SCP-824-JP
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被験者が描画したSCP-824-JP像

アイテム番号: SCP-824-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-824-JPはその対象になっている人物(以下、被験者とする)を監禁することで収容されます。SCP-824-JPと同じ症状が精神科の診療所で発見されたとき、被験者は財団と提携関係にある████センターへ移送されます。被験者の行動の自由は基本病室内に限られます。業務等が可能であれば、生活のモチベーションとして、財団フロント企業への転職作業を行った後に適当な業務を与えることが許可されています。面会の希望があった場合、手荷物検査を実施してファイル824に規定のある危険物を持ち込ませないようにしてください。

説明: SCP-824-JPはその被験者にのみ認識が可能な存在です。他者からはその一切を認識できません。一点に留まるよう被験者が指示したSCP-824-JPに物体を乗せる実験を行った際、被験者が置いた物体のみが宙に浮いた状態になったことから、SCP-824-JPは実際に存在しているという見解が強いです。(SCP-824-JP被験者の詳細については別途資料を参照)

以下、SCP-824-JPの被験者に共通する証言です。

  • SCP-824-JPは全長30cmの物体
  • 目が書かれた茶色の麻袋で覆われており、中身は触感から粒状の物体であると判断されている。
  • 言語を理解する。目が書かれた部分より少し下の部分が可動部になっており、そこを曲げる動作によって簡単な意思表示(肯定、否定、疑問、喜びなど)を行う。
  • 自律移動が可能。1秒程度可動部を前に曲げる予備動作の後に跳ねるようにして10cm程度前進する。(原理は不明)
  • SCP-824-JPは被験者がストレスを抱えた状態になると接近する。接近時にテレパシーのようなものを発し、自身を叩くよう促す。
  • SCP-824-JPを叩く行為にはストレス改善効果がある。(事実、被験者が素振りのような挙動を取った後は精神的に安定した状態になることが多いです。)

SCP-824-JPは各地の精神科の診療所でイマジナリーフレンドと思わしき症状が報告されたとき、同じような報告が複数件相次いだことで財団の目に留まり、発見されました。

被験者に共通する特徴として、何らかの理由で鬱病などの不安に由来する精神病にかつてかかっていたことが挙げられます。症状は被験者の環境や自身の身体的な特徴が原因であり、SCP-824-JPによる影響ではないとされています。このことからSCP-824-JPは精神病を抱えた人物の付近へと意図的に出現していることが考えられます。

インタビューログ-1

対象: 北山██氏

インタビュアー: エージェント・梅田

<録音開始>

エージェント・梅田: まず、SCP-824-JPは普段何をしていますか?

北山氏: この子でしたら、いつもは私の傍で動き回ってますよ。私以外の人にはあんまり近づかないんですけど。

エージェント・梅田: 具体的には?

北山氏: ジャンプの繰り返しで体に上ってきたりとか。見てるだけで私を楽しませてくれるんです。

エージェント・梅田: では、あなたにSCP-824-JPが見えるようになったのはいつからですか?

北山氏: 去年の秋頃です。ちょうどその頃、私は仕事で悩んでまして。私は所謂営業マンだったのですが、空回りすることがあってなかなか契約まで漕ぎ着けられなくて。毎日上司に業績のことでどやされ、出勤する気も薄れかけていた頃、とある朝に目が覚めたら、そこにこの子がいました。

エージェント・梅田: 初期のSCP-824-JPの様子はどのようでしたか?

北山氏: 私が辛そうしてると、寄ってきて跳ね回るんです。あとそれから、「辛いなら自分に当たってくれ」というように見てくるときもありました。そのときは御免してもらって、一発だけ軽く小突いたりとか。すると、すーっと気が晴れるんです。そして、また頑張ろうと思えるわけです。

エージェント・梅田: なるほど、その頃と今とで何か変化はありますか?

北山氏: いやそれが変わったことは特にないんです。この子の行動も含めて。ここに入る直前の業績はましにはなってきたのですが、成功といえる程のことでもないですし。しかし、あんまりそれは気にしていません。次こそは、と思ってコミュニケーション術の研鑽を重ねるのが楽しくなってきたんですよ。いつか件数を稼いで、成功してやろうと思っています。ここでの事務仕事ももっと効率よくできる方法を探してますし。

エージェント・梅田: SCP-824-JPの影響と考えますか?

北山氏: そうですね、この子のおかげです。

<録音修了>

基礎的な試験の限りでは、被験者自身の能力は高いように見えました。 - エージェント・梅田

インタビューログ-2

対象: 芹沢██氏

インタビュアー: エージェント・梅田

<録音開始>

エージェント・梅田: SCP-824-JPを初めて認識したのはいつですか?

芹沢氏: 事故に遭って、それから安定してまた数日たったくらいです。これから一生足が動かないかもしれないってことを受け入れ始めて、どうしようもなくただ塞ぎこんでたときでしたかね。枕元に、ふっとコイツが現れたんです。

エージェント・梅田: SCP-824-JPは初期の頃、どんな様子でしたか?

芹沢氏: とにかく跳ねまくってたんです。それが俺にはムカついて仕方がなくて。手が届く範囲にいたから、放り投げて遠くに飛ばしたりもしました。でも何回も寄ってくるんですよ。だからまた投げて。そうして日を過ごすうちにコイツは俺を励ましてるって分かったんです。

エージェント・梅田: 何故ですか?

芹沢氏: だって跳ねてるんですよ。俺の足の近くで。俺がまた歩けるようになれるよう応援してるんだと思います。時には殴って気を晴らすよう身構えたりもしてくれます。馬鹿みたいな根拠だと思われるでしょうが、間違いありませんよ。

エージェント・梅田: そうですか。SCP-824-JPや自身について、何か変化はありましたか?

芹沢氏: えぇ。リハビリを続けてるんです。きついですけど、支えがあれば乗り越えられると思っています。そういう意味でも、コイツは相変わらずです。

<録音終了>


被験者は全員が以下のようなメモを所持していました。メモはSCP-824-JPの中から出てきたと証言しています。

お元気ですか。 わたしはのんびり生き延びています。
どうやら心の優しい仲間たちが、あなたの元へ向かったようです。
出かける前、彼らはよく「皆、あせっている」と言っていました。
そちらでは物こそ言わないでしょうが、きっとあなたのために身を差し出してくれるでしょう。
そしてあなたも、あまり悩み過ぎないように。
あなたはあなたでいいのです。
            酩酊街より 愛を込めて

補遺: SCP-824-JPの被験者であった芹沢氏が病棟の階段から落下する事故が発生しました。芹沢氏は看護師である財団関係者とエレベーターを待っている最中、芹沢氏を乗せた車椅子が勝手に移動し、階段へ落ちたと証言しています。監視カメラには証言通りの映像が録画されていました。財団はこの事故にSCP-824-JPが関与したとして特別収容プロトコルを強化する方針を固めています。なお、この事故により芹沢氏の症状は悪化しました。

事故後に録画された、芹沢氏の病室の映像ログ

:何でだよ。 [何も無い空間に向かって拳を振りかざす。おそらくSCP-824-JPを殴打していると考えられる。以下、殴打と表記]

:俺が何をした?

: あんなに、あんなにまでしたのに。 [殴打]

:[叫びの後、息切れ]

:もう駄目なのか。

:そんなのってないだろ! [殴打]

:俺はやったんだぞ。ああまでして。分かるか! [殴打]

:こんなことで台無しなんて、そんなことあっていいはずがない! [殴打]

:あの医者共がみんな無能なのが悪いんだ。

:ほかの医者だったらもっと楽に治してくれたかもしれない。 [殴打]

:気を分かったつもりで見舞いに来た[個人名]もだ。

:心配そうに見てきたから頑張るしかなかったんだ! [殴打]

:外の写真を撮ってきた[個人名]も、花を買ってきた[個人名]も! [殴打]

:俺には何もできねぇのに楽しそうにしやがるからなんだ!

:お前を殴っても何の意味もねぇよ、こんなの。

[間]

:あいつらが優しくなったのはいつからだったか。

:こうなってからか。

:何もできないと思ってやがるのか。

:癪だな。

:でも応援してくれるのは事実だ。

[間]

:俺が動けるようになったら、たぶんこうはならないだろうな。

:やっぱそうか。

:そのときと今とどっちがいいだろうか?

:そうだよな。

:今のほうが気はいいだろうな。

:進む必要なんてどこにもなかったんだ。

:ああ、そうすればみんな損しなくて済む。

:また明日から、やってくか。

:お休み。

後日、芹沢氏に再度インタビューと精神状態の検査を行いましたが、SCP-824-JPへの反応も含め変化はあまり見られませんでした。

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