SCP-826-JP
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被験者の夢報告を基に再現されたSCP-826-JP-β外見の1例。ただし、顔面部の描画が曖昧な数例の報告内容を統合、標準化した結果である点には留意する必要あり。

アイテム番号: SCP-826-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-826-JP被験者の発見を目的に、専用Webクローラーは世界各国の医療機関の小児受診者情報を検索し、SCP-826-JPと一致する症例報告の発生を監視します。新たに発見された被験者は最寄りの財団施設へと移送され、各種検査と聴取の後、全関係者とともに記憶処理が施されます。

SCP-826-JPに関連するメディア報道や研究活動は事前に抑制されるか、意図的な虚偽情報の拡散を目的とした偽情報活動の一環に利用されます。学術出版業界に潜入している財団エージェントも同様に、SCP-826-JPの性質に関する誤った情報の周知促進を行います。

説明: SCP-826-JPはREM睡眠中の満4~6才の児童に影響を及ぼす現象です。この現象によって被験者には、体温の急激な低下、睡眠時無呼吸症候群に酷似した症状、12~48時間に及ぶ連続的な意識障害、後述する特定内容の"悪夢"の経験等が一時的に引き起こされます。また、SCP-826-JPが継続している限り、被験者が存在する家屋内では玄関チャイム・インターホンの誤作動、記録された音声・映像への発生源不明な"金属が激しく軋む音"の混入、撮影された写真・映像の著しい劣化や湾曲等の異常現象が極稀に観測されます。

SCP-826-JP影響下で経験する夢は、全被験者に共通した内容・展開で常に構成されます。また、この際に認識される情景描写は各被験者が睡眠を行っている周辺環境と一致し、夢の中の物品や構造物は現実における相似物の位置・状態を概ね反映します。

それに加え、夢の中にはSCP-826-JP-α及びSCP-826-JP-βと指定される、以下の2体の人型存在が登場します。

SCP-826-JP-α: 被験者と同年代程度の児童として描写される存在です。登場する個体は被験者によって全て異なり、登場個体の性別や容姿等の傾向性は見受けられません。また、後述するSCP-826-JP-βの存在もあり、夢の中で被験者がSCP-826-JP-αとの会話に成功したケースは、現在も確認されていません。

夢の中において、被験者はSCP-826-JP-αと自身の関係性を兄弟姉妹、もしくは親戚・隣人・友人等の親しい間柄の人物であると潜在的に認識します。しかしながら、SCP-826-JP-αが実在する人物であったケースは現在まで確認されておらず、財団によって実施された各種調査の結果は、調査対象が実際に存在していた痕跡が一切ないことを証明しました。

SCP-826-JP-β: スーツを着た成人男性として描写される存在です。顔を除けば、目撃される体格や服装は被験者を問わずに共通しており、その全てが同一個体であると考えられています。報告される人相は共通してヨーロッパ系とされていますが、被験者の大半はSCP-826-JP-βの顔の特徴について詳細に思い出すことができず、説明の多くには曖昧かつ抽象的な表現が用いられます。

夢の中においては、SCP-826-JP-αに対する暴行・誘拐等の加害行為を取る姿が被験者によって目撃されています。また、SCP-826-JP-βが使用する言語は、被験者の母国語と同様になることが判明しています。なお、財団による各種調査が継続されているものの、調査対象が実在する存在であるのか現在も明らかにはなっていません。

以下は全被験者が共通して経験する、夢の主要な内容及び展開です。極稀に、一部展開が省略される点には留意ください。

  1. 被験者は何らかの音や声を聞いて目を覚まし、その音の正体を探ろうと自室を抜け出す。
  2. いずれかの部屋で、被験者はSCP-826-JP-βに暴行・誘拐されている最中のSCP-826-JP-αを目撃する。
  3. 被験者はSCP-826-JP-βに発見され、捕らえられてクローゼットや押し入れ等に閉じ込められる。
  4. 閉じ込められている間、被験者はSCP-826-JP-α/-βの行動に由来する物音や声を聞き続ける。
  5. 音が聞こえなくなった後、SCP-826-JP-βが被験者を閉じ込めていた場所へと戻ってくる。
  6. 被験者はSCP-826-JP-βから"今日の出来事は忘れなさい"等と声をかけられた後、覚醒する。

覚醒後、被験者の大半はSCP-826-JP-αが実在しないという事実に、強い混乱と恐慌の反応を示します。SCP-826-JP-αに関して質問を行った場合、ほぼ全ての被験者が自身との漠然とした関係性や、断片的なエピソードを回答するのみで、その詳細について明確に説明できません。なお、この症状は数日程度の時間経過、もしくは軽いカウンセリングによって容易に解消されます。

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18世紀発行の書籍より発見された、"子どもの夢に現れる奇妙な男"に関する描画。

SCP-826-JPの存在と発生状況は、19██年代に導入された異常徴候認識プログラムの使用を通して、世界各国で特定年代の児童のみが罹患している極めて似通った症例の睡眠異常と、それに付随する共通した"悪夢"と"錯乱"の報告例群の存在が検出されたことで初めて財団に認識されました。

当初、当該年代の児童特有の精神性に由来する疾患ではないかとも論じられていましたが、後にSCP-826-JPと並行して生じる異常現象の存在が明らかになり、上記説は否定されました。更に、世界中の民間及び医療機関のアーカイブに対する広範調査の結果は、SCP-826-JPと酷似した現象が17世紀前半から世界中で発生していた事実を明らかにしました。なお、未発見の報告例を除いても、20██年現在までのSCP-826-JP発生数は、年間平均87.9件に上ると推測されます。

加えて、上記以前の時代に発生したSCP-826-JPの内容や症例、とりわけ"奇妙な格好をした人物"としてSCP-826-JP-βを描写したと思われる無数の歴史的文書も発見されています。その内、9世紀では東ローマ帝国やアッバース朝、5世紀ではゲルマン諸王において、既にSCP-826-JPが発生していたことを示唆する資料が発見されています。なお、あらゆる時代のいずれの資料においても、SCP-826-JP-βの格好が一貫して、上述した通りのスーツ姿である点には注目すべきです。

現在までの財団によるSCP-826-JPの理解は、大半が被験者及びその親族による報告・証言に基づいています。SCP-826-JPの対象となる被験者の身元や経歴に明確な共通性は確認されておらず、その再現や発生原因の解明にも至っていません。20█年現在、その起源や出自に関する広域的な研究及び調査が継続されています。

付録: 以下の記録は、カウンセリングと偽装した上で被験者に対して実施されたインタビュー群からの抜粋です。


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