SCP-836-JP-J
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アイテム番号: SCP-836-JP-J

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-836-JP-Jはサイト-8169の海洋生物型オブジェクト収容室へ、標準海洋生物飼育プロトコルに従い収容してください。収容室内は深さ8mの水槽エリアに加え、5m×5m×3mの陸上エリアを併設してください。陸上エリアは床面の半分を開口し水槽エリアとの往来が可能になるよう接続し、気温28℃/湿度50%以上に保ち照明等の設備は防水加工されたものを用いてください。
またSCP-836-JP-Jに海中へ引き摺り込まれることを防止するため、担当職員は収容室内でSCP-836-JP-Jに接触する際には壁に設置されたフルハーネス型安全帯を着用してください。SCP-836-JP-Jへのストレスを軽減するため接触は担当職員のみに限定し、不必要な観察・視察等は控えてください。SCP-836-JP-Jが要求した物品は研究主任と協議の下、SCP-836-JP-Jの精神的健康を保つための必要最低限かつ自傷する危険性のないものに留めて与えることが許可されます。

説明: SCP-836-JP-Jはヒトと魚類の特徴を半身ずつ備えた生物です。SCP-836-JP-Jは肋骨下部に一対の鰓と見られる器官を持ち、口腔部から水を通すことで水中での呼吸を行います。また条鰭綱類に見られる鰾1が陸上生物の肺と同機能を果たすことで空気中での呼吸を行ないます。これらの特徴によりハイギョや両生類に近しい種であると考えられていますが、遺伝子情報は現在確認されているどの魚類・両生類とも一致しませんでした。またヒト類に酷似した部分は、乾燥を防ぐための粘膜を分泌している・体温は環境温度に依存するなど魚類の特徴に一致した性質を備えており、外見以外には哺乳類に一致する特徴が得られませんでした。外見の身体的特徴などからメスであると判っていますが、この種のオスの存在は現在まで確認されていません。
SCP-836-JP-Jは他の水生生物に比べ明らかに遊泳に適した身体構造でないにも関わらず、水中を40km/h程度の速度で泳ぐことが可能です。調査の結果、ヒト型部分の肌は非常にきめ細やかな鱗状の組織で構成されており、サメ科の魚類のように遊泳の際に発生する水流の抵抗を低減させる性質があることが判明しています。一方で筋力は弱く捕獲時にも人間の子供程度の抵抗しか見られませんでした。

SCP-836-JP-Jは初めて見る物体や人間に強い興味を示し積極的に接触・観察しようと試みます。このときSCP-836-JP-Jは生物・非生物を問わず水中に引き込んでから"観察"や"捕食"を行います。SCP-836-JP-Jは10~12歳程度のヒトと同等の知能を持っているものと見られ、身振りのほか与えられた筆記具を用いて絵を描くなどして意思疎通を図ろうとします。20██年に行われた実験では職員が黒板とチョークを与えると魚の絵を描き、描いた絵と身振りを以って給餌される品目に魚介類を要求するなどの行動を見せました。

SCP-836-JP-Jは日本語を含む人間の言葉に理解を示します。また鰾から口腔部へ繋がる気管に声帯と見られる器官が確認されていますが、劇物による化学熱傷と見られる傷により機能しておらず、SCP-836-JP-J自身は音声を発することができません。現在SCP-836-JP-Jの声帯部を治療し、音声でコミュニケーションを図る研究が検討されています。
またSCP-836-JP-Jは自身の知覚範囲内2に人間が居る場合には上半身を隠そうとするなど人間の恥じらいのような感情を見せ、水中での行動の妨げになるにも関わらず上半身に人間の衣服を着用しようとします。上半身を覆う衣服がない場合には陸上付近で待ち伏せを行い、接近した人間の衣服を力ずくで奪おうと試みます。担当研究員の安全の為、SCP-836-JP-Jには水中での行動の妨げにならない程度の薄手の衣類を1枚のみ提供され、劣化破損した場合のみ新たな衣類を供給することが許可されています。

SCP-836-JP-Jは発見時に身体のヒレ部分に"Andersen"の刻印のされた銀製のリングをピアスしていました。調査の結果リング自体に異常性は認められませんでしたが、SCP-836-JP-Jは人工的に作成された生物であるか、少なくとも装着させた人物との干渉があった証拠とされています。このリングをSCP-836-JP-Jの意思に反し回収した際にはSCP-836-JP-Jは明らかに狼狽した様子を見せ、4日に渡りリングを探す行動を取りました。SCP-836-JP-Jはリングが見つからないと理解すると、一日の運動量が激減し食事を摂らないなど鬱症と見られる症状を発症しました。現在はSCP-836-JP-Jの精神衛生を考慮しリングを返却しています。

<映像記録836-24 20██/██/██>

付記: SCP-836-JP-Jにはコミュニケーション用に卓上用黒板とチョークを一時的に与えることが許可されました。

<録画開始>

██博士: おはようSCP-836-JP-J。

SCP-836-JP-J: [水面に顔を出す。口角を上げ微笑んでいるように見える]

██博士: これが何か分かるかい?[チョーク1本と卓上黒板を差し出す]

SCP-836-JP-J: [博士の手から物品をもぎ取り、水槽内へ潜る]

SCP-836-JP-J: [約1分間、水中で渡された筆記具の観察を行っている]

██博士: …SCP-836-JP-J。

SCP-836-JP-J: [再び水面へ浮上し、チョークで何かを描きはじめる]

██博士: どうやら使い方を理解したらしい。[SCP-836-JP-Jに向かって]…何が描けた?

SCP-836-JP-J: [筆記面を██博士に向ける]

██博士: 水で滲んで分かり辛いが……海老?████だろうか。

SCP-836-JP-J: [口を開き、物を食べるジェスチャーをしている]

██博士: ああ、これが食べたいってことか?

SCP-836-JP-J: [首をかしげている]

██博士: あー、[黒板を指差す]これ、[SCP-836-JP-Jを指差す]きみ、[自分の口を開け指差す]食べたい?

SCP-836-JP-J: [興奮した様子で水面近くを円を描いて泳ぎ始める]

██博士: 分かった。検討しよう。[研究主任のK██博士に電話を掛ける。内容は機密を含む為記載しない]

SCP-836-JP-J: [██博士が電話を掛けている1分24秒間、静止して待っている]

██博士: [通話を終了した]…すまないSCP-836-JP-J。████はダメだそうだ。代替の利くものを与える必要は無いと……

SCP-836-JP-J: [ヒレ部分を使い██博士に水をかける]

██博士: やめなさいSCP-836-JP-J!

SCP-836-JP-J: [水槽の深部へ潜って行く]

<録画終了>

終了報告書: SCP-836-JP-Jは日本語をある程度理解している様子を見せています。今後、音声でのコミュニケーションに成功すればSCP-836-JP-Jの出生についての研究が大幅に進むことが期待されています。

現在SCP-836-JP-Jの研究チームは人員が不足しております。海洋生物に興味のある方や、知的生命体とのコミュニケーションの研究をされたい方は研究主任・K██までご連絡下さい。

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