SCP-854
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アイテム番号: SCP-854

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-854は████████におけるアメリカ合衆国土地管理局の資産として収容されています。現地に通じている車道と歩道は“保守点検”の名目で閉鎖され使用不可能になっており、保安カメラが現地およびそこへ通じる全ての道を監視しています。監督職員は、侵入者を阻止するために非致死手段を使用することが許可されています。

アーチの両端には障壁を構築し、制御下にある状況以外でのアクセスを防止します。監視下に無い状態での消失を防ぐため、野生動物を現地に入れることは許可されていません。

説明: SCP-854は██州████████にある、砂岩の浸食で形成された自然のアーチ状構造であり、地元では“夢の架け橋”という名称で知られています。外見上の不安定さにも拘らず、SCP-854は非常に頑丈であり、400kg以上の負荷を無理なく支えることが可能です。構造の基部には未知の言語による1つの大きなピクトグラムが彫り込まれていますが、それ以外は自然形成されたものです。

アーチは、上部を東から西に向かって橋のように横断されない限りは、観察可能な異常性質を示しません。西から東へ渡る、構造体の下部または周囲を通るなど、上記以外の形式で相互作用する動物や人間はごく普通にそれを実行できます。

生きた動物が東から西へとアーチを渡ると、その生物は構造体の中央部で消失します。消失した生物は現在まで回収されたことがありません。この現象にはアーチとの接触が必要であり、同じ方向に上空を飛行する鳥は影響を受けていません。遠隔操縦車両などの無生物も、影響を受けることなくSCP-854を横断できます。

消失のメカニズムに説明を付けられるようなエネルギー放出、空間的変則性、その他の付随現象は検出されていません。目撃者とセンサー記録は、対象者がアーチ上部の中間点に到達した瞬間にただ姿を消していることを示しています。実験対象者が所持/装着していた記録装置は同時に消失し、送信を停止しています。

現地の言い伝えでは、アーチとその周辺には様々な超自然的性質があると語られています。通常、アーチは崇拝/守護されなければならない(多くの場合スピリチュアルな性質の)別世界に通じる門もしくは橋として描写されます。一部の口頭伝承は、橋を渡る者たちは現地に伝わる神格の“母なる空”への謁見が許されるのだと述べています ― 伝承によれば、過去の苦難の時、一人の伝令が人々の窮状を訴え、彼女の意思を動かすための供物を届けるために勇敢にもこの橋を渡ったとされます。伝令がどのような供物を持参したかは、伝令自身が供物であったという説も含めて、伝承によって変化します。

確保時概要: “夢の架け橋”のアーチ構造は関連する異常な物語や神話を長年有していましたが、19██年まで財団の調査が行われていませんでした。この年、██州███████のナンシー・███████が撮影した休暇中のアマチュアビデオが、一家の飼っている犬に追われてジリスがアーチ上を逃げ、中間点に走り込んだ瞬間に2匹とも消失するのを捉えました。映像はローカルニュースで放送された後、光のいたずらによる錯覚として説明付けられ、財団エージェントに回収されました。

上記の消失現象を除き、伝承で現地と関連付けられている異常性質は、現在まで財団に検証されていません。

事案報告書854-01: 20██年2月18日、グリーンランドのノルドから南西に200km離れた地点で、放射標識された財団の追跡タグが衛星システムにより断続的に検出されました。回収チームが派遣され、離れた丘の上に剥き出しで放置されていた問題の追跡装置を確保しました。これに加えて、チームは同じ場所から金属製ジッパー3つ、真鍮のボタン35個、複数の破損した電子機器、金歯2本、燧石と黒曜石で作られた数十点の斧刃・槍の穂先・彫刻、そして金属製のペット用名札1個を回収しました。追跡装置は198█年に財団がSCP-854の実験で使用したものと特定されました。これ以降の実験でSCP-854に送り込まれたアイテムは、おそらくは一種の時間遅延現象のため、まだ現地に出現していません。実験と監視は進行中です。

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