SCP-898
評価: -2+x

アイテム番号: SCP-898

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-898の生成及び使用に関する情報はLevel3クリアランス以上の職員に制限されています。SCP-898の実験は監督官議会の過半数の承認でのみ施行されます。

説明: SCP-898は財団研究員が特にその他ミームまたは心理作用攻撃に対する防衛機構の目的として作られたミーム障害です。その開発は1992年の紺碧の空作戦の一部として行われました。紺碧の空の目的は従来の技術では十分に防衛措置できなかった超自然的脅威から現地の財団職員を守る様々な装置の開発、運用です。特にSCP-898は3年を超える研究と実験により生成され、ゲシュタルト研究開発計画を実行するための既知のSCP分析から情報が用いられました。1995年12月22日に公式に中止されるまで、SCP-898企画はグリンコ博士がその運用を監督しました。

グリンコ博士と彼の部下が達した結論は、定義上はどのようなミーム衝動も目標の精神の思考のインスピレーションに影響を及ぼすので、最も明確な防衛機構は別の種類のインスピレーション、望ましくはより強力な衝動を生み出し最初のミームを無効にするという物でした。そのために、グリンコは単純な生物学的な刺激を与える促進剤で解決できると提唱しました。彼の作成した理論によると、既にSCP-898の影響を受けた被験体の精神が潜在的ミームの侵入を検知した時、SCP-898は自動的に被験体の交感神経節を刺激し、被験体の組織にアドレナリンを充満させて闘争・逃走反応を引き起こします。それから被験体はミーム効果範囲に対して攻撃または逃走を始めることで侵入しているミームを退かせます。

侵入するミームを検知するこの方法は被験体の辺縁系での急激な変化の追跡に基いて展開しました。グリンコと彼の班が観察した財団が既に知っているミームウィルスの共通の傾向として、それらのほぼ全てが眼窩前頭皮質で異常に高い量の活動を刺激する為、SCP-898はこの刺激または被験体がミーム攻撃に意識的に気づいた(同様にしばしば眼窩前頭皮質の活動を始めた)のならば、それに応じて活動するように設計されました。SCP-898が全種類のミームからの十分な予防の提供を確実とするために、グリンコは全五感に基づく彼の反ミームのコアを作ることを決定しました。SCP-898の完成版は聴覚、視覚、嗅覚、触覚、味覚に基づく要素を含みます。

  • 聴覚要素- [データ削除済]
  • 視覚要素- [データ削除済]
  • 嗅覚要素- [データ削除済]
  • 触覚要素- [データ削除済]
  • 味覚要素- [データ削除済]
  • ミーム開始行程概略- [データ削除済]

補遺(1/17/1995): 開始が完了した後、クラスA記憶処理が"ループ"、"自己活性化"に関わる現象(事案報告898-14から898-20を参照)を防止するために施さなければなりません。 -グリンコ博士

更なる詳細は文書[データ削除済]を参照してください。

事案報告898-14
1994年9月22日、最初のSCP-898の"試作"の完成品がサイト-12にある禁固室#34に監禁された30人のD-クラス被験体に施されました。全被験体が防音扉の後ろに厳重に監禁された後、部屋に備え付けられた拡声器はSCP-444の記録を再生し始めました。被験体の12人は扉を破ろうと試み(おそらくは脱走するために)、10人は部屋の隅に逃げて耳を塞ぎ、8人は拡声器に向かって走り、壁から引き剥がそうとしました。数分後、後者の被験体は引き剥がしに成功しましたが、彼らは記録が沈黙した後に最大限の動揺の徴候を示し続けました。被験体は約8分後に互いを攻撃し始めました。30分後に扉が解錠され保安部隊が部屋にはいると、被験体の大半は死亡または重体で、生存者は制圧されました。

事案報告898-15
1994年10月1日、2つ目のSCP-898の"試作"の完成品(修正内容は[データ削除済]に詳述されています)がサイト-12にある禁固室#34に監禁された30人のD-クラス被験体に施されました。再び、全被験体が防音扉の後ろに厳重に監禁された後、部屋に備え付けられた拡声器はSCP-444の記録を再生し始めました。被験体はまず事案報告898-14に非常に類似した行動を示しましたが、彼らの動揺は実験を監督している技術員であるダール博士が記録を止めた後に収まりました。観察ブースのマイクが起動していることに気付かず、彼は声を出して"うむ、今度のミーム中和は正しく機能しているようだ"と言いました。拡声器に特に近かった複数のD-クラス被験体はこれを聞くと、動揺の徴候を示し始めて互いに戦ったり逃げ合ったりし、最終的には被験体全員を巻き込む暴動に発展しました。保安部隊は複数の被験体を制圧し、残りは降伏しました。

筆/グリンコ博士のインタビュー抜粋(12/13/1995)

グリンコ: "会話できるほど近い場合、ミーム中和はミームが侵入したかのように機能する問題があります。SCP-898の影響を受けた人間がSCP-898の影響を受けていると意識的に気付いていると、898は活性します。私達はこれを"自己活性化"と呼びました。最初の898完成品の処方にも残念なことに"ループ"の副作用がありました。898が一旦起動したならば、自動的に自身を検知し繰り返し活性状態を維持してしまいます。大半のケースでのループ問題は解決することができましたが、自己活性化でのループを防ぐことはできず、自己活性化問題の解決の糸口も見つかっていません。私達にできる最善は記憶処理による変化とSCP-898の情報が財団職員に広く知られないよう手配することでした。"

事案報告898-23
1995年3月21日、ロック騎兵(機動部隊隊員ベータ-4-03)はサイト-12の休憩室でテレビを鑑賞していました。およそ4:03PM頃、彼は叫んで携帯武器を引き抜き、テレビに向かって複数回発射しました。その後彼は穏やかに勾留されましたが、何故テレビに対して敵意を向けたかについて説明できませんでした。

事案報告898-27
1995年3月29日、ウォール騎兵(機動部隊隊員ベータ-4-05)は残りのベータ-4と共にSCP- ███の再確保任務に派遣されました。SCP-███の位置にヘリコプターで向かっている間、伝聞によると彼女を取り押さえようとした所、彼女は彼女の部隊の機動部隊隊長とその他隊員に向かって発砲しました。司令官は撃たれましたが生存しました。ウォール騎兵は戦いで死亡しました。機動部隊隊長ベータ-4-01は彼が部隊に対して"やる気を奮い立たせようと話をした"時にウォールが攻撃したと報告しました。

筆/グリンコ博士のインタビュー抜粋(12/13/1995)

グリンコ: "ベータ-4は既に想定外の興奮、混乱の突発しないように改良出来たと思われていたSCP-898の影響を受けた機動部隊の1つでした。明らかな失敗です。ミームプログラムが従来の人間の言語にまで適用される事を考慮出来ていなかったのだと思います。私達皆が毎日使う特定のキーワードもしくはフレーズは思考を表し、感情を刺激しますが、私達には他に意思疎通する方法を知らないためこれを当然として使用します。しかしどうも898は特定の'自然的'なミーム、私のジョーク以上に精神に影響を与えないようなものでさえをも脅威として判断し、世界に2人として全く同じの神経科学を持った人間が居ないため、どのようなミームが特定の人物に対して脅威を与えるのか前もって判断する方法がありません。"

SCP-898実験記録、4/3/1992
被験体: 第3種SCP-898の影響を受けたD-44589、影響を受けていないD-44590。
実験: 最初の被験体はSCP-444の書面サンプルが備え付けられた防音室に監禁され、もう一つの白紙の紙に複写するよう頼まれます。依頼が完了したら2人目の被験体が部屋に入り、最初の被験体は2人目の被験体に対して何を書いたか口頭で説明します。
結果: 初め、D-44589は通り過ぎるまで、文書のコピーに気付きませんでした。彼はD-44590に何を書いたか説明することができず、最終的にD-44590に複写した物を見せに行きました。D-44590はD-44589と共に隔離されました。D-44590がSCP-444の症状を示し始めた一方、D-44589には症状が出ず、最終的には互いに意思疎通ができなくなりました。

被験体: 第4種SCP-898の影響を受けたD-44591、影響を受けていないD-44592。
実験: 上記参照。
結果: D-44591は文書の複写とD-44592への口頭での説明に成功しました。D-44591はD-44592と共に隔離されました。D-44592がSCP-444の症状を示し始めた一方、D-44591には症状が出ませんでしたが、まだ限定的な意思疎通が可能でした。

筆/グリンコ博士のインタビュー抜粋(12/13/1995)

グリンコ: "初期のミーム中和生成の試みは侵入したミームに対して感染した被験体が無知または無関心になるように強制しましたが、"狂戦士化血清"より深刻な欠陥がありました。最悪のケースでは被験体は事実上盲目と盲聾を患い、言語の目視、聴取、読字…および…強力な精神的な交際以外を感じることが出来なくなりました。最善のケースでは被験体は個人的に吸収したミームの影響を受けなかったとしても事実上の保有者となりました。要するに私達は失敗したのです。この3年間を振り返ると、私が思うに私達が実際に行ったことの全ては多くの異なる精神障害を誘発させる方法を理解しただけです。"
O5- █: "分かった。この計画を断念するに十分な理由だと思っているか?"
グリンコ: "はい。おそらく永遠に、しかし私達自身の非常に効果的なミームを開発するための基礎知識があまり持っていないのか、今の私にははっきりしません。おそらく数十年、私達のミーム学及び神経学の情報が少しでも発達した時、再び取り上げられるでしょうが、今のところ私には建設的で実行可能な何かがあるとは思いません。"

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