SCP-868-JP
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gekizyo

実験中、封鎖されている国立文楽劇場

アイテム番号: SCP-868-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-868-JPはサイト-8179のレベル4収容庫内に収容されます。

SCP-868-JPを使用した実験は、その実行の90日前には申請されていなくてはなりません。渉外部門の干渉により、実験日時前後72時間以内の国立文楽劇場での公演予定は中止されます。

実験中は国立文楽劇場全域をクラスⅣバイオハザード指定地域として扱い、全通気口は事前に封鎖してください。担当研究員の指示の下、バイオハザードクラスは引き上げられる場合があります。実験が終了した後、生物災害対策チームによって直ちに国立文楽劇場全域を除染してください。48時間以内に除染完了が確認されなかった場合、適切なカバーストーリーを適用し、除染が完了するまで国立文楽劇場を封鎖し続けてください。

文楽文化の断絶または大規模な変革、国立文楽劇場の移築・解体の可能性は常に精査され、収容チームはこれを排除します。また、財団は常に6名以上の文楽人形遣いを人員として確保する必要があります。

説明: SCP-868-JPは電力によって機能する三組のヘッドギア型装置であり、ヒト頭部へ装着することで起動し、脱離することでシャットダウンされます。SCP-868-JPは内蔵された未知の構造のバッテリーにより、特別な外部電源を必要としません。

SCP-868-JPは、装着者の脳にほぼ完全なフルダイブ型仮想現実を体験させる機能を持ちます。SCP-868-JPを装着すると装着者は昏睡状態に陥ります。その後、SCP-868-JPは装着者の大脳皮質の各感覚野と小脳へ電磁的に干渉し、その命令信号を操作することで仮想現実を体験させます。

この機能を活用し、SCP-868-JPは装着者へ国立文楽劇場の舞台上に立っているように知覚させます。仮想現実内において、装着者は舞台から降りたり、舞台裏へ行くことができません。同時にSCP-868-JPを装着している他の装着者がいた場合は、装着者同士が映像内でお互いの動作を視認できます。装着者の姿は全て黒衣として投影され、身長は装着者の現実における肉体と同様になります。仮想現実内の観客席には全席に様々な文楽人形があり、いずれも和装ではなく現代日本における日常的な服装です1

仮想現実内では舞台上に特異なかしらを持つ人形(SCP-868-JP-a)が一体安置されています。かしらは若年の日本人女性の頭部に酷似した外観を持ちますが、内部構造は完全に文楽人形のかしらと同様です。装着者はSCP-868-JP-aを触覚的に知覚して操作することができ、SCP-868-JP-aは受けた操作に対して映像内で正常な動作を示します。

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実体化直後のSCP-868-JP-b

文楽人形の操作に必要とされる三名の装着者2によって映像内でSCP-868-JP-aの操作がある程度適切に行われると、SCP-868-JP-aの動作に応じて現実の国立文楽劇場に異常現象(SCP-868-JP-1)が発生します。

SCP-868-JP-1は、「娘」のかしらを持つ文楽人形(SCP-868-JP-b)が国立文楽劇場の舞台手前に出現し、口部から病原体を含む未知の構成の液体を噴霧する現象です。

液体は付着した人間の皮膚組織を通過し、含まれる病原体にほぼ確実に血液感染させる異常性を持ちます。無対策でのSCP-868-JP-1現象は劇場内のほぼ全ての人間へ病原体を感染させるものと推測されます。SCP-868-JPが一つでも脱離されると、SCP-868-JP-bは消失します。

以下は財団所属の人形遣いによって実践された、SCP-868-JP-aの動作と発生したウィルスの対応です。

SCP-868-JP-1個別事例(完全なリストは担当研究班へ要請してください)

実行された動作 散布された病原体
歩行 ザイールエボラウィルス3
倒れ込む オナガザルヘルペスウイルス4
涙を拭う マチュポウイルス5
手を叩く リッサウイルス属レイビーズウイルス6
お辞儀 クリミア・コンゴ出血熱ウイルス
他人へしなだれかかる 未知の異常なウイルス。感染者の皮下脂肪は全て汗腺から流出する
つまずいて転びかけ、持ち直す 未知の異常なウィルス。[検閲済]を媒介とし、社会的な組織内においては爆発的に感染すると思われる。致死率40%

 
複合的な動作の連続、特に演目の再現によって散布される病原体についての具体的な情報はレベル4機密に指定されています。SCP-868-JP-1によって発生する病原体の研究・活用、また研究班からの[検閲済。開示にはレベル4/868-JP資格を提示してください]の報告により、SCP-868-JPの保護に欠かせない要素として、文楽文化及び国立文楽劇場の存続は財団によって保たれることが決定されています。

補遺: SCP-868-JPは1983年、国立文楽劇場の建築中に未完成の劇場裏から発見されました。当初バーチャル・リアリティ技術は未発生であったために機構の詳細は不明な未知の技術とされましたが、近年の研究によりSCP-868-JPの脳干渉機構は大半が解析されつつあります。

財団外部の一般的なバーチャル・リアリティ技術の進歩によっては、研究班はSCP-868-JPが時間遡行実体であることを視野に収容を続ける方針を取っています。

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