SCP-969-JP

 

評価: +33+x

アイテム番号: SCP-969-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-969-JPはサイト-81FA内、第三棟のSCP-969-JP専用区域の収容室に収容されています。SCP-969-JPの収容される区域はD-701以上の遮音性能を維持され、収容室内へ入る人員は指定のクラスⅣ防音装備を装着する必要があります。

SCP-969-JP-1に暴露した被害者の治療は、クラスF記憶処理手順の利用を含む催眠療法により行われます。担当医師は手順庚-178"躾直し"を参照してください。

第三棟内に配置される人員は毎日担当医師による精神鑑定を受け、問題がある場合は直ちに手順庚-178が実行されます。この人員は担当医師を含め、月毎のシフトで交代されます。

説明: SCP-969-JPはおよそ150Lの自発的に活動、変形する黒色の粘液の集合体です。壁や地面に貼り付いて常に移動し続けています。採取されたサンプルは異常性を持たない通常のインクへ変化しました。

SCP-969-JPは不定期に音声(SCP-969-JP-1)を発します。SCP-969-JP-1は人間の聴覚において、常に男性が未知の言語を不明瞭に話しているように認識されます。SCP-969-JP-1を認識した被験者はいずれもが不安を訴えました。SCP-969-JP-1を認識した対象は以後、自宅、もしくはそれに準ずる生活空間において下記のような種々の幻聴を報告します。

  • 非常に大きないびき。
  • 流水音。
  • 男性の咳及びくしゃみ。
  • 激しい足音。
  • オイルライターを擦る音。
  • 鍵が開く音。
  • 男性の笑い声と、不明瞭な音声2
  • 飲料缶のプルタブを開ける音。発泡酒であると推察される。

対象は自宅にいる間苦痛を感じ、積極性を著しく欠くようになります。自宅からの外出、他者との会話を始めとして、給水・排泄等の生命維持活動を含むあらゆる意識的な活動を限界まで行おうとせず、必要な場合も周囲に注意しながら恐怖を伴って実行します。発見された全ての対象は、一日のほとんどを自宅内における自らのパーソナルスペースから出ずに過ごしていました3。強制的な自宅からの退去や転居は一時的に被験者を回復させますが、新たな自宅で間もなく症状は再発します。

また、SCP-969-JPは自身を内包する建造物内の人間の一部にも、緩慢に進行する軽度の影響を及ぼすと考えられています。影響の対象となる条件は不明です。

この影響の対象となった人間は徐々に他者に常に怯えを持って接し、他者が発する生活音、特に足音に恐怖するようになります4。影響の結果として、対象は殆どの人間関係を徐々に自ら破棄します。SCP-969-JPを含む建造物にいる間対象は苦痛を感じますが、その外へ出ている間は罪悪感に近い感情を抱くようです。

この影響はSCP-969-JPの収容から3年経過した後に発見され、影響を受けた██名の職員は治療を受けました。SCP-969-JPをサイト-8153から新設されたサイト-81FAへと移送し、最低限の設備のみを有した第三棟に隔離しました。

いずれの場合であれ、対象の治療に有効な唯一の方法は、幼少期の記憶の完全な破壊です。

補遺: サイト-8153での相次ぐ精神異常被害の治療経過について、琳谷博士のレポート(未完成)

医療部門より、成功の報告です。

私はサイト-8153へ訪れ、ここで起きているいくつかの精神汚染事例の治療及び探究を試みました。通常通り、彼らと面接をしながら色々な薬物療法を試し、外の精神科で処方される薬が効果をなさないとわかると記憶処理薬で記憶の破壊を試みました。ですが、患者のいずれにも単純な記憶処理は無意味でした  サイト-8153に滞在していた期間の記憶ではなく、より深層の記憶に影響を及ぼされているようです。

ですので、私は記憶改竄の手続きを取りました。彼らを催眠状態にし、一つ一つ彼らの思い出を語らせながら、適所で記憶処理薬を投与し、新たな記憶を吹き込む作業です。

異常な影響が見られたのは幼少期の記憶でした。患者は全員がそこに恐怖を報告し、煩く、荒々しく、そして巨大な影の存在が彼らの家庭の記憶にちらついていました。影がいる間、彼らはじっと息を潜めてそれが通り過ぎるのを待っていたと報告しました。その影は明らかに現在の彼らの状態へ関与しているようでした。

私は薬剤を投与し、そんな影はいなかったと言い聞かせ、平凡な家庭の記憶を植え付けようとしましたが、強硬な抵抗を受けました。

彼らは影に恐怖を覚えながらもその庇護下にあろうとし、潜在意識では影に頼ろうとしていたのです。私は改竄を諦め、より強い手順と催眠でその記憶だけを徹底的に破壊することにしました。私は[検閲済]

治療は完

根本的な人格矯正、もしくは

他人に対

てきた

ごめんなさい。

琳谷博士はレポートを作成していたオフィスにおいて死亡していました。現場の状況と博士の頭蓋骨の陥没から、博士は自ら頭を掴み、壁や机に強く頭を叩き付けて死亡したものと推定されています。琳谷博士の臍周辺から胸部の皮膚には、博士自身によって多数「家庭の平穏」というインクの文字列が書かれていました。同じ箇所に博士自身によるものと思われる殴打の痕も確認されています。琳谷博士のデスクは物が散乱しており、レポートの不自然な編集からも死亡直前の博士が極度に錯乱していたことが予測されます。職務は諸知博士に引き継がれ、異常性の特定と治療手順の検証が完了した後に収容プロトコルが改定されました。

琳谷博士の死亡推定時刻、SCP-969-JPは大きく変形しました。

14030174693_fbaa79fbe8(1).jpg

変形したSCP-969-JP

補遺-2: SCP-969-JPは、大阪市のアパートメントの一室で発見されました。以前の居住者の所在は不明です。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。