SCP-935-JP
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アイテム番号: SCP-935-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-935-JPの原本は透明なクリアファイルに挟み、不透明な耐水封筒に収容します。職員は決してSCP-935-JPを直視しないで下さい。適時剥離したSCP-935-JP-1を清掃する必要がありますが、その性質が不明の為、清掃に当たる職員は念のため感染症対策セットⅡ-V-Dを着用し、SCP-935-JP-1との皮膚接触を避けて下さい。SCP-935-JP-1と接触した全ての物体はレベル2感染症対策手順-汚物処理手順の適応となります。SCP-935-JPの複製は1枚のみ作成・利用する事が許可され、原本と同様の異常性を持つ物として扱われます。保管場所はサイト-8181の重要機材保管室です。

説明: SCP-935-JPは縦60×横80㎝の世界地図です。外見上は一般的な地図と類似していますが、表記された国の地形が異なります―例えば、日本国は同じ大きさの沖縄県で表され、北アメリカ大陸の形状は歪められた北海道に見えます。その他の国々も全て、よく似た日本国の地形に置き換えられています。SCP-935-JPに表記された”国”を直視すると、それが原本か複製かを問わず、対応する日本国の”都道府県”に対して「外国である」と認識する様になります。これは人種・言語・その他文化全てに影響を及ぼします。例えば北アメリカ大陸(形状は北海道)の部分のみ直視した者に対し、北海道以外の都府県に関連する文化を見せると、知識が正しい限り正答する事が出来ます。しかし北海道の文化について質問をすると、全て北米に関する文化であると答えます。

これらの認識は、必ずしも詳細かつ適切に置換される訳ではありません。例えばSCP-935-JPの日本国(形状は沖縄県)を見ると、沖縄県に関連する全ての文化を”日本の文化”と認識しますが、これは大雑把に「日本の物だ」と感じるだけで具体的に何”県”の物だ、という認識には至りません。この様な現実との差異から、被験者は外界への印象に多大な違和感を持ち、相互に交流する事を困難にしています。

SCP-935-JP-1はSCP-935-JPの原本表面で図面を構成するインクです。定期的に剥離・液状化し、原本表面には新たなSCP-935-JP-1が産生されます。市販のインクと成分的には大差ありませんが、匂いを嗅ぐと不明な外国のイメージを抱きます。この”新陳代謝物”がどの様な意味を持つのかについて、財団の学者はいくつか仮説を立てています―再生維持や自己複製に関与するなど―しかし今のところは、ただ生成され続けるのみです。

SCP-935-JPの原本は、2011/07/31に福島県の██████において発見されました。発見当時接触したエージェント・███は全ての図面を直視した為、ほぼ全ての日本国土と文化を認識出来ない状態にあります。エージェント・███はSCP-935-JPの被験者として任務を解かれ、沖縄県にあるサイト-████で療養中です。

エージェント・███と精神科医との交流日記から抜粋:

故郷が恋しい。知人と言われたのはどう見てもアメリカ人で、自分で話してさえ方言は意味の分からない外国語だ。ここの飯も悪くないけれど、でも和食ってだけで…そう思えるだけで。故郷の味が食べたい、お袋にも会いたい。先生、帰りたいよ。俺の故郷はどこに行ってしまったんだ?

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