SCP-886-JP
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密集した状態のSCP-886-JP-2

アイテム番号: SCP-886-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-886-JPは広さ15m × 15m × 6mの標準的な樹木管理部屋に収容されています。管理方法は一般的なイチョウと変わりありませんが、黄葉の兆候が見られた場合、すべての葉を切り落としてください。回収した葉は焼却処分してください。その後、収容室にSCP-886-JPの活動に必要な500gの食肉を配置してください。この食肉は切り身ではなければならず、SCP-886-JPの吸収が悪いミンチなどは厳禁です。現在、2本のSCP-886-JPを収容していますがそれぞれの収容室は直径150m以上離して配置すべきです。
サイト外でSCP-886-JPが発見され次第、機動部隊た-1("剪定鋏")がSCP-886-JP-1の捜索、処分を行います。

説明: SCP-886-JPはイチョウ(学名:Ginkgo biloba)と酷似した樹木です。██県の山林で行方不明者が多発し、その調査の末に群生地が発見されました。群生地のSCP-886-JPは即座に全て回収、現在収容している2本を除いて処分されています。

SCP-886-JPは主に樹木部分(SCP-886-JP-1と指定)と、そこから生み出される樹葉(SCP-886-JP-2と指定)と根の周辺に作られる地下空間(SCP-886-JP-Aと指定)で構成されています。

SCP-886-JP-1は見る限り一般的なイチョウと変わりありません。しかし、雌雄の性別が存在せず、銀杏などの種子も実りません。DNAには██%の差異があり、いくつか動物性のものが含まれています。
2本以上のSCP-886-JPがあると互いに根を伸ばしあって結合させる特異性を持っています1。結合したSCP-886-JP-1の根に結合痕はほとんど見られず、栄養の循環も円滑に行えます。さらにSCP-886-JP-1の根は、近くにある植物や動物を探知し、結合しようとします。そして結合した動植物から栄養を吸収し、溜め込みます。
動植物への結合方法は対象によって異なります。

  • 植物:対象の根にSCP-886-JP-1の根が覆うように絡み付くことによって結合します。一旦結合したあとも、時間をかけて植物の根を侵食し、植物の根だけではなく幹までもSCP-886-JP-1の組織に置き換えていきます。植物への侵食率が30%を超え、根のほとんどがSCP-886-JP-1の組織に置換されると、植物は完全にSCP-886-JP-1の管理下に収まります。管理下に収まった植物は得た栄養をSCP-886-JP-1に送るようになり、自らの栄養は生存維持に必要な最低限だけを蓄えるようになります。この特性のためSCP-886-JP-1の群生地では通常の植物が育ちにくくなり、SCP-886-JP-1ばかりが繁殖します。
  • 動物:鋭く尖った根で対象の皮膚を貫いて、内部の組織に細かい根を張っていくことによって結合します。しかし、このプロセスは時間を要するので、結合の最中に強引に引き剥がすことができます。皮膚下にSCP-886-JP-1の根は残りますが、特異性はありません。栄養吸収にも時間がかかるため、通常時は植物の根のほかに地中の幼虫や動物の死骸を吸収しているようです。

上記のような性質は若葉が芽を出す春から、落葉がはじめる直前の初秋までです。落葉の季節になると、後述のSCP-886-JP-2による栄養補給が活発になります。

SCP-886-JP-2は通常のイチョウの葉と変わりありませんが、黄葉とともに葉脈が神経組織へと置き換わり、葉の部分も生物の筋肉と同じ役割を持つようになります。この変化は肉眼ではただの黄葉した葉にしかみえません。前述の特性によりSCP-886-JP-2は風に飛ばされる他にも地面を這いずる回るなどの移動をすることが可能です。しかし、脳に該当する器官がないことと、SCP-886-JP-1を中心とした直径100mから離れると活動を停止するため、SCP-886-JP-1から何らかの指示を受け取っているものと思われます。SCP-886-JP-1が複数体結合していた場合、さらに範囲は広がるものとされています。
SCP-886-JP-2は基本的に一箇所に集まり、何層にも重なり結合しあいます。そうすることにより下の層のSCP-886-JP-2を飛ばされないようにしているようです。範囲内で最もSCP‐886‐JP‐2の密度が高い下層がSCP‐886‐JP‐Aと指定される空間と繋がる“穴”となります。“穴”となったSCP-886-JP-2上部を生物が通過すると上層の結合が解かれ、SCP-886-JP-Aとなる空間に落とし込もうとします。“穴”はSCP-886-JP-Aと直接つながっている上、穴開口部周囲の地表もSCP-886-JP-2に覆われている可能性が高いため抜け出すことは困難になっています。

SCP-886-JP-AはSCP-886-JP-1の根の間近に作られる大小様々な空洞です。大きさは生物が“穴”に落ち込んだ時点で生成され、落ちた生物が殆ど身動き取れない大きさに調整されます。この空間に生物が落ちた時点で“穴”は塞がってしまいます。SCP-886-JP-Aの内部に異常性はなく、生物を覆う内壁は周囲の土のままでした。落下での即死はほとんどありませんが、酸素濃度などの関係で数時間で衰弱し、動きが鈍くなり意識も朦朧とし始めます。
SCP-886-JP-A内の生物の動きが衰え始めると、SCP-886-JP-1の根が生物と結合し栄養を吸い始めます。結合した生物は一日経たぬうちにSCP-886-JP-1の根が張り巡らされます。この段階でも生体反応は確認されるものの、外科手術などによる根の除去は不可能なレベルになっており生物の意識もほとんどありません。張り巡らされた根は急激に成長し、結合した生物を苗床としてSCP-886-JP-1個体を生み出し、早いもので3日、遅いもので1週間の期間で地表に顔を出します。
大きさは2mにも及び、幹の直径は5cmほどです。地表に顔を見せた直後は緑色のSCP-886-JP-2をみせますが、1時間以内に黄葉、落葉のプロセスを行います。なお、落葉したSCP-886-JP-2はほとんど移動できず、まだ“穴”を作ることができません。このことから、SCP-886-JP-A内による捕食はSCP-886-JPの生殖活動に当たるものと考えられています。

補遺: 回収したSCP-886-JP-1の標本を解剖中、根の中心部に人間の背骨と思しきものが発見されました。頭であった部分は幹の方を向いてめり込んでいるようです。
さらに解剖を進めることにより幹の内部より人間の脳だったと思われる器官を発見。ほかにもSCP-886-JP-1の内部で活動していた器官の██%が人間のものと一致しました。どれも侵食を激しく受けているものの、かろうじて活動していたことが判明しました。
他の標本からも人間、周辺に生息する小動物などと思われる器官が発見されたため、SCP-886-JPは人間の脳などの器官を再利用してSCP-886-JP-2などを操作していたのではないかという予想結果が出されています。

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