SCP-864-JP
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tomb

SCP-864-JP-A群が発見された石室の内部

アイテム番号: SCP-864-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 実験用のSCP-864-JP実例はサイト-9722の低温生体保存庫に収容されています。蘇生させたSCP-864-JP実例は実験終了後に焼却してください。

SCP-864-JP-A群とそれが納められていた石室は発掘され、サイト-9722の地上に移築されて保存されています。SCP-864-JP-A-2から出現するSCP-864-JPの脱走を防ぐため、石室の床面はアスファルト舗装となっています。石室の清掃は毎日行われ、SCP-864-JPがその都度回収され処分されます。毎月1回、SCP-864-JP-A-2が開封され、内容物の状態の記録が行われます。

説明: SCP-864-JPは、イスラエル国██████地区に生息していた、双翅目(ハエ目)の幼虫に類似した体型を持つ淡紅色の生物です。全長は3〜10cmで体型が細く、口吻には短く鋭い3対の牙が存在し、尾側に三叉に分かれた鈎を持つのが特徴です。解剖の結果、SCP-864-JPは生殖器と肛門を持たないことが確認されています。SCP-864-JPは乾燥に対して非常に脆弱であり、単独では地表で生存することができません。

SCP-864-JPは二酸化炭素濃度を鋭敏に検知する化学受容器を有しており、これを用いて地中で冬眠中のカエル(以下、対象)を発見し、接近します。対象の種の違いはSCP-864-JPの反応に大きな影響を及ぼしません。対象に到達したSCP-864-JPはその口内へと侵入し、尾側の鈎を用いて自らを対象の喉頭蓋に固定します。こうして、口内にSCP-864-JPが定着したカエル(以下、SCP-864-JP-1)が完成します。なお、カエルがSCP-864-JPを拒絶しない理由は判然としていません。

冬眠を終えて地表へ出たSCP-864-JP-1は、通常の個体とほぼ変化のない生活を送りますが、食糧として双翅目の成体を発見した場合のみ通常の個体と異なる反応を示します。獲物を捕獲する瞬間、SCP-864-JP-1は自身の舌の代替としてSCP-864-JPを伸長させます。結果として、捕獲された双翅目は、SCP-864-JP-1ではなくSCP-864-JPによって消費されることになります。SCP-864-JPの牙が、獲物の外骨格を破砕することを可能としています。しかしながら、SCP-864-JPは獲物を消化・代謝することはなく、単にそれを胃に貯蔵するのみです。SCP-864-JPが双翅目以外の食物を摂取している様子が確認されたことはなく、活動のエネルギー源は未だ特定されていません。

SCP-864-JP-1が再度冬眠に入るか、それ以前に何らかの要因で死亡した場合、SCP-864-JPは鈎を切離してSCP-864-JP-1の口内から脱出します。この時点で自身の体重の60%以上の双翅目を捕食していたSCP-864-JP個体は、後述するSCP-864-JP-A群に向けて移動を開始し、場合によっては30kmを超える距離を移動します。捕食量がそれ以下であった個体は、再び新たな宿主を探し始めます。

SCP-864-JP-Aは、イスラエル国█████の地下20m地点に造られていた石室内部で発見された7基の鉄製の棺であり、それぞれの全長は9mに達します。石室には床面が存在せず、人間が出入り可能な扉や周囲の通路等の痕跡は確認されませんでした。年代測定の結果、石室とその中のSCP-864-JP-Aは少なくとも2000年以上前に建造されたことが判明していますが、SCP-864-JP-Aの表面に目立った劣化の兆候は見られません。SCP-864-JP-Aの蓋には1匹のハエの成虫を模した全長7.2mのレリーフが施されており、その腹部の先端に該当する部分には直径20cmの穴が開けられています。

SCP-864-JP-A群は発見時の様子から3つのグループに分類されています。

SCP-864-JP-A-1: 7基中1基が該当します。棺の蓋は厳重に閉ざされており、レリーフ腹部の穴は石室周囲のものと同質の土によって塞がれていました。棺の内部は完全な空洞でした。

SCP-864-JP-A-2: 7基中1基が該当します。棺の蓋は閉ざされていましたが、レリーフ腹部の穴から多数のSCP-864-JPが出入りする様子が観察されました。SCP-864-JP-A-2内部へと侵入したSCP-864-JPは、その胃内容物を残して直ちに溶解することが確認されています。SCP-864-JPがSCP-864-JP-A-2に起源を持つことはほぼ確実であると見なされていますが、現時点ではSCP-864-JP-A-2の内部調査でSCP-864-JPの生体や卵が確認された例はありません。

発見時のSCP-864-JP-A-2には約███████匹分の双翅目の死骸が納められており、SCP-864-JP-A-2の全容積の47%を占有していました。死骸はほぼ全数が細かく破砕されていたものの腐敗の兆候はなく、およそ230年前から現在まで毎年ほぼ一定の割合でその貯蔵数を増やしていたものと考えられています。SCP-864-JP-A-2の充填実験は予定されていません。

SCP-864-JP-A-3: 残りの5基全てが該当します。棺の蓋は乱雑に開放されていました。1基から未知の昆虫の脚1本(全長3.8m)が発見されたのみで、他の内容物はオブジェクト発見以前に全て失われたものと推測されます。棺のほぼ全面に多量に付着していた粘液の跡から、ヒキガエルと99.4%一致するDNAが検出されたことは特筆に値します。

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