SCP-873-JP
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アイテム番号: SCP-873-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-873-JPの実体と胞子サンプルは耐バイオハザード設備を施した収容房に隔離されます。サンプルの取り扱いには防護マスクを着用し、収容エリアへの出入りの際には入念な各種除染手続きを踏んでください。発症者とその接触者は同様の装備の上で早急に隔離し、エリアの除染を行ってください。オブジェクトとの関連を疑われる人間には専用に調剤された対SCP-873-JP薬の投与が行われます。SCP-873-JP-1-f段階となった感染者とその寄生体は焼却により問題無く処理が可能です。

説明: SCP-873-JPはシダ植物の一種とみられる未知の品種です。遺伝子上はシシガシラ科に類縁すると推測されますが、多くの点で現在知られているシダ植物と異なる性質を見せます。SCP-873-JPは1年間のうち、2月から4月までの3ヶ月の間のみ個体の成長と約20μm程の胞子の散布を行う事が判明しています。これは通常種のように湿った土壌では発芽せずに哺乳類、特にヒト(Homo sapiens)の鼻や喉、あるいは目などといった粘膜上にて急速に発芽と細胞分裂を繰り返す事が確認されています。この上記の3ヶ月間を過ぎたSCP-873-JPの胞子は、粘膜上に残存した状態で1年後の成長期まで休眠状態に入ります。SCP-873-JPの宿主となった対象者をSCP-873-JP-1とします。SCP-873-JPとSCP-873-JP-1についての段階における観察資料を以下の表にまとめます。

段階 SCP-873-JPの状態 SCP-873-JP-1の状態
SCP-873-JP-1-a SCP-873-JPの胞子は休眠状態にあります。SCP-873-JPは2月から4月になるまでこの状態でSCP-873-JP-1の粘膜上に残存します。 自覚症状はみられず、健康的な反応をみせます。
SCP-873-JP-1-b 2月から4月になるとSCP-873-JPの胞子は発芽し、他のシダ植物のように前葉体を形成します。これは極めて小さく薄く、粘膜上に張り付くように形成されます。SCP-873-JP-1が目をこする もしくは咳やくしゃみを行う事により、前葉体の造精器から造卵器へと精子が運ばれ、受精が行われると考えられます。 SCP-873-JP-1はSCP-873-JPの寄生箇所の痒みを訴えます。
SCP-873-JP-1-c 受精が行われたSCP-873-JPは粘膜上に強固に接着し、胞子体を形成します。形成された胞子体は成長を一旦停滞させ、微細なまま胞子の散布を開始します。それに対してSCP-873-JPの根は急速に発達し、粘膜からSCP-873-JP-1の組織内部へと侵出します。 SCP-873-JP-1の症状は強まり、くしゃみや鼻水 目の充血といった、花粉症やアレルギー性鼻炎のような症状を見せるようになります。この頃から、これらの症状にあわせて体外への胞子の散布が始まります。
SCP-873-JP-1-d SCP-873-JPの根は複雑に絡んだ寄生根と茎1へ成長し、破壊された粘膜下の組織にかわってその位置を占め始めます。その末端は神経や脳幹に至り、その正常な動作を妨げます。胞子の散布はより激しくなります。 SCP-873-JP-1の症状はより悪化し、常時咳とくしゃみを繰り返す極めて深刻なものとなり、それに伴い常時口や鼻、目から一定量の胞子を放出しています。その症状にも関わらず、SCP-873-JP-1は屋外など、より他の人間の集まる場所への移動を求めるようになります。
SCP-873-JP-1-e SCP-873-JPの胞子体が再び成長を始めます。一旦胞子の放出は停滞します。 SCP-873-JP-1の症状は熾烈を極め、多くの場合喉や鼻、眼孔の粘膜を直接かきむしる、眼球の自己摘出といった行動に走ります。SCP-873-JP-1はこれらにほとんど痛みを感じず、粘膜組織が破壊された事による地下茎の露出を招きます。
SCP-873-JP-1-f 地下茎が露出した事でSCP-873-JPはその胞子体を急速に成長させ、24時間以内には眼孔、鼻孔、口から一斉に生い茂ります。同時に、全ての胞子体が爆発的な胞子の散布を行います。以降、SCP-873-JPはSCP-873-JP-1の組織を土壌とし、生育を続けます。 SCP-873-JP-1は一定の間生存を続けるものの、脳幹の侵食や呼吸困難等により最終的には死亡します。SCP-873-JP-1の肉体が腐敗または消費されると、SCP-873-JPの個体も枯死する事が確認されています。

SCP-873-JPの起源は現在判明していませんが、1800年代にイギリス・北アメリカで初めてその存在が報告され、日本でも1960年以降より各地で散発的に確認されています。SCP-873-JPが成長期にみせる症状は同時期に多発する花粉症に類似しており、その早期発見は極めて困難です。またその生態上キャリアとなったSCP-873-JP-1の接触者や滞在場所の多数の人間の精密検査が必要となり、パンデミックの危険性を孕む事から当初はKeterクラスのオブジェクトとして指定されていました。

しかし、1982年に抗ヒスタミン薬の一種である████████の摂取によってSCP-873-JPの発芽・成長と胞子の散布が著しく阻害される事が判明し、SCP-873-JPの初期症状を考慮し対花粉症薬としての市場頒布が提案、可決されました。以降SCP-873-JPによる発症者は劇的に減少し、20██/5/██をもってEuclidクラスへの変更が認可されました。

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