SCP-965
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アイテム番号: SCP-965

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-965は少なくとも6枚の、少なくとも15センチメートル×30センチメートルの寸法を有する透明なガラス(もしくは同等の物質)で構成された、枠にはめ殺しで設置された窓(以降、SCP-965-1と呼称)に収容します。SCP-965-1は甚大な地殻変動に耐えられる環境制御型保管施設に設置することとします。SCP-965-1は少なくとも週1回、材質の劣化がないか検査してください。常時、少なくとも2つの同等の構造の窓を、防音材と断熱材を施した別々の部屋に設置し、それらの窓とSCP-965-1の間に幅14センチメートル以上もしくは高さ29センチメートル以上の寸法の窓ガラスを置いてはなりません。研究の場合以外で職員がSCP-965の収容室内にいるとき、室内の明るさは少なくとも130カンデラを常時保つようにしてください。

SCP-965がSCP-965-1に収容されている際に間接的手段によってSCP-965-1を破壊した場合は、SCP-965の動きを制御することは不可能となり、SCP-965はEuclidレベルの脅威に格上げされます。SCP-965をより恒久的に収容する方法の研究は現在進行中で、クリアランスレベル1の職員による個別の実験はレベル3管理職員の承認があった場合に実行されます。

説明: SCP-965は窓の中に出現する視覚的現象です。この現象は、窓の向こうにいる青白い肌の男性のように見える暗い顔という形状を取ります。その向いている方向や年齢などの細かな詳細はさまざまに異なっていますが、詳細な観察によればそれは一人の同じ人間の、生涯におけるさまざまな時点の姿であり、その期間はおよそ10歳から55歳までのものであるとされています。SCP-965と一致する個人に関する研究はこれまでのところ結論が出ていません。

SCP-965は窓の「外側」の相対的光量が5カンデラを下回った場合にのみ出現し、「内側」の光量には左右されません。こうした言い方はこの顔が完全に組み立てられた窓にのみ出現するために使われますが、その出現に際して窓が壁面に設置されている必要はありません。これまでのところ、SCP-965は意図的に窓ガラスから別の窓ガラスへ移動する能力を見せておらず、それは同じ壁にある窓であっても同様です。現在のSCP-965-1を破壊した場合にのみ新たな生息場所を得ることが可能で、新たな生息場所がSCP-965-1として再分類されます。この顔はSCP-965-1の外側からのみ視認できますが、その2次元的な性質にも関わらずその様子は「離れたところから、部屋の中を見ている」というように描写されます。

SCP-965によって引き起こされる初期の影響として、不安、緊張および低強度の妄想症が報告されています。こうした症状は現象を視認可能な範囲内にいる人間すべてに発生し、それは窓が(カーテンなどで)隠蔽されていても同様です。SCP-965が発見された家屋の住民が不眠症を患っていたという報告に基づいて、Dクラス職員をSCP-965-1が設置された部屋で睡眠させるという実験が行われました。SCP-965が視認可能な場所で眠った人物は必ず不穏な内容の夢を見ることとなり、その内容は何かに追われたり、攻撃されたり、苦しめられたりするものですが、夢の中で物理的接触が行われることはありません。

同じ被験者に繰り返し実験を行うと、最低3回から多くとも10回までの夢のサイクルを経過した後に病的な症状が現れ、SCP-965は通常より明らかな笑みを浮かべるようになります。この時点以降、被験者は胸やけや腹部の痛みを訴え、しばしば吐血や血便が起こるようになります。これは被験者が潰瘍を患ったり低強度の出血を消化管のさまざまな部分で起こしているために発生するものです。SCP-965は強いストレスや恐怖に対する人体の反応を人為的に増加させ、こうした症状を引き起こしているという仮説が立てられています。

この段階よりさらに進行した被験者は、夢の中でも繰り返し窓の中の顔を見るようになること、またSCP-965の付近から離れて起きている間にも周辺視野に顔が見えることを報告します。そのほとんどは低強度ながら永続的な妄想症の兆候で、見られたり追いかけられたりするような感覚が起こることもあります。これがある種の残存性の効果であるのか、それともSCP-965が精神に影響を及ぼしたことによる心的外傷の標準的症状であるのか、現在研究が行われているところです。

SCP-965はこれまでに音を発生させたことはなく、またSCP-965実体が出現後になんらかの動きを見せたことも報告されていませんが、消失を経てから異なる姿勢で再出現することは自由に行えるようです。SCP-965はまた、知性の兆候を見せており、誰もいない部屋に出現した際は失望の様子を見せ、以前にSCP-965-1を破壊した人間の前に現れたときは苛立ちや怒りの様子を、またその初期収容に参加したエージェント███████を見た際には恐怖の様相を呈したこともありました。

補遺: 事件965-1: 19██/██/██、SCP-965-1に対する定期的破壊試験により、複数のガラスで構成された窓は複数の拘束領域としての効果を持っており、その窓の構造全体に十分な損害を与えるとその窓のどのガラスにも再出現が行われないことがわかりました。残念ながらSCP-965は隣にあった実験室の観察窓に出現しました。財団の備品に対する高度な要求水準のため、この再出現への対処には窓の完全な撤去と戦術レベルの爆破装置による破壊を必要としました。この事件以降1か月の間、SCP-965はきわめて敵対的な様子を見せました。

補遺: 事件965-2: 20██/██/██、L██████博士はSCP-965に関する業務からの配置転換を要請しました。報告では彼女はSCP-965の姿を見始めており妄想症の症状が現れ始めているということでしたが、それらは睡眠中に影響を受けた場合の症状であるにも関わらず、彼女はSCP-965の出現する場所で眠ったことはありませんでした。L██████博士は一時的に職務を解かれ、精神的治療を受けています。その付近で眠っていない人間にも影響を与えるSCP-965実体の存在は他には報告されていません。

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