SCP-867-JP
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アイテム番号: SCP-867-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-867-JPは防波堤建設および整備のカバーストーリーの元、恒久的に封鎖される事が決定されました。現在SCP-867-JPの代替となる道路が財団フロント企業である株式会社SCプロパティーズによって建設中です。なお、建設後はSCP-867-JP-1の出現および車両強奪が新道で発生しないかどうかを観察してください。

説明: SCP-867-JPは、██県███市にある██川沿いに建設された道路のうち███交差点1を起点とした前後左右1.4km圏内です。

この場に車両総重量11,000kg以上の大型車が進入すると、SCP-867-JP-1と定義される人型実体が出現します。SCP-867-JP-1は作業服を着用した中年男性のような外見をしています。SCP-867-JP-1は出現すると即座に侵入した大型車を走って追跡します。SCP-867-JP-1は外見上何らかの加速装置等を取り付けているようには見えないにも関わらず、最高で時速███kmの速度を記録しています。

SCP-867-JP-1が当該大型車に追い付くと、SCP-867-JP-1は運転席に取り付き、ドライバーを強引に車の外部に放り出し、当該車両を奪取します。奪取されてから当該車両が500mほど走行すると当該車両と共にSCP-867-JP-1は消失します。なお、SCP-867-JP-1はドライバーの生死には関心はないらしく、これまで発生した全事例██件のうち██件ではドライバーは生存しています。

インタビュー記録867-JP-3

対象: 関口 ███氏(以下ドライバー)

インタビュアー: エージェント・酒匂

付記: 関口氏は大手運送業者に所属するトラック運転手であり、20██年█月██日にSCP-867-JP-1に遭遇、トラックを奪われた上全治1ヶ月の重傷を負いました。以下は病院で行われたインタビューです。

<録音開始>

エージェント・酒匂: まず関口さん、あなたはここ(SCP-867-JP)は大型車両は進入禁止だったにもかかわらず██tトラックで進入した。合ってますね?

ドライバー: はい。

エージェント・酒匂: そして、交差点を通りすぎて少ししたら作業服の男がやってきて、あなたをトラックから引きずり出して、奪っていった、と。

ドライバー: 信じていただけないかもしれませんが、その通りです。いきなり無表情の、作業服の男がドアを…走行中だったのに、ですよ?開けて、私のシートベルトを外して、外へ放り出したんです。

エージェント・酒匂: そしてあなたは道路にたたきつけられ…

ドライバー: 見ての通りです。…これまた信じていただけなさそうな話なんですけど、いいですかね?

エージェント・酒匂: どうぞ。信じられないような話でも案外手がかりになるものですからね。

ドライバー: ええ、あいつが私のトラックを奪って少ししたら…消えたんですよ。突然、なんの前触れもなく。一瞬にして!

エージェント・酒匂: なるほど…一瞬にして、と仰られましたが、具体的にどのように?

ドライバー: どのようにと言われても…まさしく一瞬ですよ。煙みたいに薄れて消えていった、とかじゃなくて、パッと、まるで元からなかったかのように消えたんです。

エージェント・酒匂: なるほど。

ドライバー: ところで…私のトラック、見つかってないんでしょうか…?

エージェント・酒匂: 現在全力を挙げて捜査中ですが…まだなんとも。

ドライバー: そうですか…

<録音終了>

終了報告書: この後関口氏およびその他事件関係者に対してはクラスA記憶処理を行いました。また、事故に関してはカバーストーリー「不運な事故」を、トラックの消滅についてはカバーストーリー「損傷激しく修理不能につきスクラップ」が適用されました。

SCP-867-JPの暫定的な封鎖後、その特性の調査などを目的として実験が行われました。全実験記録の閲覧を希望する場合はSCP-867-JPの研究担当者である栃木博士の承認を得た上でファイル:「SCP-867-JP実験記録」を請求してください。

実験記録867-JP-1

対象: SCP-867-JPおよびSCP-867-JP-1

目的: SCP-867-JP-1の出現および強奪が発生する車種の特定

実施方法: D-23198に総重量10,000kgの車両を運転させ、SCP-867-JPに進入させる

結果: SCP-867-JP-1は出現せず。

実験記録867-JP-2

対象: SCP-867-JPおよびSCP-867-JP-1

目的: SCP-867-JP-1の出現および強奪が発生する車種の特定

実施方法: D-23198に総重量11,000kgの車両を運転させ、SCP-867-JPに進入させる

結果: 当該車両がSCP-867-JPに進入し500m走行した後、SCP-867-JP-1が出現。SCP-867-JP-1は時速約███kmで当該車両を追跡し、D-23198を車両から引きずり出して奪取。SCP-867-JP-1が運転する当該車両は10mほど走行した後消失した。車両の行方は不明のままである。

分析: どうも律儀にSCP-867-JPにある「大型貨物自動車等通行止」の標識を参考にしているようだ。それ以上の車なら分捕ってもいい、と思っているのか? -栃木博士

実験記録867-JP-5

対象: SCP-867-JPおよびSCP-867-JP-1

目的: SCP-867-JP-1の出現および強奪が発生する車種の特定

実施方法: 無人走行仕様に改造した総重量11,000kgの車両を遠隔操作し、SCP-867-JPに進入させる

結果: SCP-867-JP-1は出現せず

分析: 重量は満たしていたはずなのだが…人間が運転していなくてはダメなのか、それとも人間が運転できる車両でなくてはならないのか、さてどちらだ? -栃木博士

実験記録867-JP-6

対象: SCP-867-JPおよびSCP-867-JP-1

目的: SCP-867-JP-1の出現および強奪が発生する車種の特定

実施方法: 実験記録867-JP-5で使用した無人操縦車両の運転席だった場所にD-33891を載せた上で遠隔操作し、SCP-867-JPに進入させる

結果: SCP-867-JP-1は出現せず

分析: おそらく人間が運転できる車のみがSCP-867-JPの餌食になる、という事なんだろう -栃木博士

実験記録867-JP-10

対象: SCP-867-JPおよびSCP-867-JP-1

目的: SCP-867-JP-1により奪取された車両の行方の調査

実施方法: D-18329にGPS発信機と各種通信装備を装着した大型トラックを運転させ、SCP-867-JPに進入させる

結果: 当該車両がSCP-867-JPに進入し500m走行した後、SCP-867-JP-1が出現。SCP-867-JP-1は時速約███kmで当該車両を追跡し、D-18329を車両から引きずり出して奪取。SCP-867-JP-1が運転する当該車両は10mほど走行した後消失した。なお、消失と同時に設置されていた各種設備の反応も消失。車両の行方は不明のままである。なおD-18329は引きずり出された際の衝撃で軽傷を負った。

実験記録867-JP-17

対象: SCP-867-JPおよびSCP-867-JP-1

目的: SCP-867-JP-1による奪取を妨害した場合の調査。

副次目標: SCP-867-JP-1の捕獲

実施方法: エージェント・志摩とエージェント・陸奥および機動部隊れ-3(”相乗り”) が乗り込んだ大型トラックをSCP-867-JPに進入させる。SCP-867-JP-1による奪取を防ぐため、エージェント・陸奥および荷台部分に乗り込んだ機動部隊隊員は全員銃器等で武装させる。

結果: 当該車両がSCP-867-JPに進入し500m走行した後、SCP-867-JP-1が出現。SCP-867-JP-1は時速約███kmで当該車両を追跡し始める。この際機動部隊隊員によりSCP-867-JP-1は少なくとも███発以上の銃弾を当てられたが、外傷は見られず、また追跡を妨害する事はできなかった。その後当該車両に追いついた後、運転していたエージェント・志摩を車両から引きずり出して奪取。この時助手席に座っていたエージェント・陸奥により散弾銃で殴打・射撃されたにも関わらず、SCP-867-JP-1は外見上無傷であり動きに支障も出ておらず、SCP-867-JP-1の捕獲の試みも失敗した。SCP-867-JP-1が運転する当該車両は10mほど走行した後消失した。なお、消失と同時に設置されていた各種設備の反応も消失。車両の行方は不明のままである。荷台に乗っていた機動部隊隊員および助手席のエージェント・陸奥は車両の消失と共に地面に落下、機動部隊隊員1名が軽傷を負った。

分析: 奴には少なくとも物理的な攻撃は通用しないようだ。SCP-867-JPをどうにかするにはこれ自体を封鎖する他なさそうだな。 -栃木博士

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