SCP-947-JP
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SCP-947-JP。成虫個体。

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SCP-947-JP-1。SCP-947-JPは既に取り除かれていたもの。

アイテム番号: SCP-947-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-947-JPの幼虫は、それぞれ全て1個体ずつ封をした虫かごに入れ、サイト-81██内に存在する-12℃に保たれた冷凍コンテナに収容されます。 SCP-947-JPの成虫個体は生物標準飼育室に収容し、別紙の飼育プロトコルに従って収容を行ってください。SCP-947-JPの幼虫が作成するSCP-947-JP-1は、同サイトの標準収容コンテナに保管してください。

SCP-947-JP-1に11歳以下の人間が接近することは許可されません。SCP-947-JP-1への接触実験を行う場合、精神鑑定により幼児同等と判断されたDクラス、もしくは薬物投与を行ったDクラスを使用してください。SCP-947-JPの幼虫が放つ腐臭、もしくはSCP-947-JP-1が発見された場合、地域周辺の少等学校にはカバーストーリー「不審人物の徘徊」を適応し、一時的な休校と外出の禁止を命じさせてください。この間、SCP-947-JP-1とオブジェクトの捜索を行います。それらの確保、あるいは十分な捜索が行われたと判断できた場合、カバーストーリーの解除を行ってください。

説明: SCP-947-JPはモンキアゲハ(学名:Papilio helenus)に非常によく似た未知の生物です。外見や遺伝子構造に通常のモンキアゲハとの違いは見られず、対象が異常性をなぜ保有しているのかは分かっていません。また、異常性は一世代の幼虫のみが持ちます。成虫となったSCP-947-JP、SCP-947-JPから生まれた卵、その卵から生まれた幼虫、それらはすべて通常のモンキアゲハと同一です。

SCP-947-JPの幼虫は-10℃以下になると休眠の状態となり、行動を停止します。この状態のオブジェクトは氷結では死亡せず、食事や呼吸を行わずに生存することが可能です。この性質により、保管そのものは容易に行えます。他、SCP-947-JPは常時腐臭のような独特の臭いを発しており、この臭いを放つことで鳥獣から身を守っていると考えられています。オブジェクトの捜索の際はこの腐臭を手掛かりとしてください。

SCP-947-JPの異常性は、その幼虫が蛹化する際に発露します。幼虫は茂み内などで蛹化を行う際、子供用衣服に見える物体(SCP-947-JP-1)を作成します1。SCP-947-JP-1の作成は「見えない人間が編んでいるような」と報告されます。作成は素早く行われ、遅くとも1時間程度で完成するものです。SCP-947-JP-1の大きさ、色彩、柄は個体によって異なりますが、その大きさは7-10歳時の人間が着用できるものです。SCP-947-JP-1完成後、幼虫はその内部で蛹化します。蛹化したSCP-947-JPは悪臭を放たなくなります。

SCP-947-JP-1を視認した7-10歳(および、精神年齢が同等)の人間は、「SCP-947-JP-1を着用したい」という軽度の衝動にかられます。この衝動はあくまで「服の色がきれいだから」「かわいいから」といった間接的な欲求から生まれます。そのため、この衝動は物理的な阻害や説得で容易に弱めることが可能です。しかし、そういった阻害や説得がなかった場合、視認者はSCP-947-JP-1の着用の為に不法侵入などの軽犯罪を行うことを厭いません。他、木の上や茂みに衣服があるということの不自然さに視認者は気付かないようです。

SCP-947-JP-1を着用した人間は身体能力が上昇します。Dクラスの実験で確認されている限り、重量挙げでは221kg,100m走では3.8秒、垂直飛びで3.2m(全て平均値)の記録が計測されています。これらは成人したDクラスの実験によるものですが、実際に児童が着用した場合も、ほぼ同等の値と確認されています。SCP-947-JP-1の着用者は身体能力の向上によって躁的な感情が強くなる傾向があり、最終的に暴力による犯罪を起こす着用者が大半です。SCP-947-JP-1の着用者は脱衣に強い抵抗を見せ、特にSCP-947-JP-1に触れられた時、ほとんどの場合で殺人にまで発展します。身体能力の強化はSCP-947-JP-1を着用している限り継続され、物理的な束縛以外に停止させることはできません。SCP-947-JP-1を脱衣した場合、これらの衝動と身体能力の上昇は消滅します。

実験記録1 - 日付20██/██/██

対象: D-947-JP-1,D-947-JP-2。以下、D-1,D-2と簡略化して表記。D-1(二十代男性)は精神鑑定では問題なし、D-2(四十代男性)は精神異常判定。
目的: SCP-947-JP-1の異常性の調査
実施方法: SCP-947-JP-1をD-1,D-2に視認させ、着用させる。
結果: D-1はSCP-947-JP-1を視認しても「何も感じない」と報告。着用後も(サイズの大きさによる問題以外)何も起きなかった。D-2はSCP-947-JP-1を視認した瞬間、すぐさまSCP-947-JP-1を着用。身体能力の向上が確認された。実験終了後、SCP-947-JP-1の脱衣を指示したところ、D-2は暴力によって抵抗し、保管庫の壁を一部損傷させたため、D-2は終了された。
分析: 実際の年齢より精神年齢が対象の異常性に関係しているようだ。—██博士

SCP-947-JP-1の異常性は、SCP-947-JPが羽化して離れるか、事故によって蛹が離れた場合も、やや弱まった効果で残ります。身体能力の上昇は、筋力で比較した場合は約7割となり、性格も会話が可能な程度には穏やかとなります。

SCP-947-JP-1は茨城県の██市にて発見されました。関連している主な事件は、財団が調査したもので以下です。

事案 概要
20██年5月19日 財団が確認する中で最初の事案。9歳女児と9歳男児が登校途中にSCP-947-JP-1を発見。互いにSCP-947-JP-1を着用しようとし、掴み合いの悶着が発生。偶然居合わせた三十代女性によってそれは停止された。後、SCP-947-JP-1は三十代女性によって破棄されている。
20██年5月22日 8歳女児と12歳女児の姉妹が下校途中にSCP-947-JP-1を公園内で発見。8歳女児がSCP-947-JP-1を着用しようとしたが、12歳女児の説得により阻止された。
20██年5月26日 10歳男児が下校途中にSCP-947-JP-1を発見。SCP-947-JP-1の着用後、身体能力の上昇を利用し、公園で友人たちと「おにごっこ」といった遊戯をした。男児の帰宅後、SCP-947-JP-1を脱衣させようとした母親に対し、男児は暴力行為を行い、母親に右腕の骨折の重傷を負わせた。その後、男児は自主的な脱衣によってSCP-947-JP-1を破棄、119番通報を行った。(男児が自主的なSCP-947-JP-1の脱衣を行ったことから、SCP-947-JPが既に羽化した後のSCP-947-JP-1と考えられる。)
20██年6月1日 SCP-947-JP-1直接の発見に繋がった事案。9歳女児(同市内に住む財団のエージェント・██の実娘)が下校途中にSCP-947-JP-1を発見し、着用。帰宅後、女児はエージェント・██を撲殺。近隣住民の通報により駆けつけた警察官3名も同様に殺害した。最終的に財団の機動部隊によって女児は鎮圧された。この際、SCP-947-JPとSCP-947-JP-1が初めて財団によって回収された。尚、対象の女児は現在財団保護下にあり、財団が事情聴取を行っている。

現在、11着のSCP-947-JP-1と、幼虫と成虫の合計で13匹のSCP-947-JPが財団によって確保されています。

補遺: 茨城県の██市内を捜査中、廃棄されたビルに幼虫のSCP-947-JP数匹の死骸と、以下の文書が発見され、回収されました。ホッチキスで止められた跡があり、元々は数枚でまとめられていたと推測されています。

おしらせ

すごいむし できたよ。
あげるので、きてください。

だいすきなせかい こうさくクラブ

(余白に、複数の筆跡が見て取れる昆虫やヒーローを模したイラストが描かれている。)

くさいからいらない

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