SCP-961-JP
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アイテム番号: SCP-961-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル:SCP-961-JP-Aは低危険度物品保管室に収容されます。SCP-961-JP-B1、SCP-961-JP-B2は個別に、衣類用収納ケースに防虫剤と共に収めた状態で、低危険度物品保管庫に収容されます。SCP-961-JP-A、B1、B2はいずれも、定期的な収容状況点検の際に、Dクラス職員2名を用いて機能試験を行ってください。

財団所有の劇団及び劇場系フロント企業に届く広告物に『福神座』という文言が含まれていた場合は、連絡先を調査してください。

説明:SCP-961-JPは全長162センチの女性を模した等身大操り人形(SCP-965-JP-Aと指定)と二着の黒子用衣装(それぞれSCP-961-JP-B1、B2と指定)です。SCP-961-JP-Bを着用した2名の人物が、SCP-961-JP-Aを操作することで、SCP-961-JP-Aを生きている人間に誤認させる認識災害をもたらします。認識災害は写真や記録映像にも及びますが、SCP-961-JP-Bを着用した人物がSCP-961-JP-Aの操作を中止することで、即座に解除されます。また、SCP-961-JP-Bには着用中、可能な限りSCP-961-JP-Aの操作に没頭する精神影響をもたらす効果があります。そのため、SCP-961-JP-Bを着用した操作者は、脱水症状や過労で行動不能になるまでSCP-961-JP-Aの操作を継続しようとします。なお、SCP-961-JP-B1を着用した人物がSCP-961-JP-Aの腰部分を抱えて大まかな動きを制御し、SCP-961-JP-B2を着用した人物がSCP-961-JP-Aの両腕を操作と発声による演技を行います。SCP-961-JP-B2を着用した人物による発声演技の際、着用した人物の声帯は通常時とは異なる不随意痙攣を伴い、SCP-961-JP-Aのモデルである████████と似た声質になることが判明しています。

SCP-961-JPが財団に補足されたのは、「女性を轢いたら男性二人になった」という内容の通報によるものです。通報を受け、所轄の消防署に潜入していたエージェントが現場に向かったところ、SCP-961-JP-Bを着用した男性2名と、破損したSCP-965-JP-Aが発見されました。SCP-961-JP-Bを着用していた2名の男性の身元を調査した結果、近隣のアマチュア劇団クレイジィ・キャッツアンドドッグスの関係者であることが判明しました。また、SCP-961-JP-Aも当劇団に所属する女優の████████をモデルにしており、かつ彼女が行方不明であることも判明しました。劇団クレイジィ・キャッツアンドドッグスの主催者である████氏へのインタビューにより、死亡した████████の代役としてSCP-961-JPの製造を布袋劇団福神座へ依頼し、劇団員2名にSCP-961-JP-Aを操作させていたことが判明しました。SCP-961-JPの収容後、████氏の自宅で回収された福神座の広告物に記載された連絡先への調査を行いましたが、この数年使用されていないことが判明しました。

SCP-961-JPの類似オブジェクトが新たに製造される可能性がある為、全国の劇団に対する定期的な広告物の調査が行われていますが、現在まで福神座との直接接触には成功していません。

補遺:
インタビュー記録

対象: 劇団クレイジー・キャッツアンドドッグス座長████氏

インタビュアー:石屋博士

付記: ████氏に対する第█回目インタビュー。事前のインタビューと精神鑑定により、対象は記憶操作を受けていないことは確認済み

<録音開始>

石屋博士:それでは████さん、今回も協力お願いします

████氏: ああ…でも、なんだよ…もう全部話しただろ

石屋博士:今回お話していただきたいのは、SCP-961-JPの入手に至った経緯についてです

████氏: また、あの人形か…ああ、分かった、何度でも話してやる

石屋博士:ありがとうございます

████氏: 俺があの人形を福神座に作ってもらったのは、████████の代役にするためだった

石屋博士:なぜ、代役が必要になったのですか

████氏: 公演直前の舞台があって…

石屋博士:正確にお願いします

████氏: 分かった…分かった、全部言う。████████が死んだ、いや俺が殺した。殺してやった。あの女、カンノン1のくせに、ちょっと主演に据えてやったぐらいで自分が俺の劇団を支えてるとか言い出しやがって…

石屋博士:経緯については以前伺いましたね。その後の行動についてお願いします

████氏: ああ、それで俺は、前に…なんかでもらったチラシを思い出したんだ。あれだ、福神座とかいう劇団のチラシだ。人形劇から代役までなんでもOKって書いてあったのを思い出して、すがる気持ちで電話を掛けたんだ

石屋博士:電話で応対したのは、どのような人物でしたか?

████氏: さあ、よく覚えていないけど…確か、女だったと思う。事務員っぽい平坦な声だった

石屋博士:通話の内容は?

████氏: どんな依頼内容かと、こっちの住所を聞くだけだった。公演中の劇の主演女優が出られなくなったから、代役を立てたい、って頼んだ

石屋博士:通話内容はそれだけですか?

████氏: ああ、後は『すぐに伺います』とか『モデルの写真とビデオを用意するように』なんとか、そんな感じだった

石屋博士:通話後、あなたが依頼した相手はどれほどして現れましたか?

████氏: すぐだった。いや、具体的な時間は覚えてないけど、その…████████を風呂場に片づけている間だったから、三十分も経ってなかったと思う

石屋博士:人数はどれほどで、どのような作業をしましたか?

████氏: 二人だ。身長は俺と…同じぐらいだったかな?顔はあまり覚えていない。とにかく、そんなに早く来るとは思わなかったから、████████の写真何枚かと稽古の時のビデオを渡したんだ。そしたら二人は、「明日のこの時間に届けるから、操作者を二人よういしてほしい」と言って帰って行った

石屋博士:二人がどういう交通手段を取ったかは覚えていますか?

████氏: 全くだ。風呂場を見られないようにするので頭がいっぱいで、連中が玄関から離れたところでドアを閉めてしまった

石屋博士:それでは、翌日の行動は?

████氏: ああ、とりあえず████████をトランクに積んで、稽古場に行って、他のメンバーに「████████がプッツンして飛び出していった」って説明した。████████の付き人というかマネージャやってた████と下っ端の████2に探しに行かせて、夜に俺の家に報告に来るように伝えたな。あとは、████████がいないだけでいつもの稽古だった。その後、夜に二人が俺の家にやってきた後で、福神座の連中が現れた。たぶん、前の日に来たのと同じ二人組で、今度はやたらデカい鞄を持っていた。

石屋博士:大きな鞄ですか?

████氏: ああ、俺でも楽に入れそうなぐらいの、立派なスーツケースみたいな鞄だ。二人は大して重くもない様子で鞄を俺の部屋に運び込んで開いたんだ。中には、████████によく似た人形が腰の辺りで二つ折りになって詰め込まれていた。そして、████と████を残して俺は出ていくよう言われた

石屋博士:それはなぜですか?

████氏: 「人形の操作の指導のため」だとさ。俺としては████████を捨てに行く必要があったから、むしろ出ていかされるのは好都合だった

石屋博士:████████の処分から帰ったのは、どれほどしてからですか?

████氏: [編集済]までだったから…全部で2時間ぐらいかな?戻ってみたら、福神座の連中はすでに帰っていて、████████が…いや████████の人形が部屋にいた

石屋博士:████さんと████さんの二人の姿は?

████氏: 分からなかった。████████の人形を二人が操っているっていう前知識はあったのに、████████が生き返って立っているようにしか見えなかったんだ

石屋博士:お二人に人形の操作を中止するよう求めたりはしませんでしたか?

████氏:言った。でも████████が「はぁ?何言ってんの」 とか言うだけだった。実際のところ、さっき捨てに行った████████は偽物で、目の前にいる████████が本物だったんじゃないかとか、前の日からの事は全部夢だったんじゃないかと段々思えてきたんだ

石屋博士:その後、どうされましたか

████氏: ████████を家に帰して…いや、違う。████████の人形と操作をしている二人を、████████の家に行かせたんだ。それで翌朝、稽古場に顔出したら████████の人形も現れて、いつものように稽古をした。そして何日か過ぎて、公演を迎えて…事故が起きた

石屋博士:事故までの間、不審を覚えられたりしませんでしたか?

████氏: いや、誰も疑いもしなかった。それどころか、████と████の二人が姿を現さないことも、あまり気にしていないようだった

石屋博士:あなたが████████さんの人形の制作を依頼した団体からは、その後接触はありましたか?

████氏: いや、なかった。そう言えば、身代わりを作るにしても代金を要求されたりとかは無かった…あ、いや

石屋博士:何か求められたのですか?

████氏: いや、████████の写真とビデオ、返してもらってなかったのを思い出しただけだ


<録音終了>

終了報告書: インタビュー後████氏を警察に引き渡す予定だったが、拘束期間及び関連する情報操作のコストを考慮し、Dクラス職員として雇用した。████氏の主催する劇団は、借金による主催者の失踪というカバーストーリーの頒布に伴い解散した

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