SCP-847-JP
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収容以前に撮影されたSCP-847-JP

アイテム番号: SCP-847-JP

オブジェクトクラス: Euclid Safe

特別収容プロトコル: SCP-847-JPは、新たに水質調査の名目で収容サイトを建造し、その内部で管理されます。収容サイト内では防護服を着用し、入室、退室の際は熱風と薬品による、殺菌消毒が行われます。SCP-847-JPが新たに発生した場合は、付近一帯を封鎖し、生態系の調査の名目で、SCP-847-JPに寄生された生物がいないか、捜索を行ってください。この調査によって発見された宿主は、人間を除いて全て焼却処分を行ってください。人間の場合は、確保の後、財団の管理下にある病院でSCP-847-JP-1を摘出し、本人と家族にカバーストーリー「感染症による消化器不良」を流布し、解放してください。

説明: SCP-847-JPはSCP-847-JP-1の生息する水場の総称です。SCP-847-JP-1は分類上はニクバエの仲間と考えられる蛆虫です。SCP-847-JP-1は成虫の姿に変わることは無く、その一生を蛆虫の姿で過ごします。また、一般的な蛆虫とは異なり、雑食性で区別無く、有機物を栄養素として消化、吸収することが出来ます。全長は0.1~1mmと小さく、注意して観察を行わない限り、肉眼で捉えることは困難です。SCP-847-JP-1の環境適応能力は高く、湖沼、ため池、用水路など、水の流れの無い、または非常にゆるい淡水域ならどこにでも適応し、繁殖することが可能です。

SCP-847-JP-1の最大の特徴は、生息域の拡大方法にあります。SCP-847-JP-1は、昆虫と水棲生物を除く、あらゆる生物に寄生することができます。主だった寄生ルートは、SCP-847-JPを飲料水として利用することですが、すでにSCP-847-JP-1に寄生されている生物を捕食した場合なども、同様に寄生されます。

SCP-847-JP-1は宿主に寄生した日数に比例して、その影響深度を高めていきます。SCP-847-JP-1の影響深度の目安は以下のとおりです。

寄生初期
生物の体内への侵入に成功したSCP-847-JP-1は特殊な化合物を体内から分泌しながら、胃まで降下します。この化合物は宿主の消化能力を弱める効果と麻酔効果があり、宿主は常に原因不明の空腹と喉の渇きに苦しむようになります。また前述の麻酔効果によって腹部の感覚が無くなり、飲食を行うことでの満腹感や膨満感といった感覚は一切感じません。この二つの効果によって、宿主は空腹感を少しでも紛らわせようと、大量の飲食を行うようになります。
寄生中期
SCP-847-JP-1は宿主の体内に残った飲食物を利用して、個体数を大幅に増加させます。そして増加した数に比例して、分泌される化合物の量も増加するため、宿主の消化能力は限界寸前まで弱まり、収まらない空腹感から非常に攻撃的になり、周囲の有機物をなんでも口に運ぶようになります。また、宿主の外見は、肥大化した腹部を除き、やせ細ったものへと変わっていきます。
寄生後期
SCP-847-JP-1から分泌される化合物の量がさらに増加し、この期間中、宿主は水分補給が全く出来なくなります。その結果、宿主は水場を求めてさまよい続けます。そして水場を発見すると、濁度が高い泥水であろうと一心不乱に水分補給を続けます。
寄生終期
寄生終期は後期から20時間以内に発生します。大量の水分が宿主の体内に入ってくることを確認したSCP-847-JP-1は、宿主の咽頭蓋の気道側付近に卵を産みつけ、一斉に化合物の分泌を停止します。これにより、宿主の胃も本来の機能を取り戻し、その反動によって強い嘔吐感に襲われた結果、産み付けられた卵を残して、胃の内容物と共にSCP-847-JP-1も体外に排出されます。産み落とされた卵は、一週間ほどで孵化し、宿主の気道を這い上がり、食道側に侵入するため、宿主がSCP-847-JP-1から逃れる術は、寄生終期終了後の期間におけるSCP-847-JPの活動を弱める目的で、麻酔薬品を用いた、胃洗浄手術を除いてありません。

SCP-847-JPは1███年に、蒐集院が財団に吸収された際に、その存在が認知されました。財団への管理移行以前の蒐集院では、その特異性と寄生された宿主の見た目から、流行り病と飢饉の象徴であるとし、付近一帯の生物の殺処分という管理方法が取られていました。しかし実験を重ねるにつれて、現代の日本における浄水技術及び下水処理技術によって、収容違反が起こった際に新たにSCP-847-JPに成りえる地域は極めて少ないこと、また医学の発展によってSCP-847-JP-1に寄生された宿主から、SCP-847-JP-1の根絶が可能であると判明したため、オブジェクトクラスのSafeへの引き下げと共に、現在の収容プロトコルが作成されました。

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