と短い単語のみで会話を行います。ただし、SCP-818-JP-Bの言動も非常に不安定なものであり、しばしば会話の食い違いが発生します。初回の遭遇では、ある程度被害者への賛美の言葉を述べた後SCP-818-JP-1はその場から消失します。

一度SCP-818-JP-1と遭遇した被害者はSCP-818-JPの影響範囲外で条件を満たした場合も、SCP-818-JP-1と遭遇し賛美の言葉を受けるようになります。この行為による被害者への影響はSCP-818-JP-1との遭遇から数えた日数の経過により変化していきます。影響の進行速度は大きく個人差がありますがSCP-818-JP-1との遭遇回数が多ければ多いほど、より早く影響が進行します。確認されている限り影響が最終段階まで到達するために必要な期間は、最短4日から最長20日です。記憶処理を行うことにより、被害者をSCP-818-JPの影響から一時的に脱させることが可能ですが、SCP-818-JP-1の出現頻度の増加は不可逆であるため、ごく短い時間で元の影響進度まで戻ります。
 
SCP-818-JPの影響進度の目安は以下の通りです。

影響初期
被害者は他者から褒められるという行為に強い達成感を覚えるようになり、積極的にSCP-818-JP-1の出現条件を満たし始めます。また、しばしば被害者の性格がより明るく前向きなものへと変化することが確認されます。これはSCP-818-JP-1の影響ではなく、行動を肯定されたことによる自信の向上が原因だと思われます。

影響中期
SCP-818-JP-1の出現条件が簡易なものへと変化し始めます。同時期に被害者は徐々にSCP-818-JP-1以外の人間からかけられた感謝・賛美の言葉を自身に対する嫌味・皮肉と感じ取るようになり、結果として他者との衝突を引き起こします。この衝突はしばしば器物破損・暴行・殺人などの事件を引き起こす原因となります。

影響後期
SCP-818-JP-1の出現条件が「日本語が話せる」「上手に歩ける」「元気に生まれることができた」などの、出現条件の回避が不可能なものにまで低下します。そのためSCP-818-JP-1の出現条件が常に達成され続け、SCP-818-JP-1が被害者の周囲に存在し続けるようになります。被害者自身もSCP-818-JP-1に深く依存し、SCP-818-JP-1の言動のみに反応するようになります。この段階の被害者は食事や睡眠といった生命維持に必要な活動を行わずに生存することが可能です。

全ての段階において出現するSCP-818-JP-1は他の人間にも観察可能ですが、通常被害者以外の人物に対して反応を示しません。ただし、SCP-818-JP-1及び被害者の知覚内で出現条件を満たすことで、SCP-818-JPの影響範囲内で出現条件を満たした場合と同様にSCP-818-JP-1が出現します。この時の出現条件は被害者の影響時期に左右されるため、最終的には影響終期の被害者に接近するのみで出現条件が満たされてしまう状況になります。また、影響中期以降の被害者の殺害はSCP-818-JP-1の出現条件に抵触するため、被害者の早期回収・早期処分が必要とされます。

SCP-818-JP-1に対する攻撃はSCP-818-JP-1の一時的な撃退以上の成果が見込めず、尚且つSCP-818-JP-1の出現条件を満たす可能性が存在するため、SCP-818-JP-1に対する攻撃は推奨されません。

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