SCP-972-JP
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アイテム番号: SCP-972-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-972-JPは、元々の生息地を再現したサイト-81██に収容されます。サイト-81██の建材には金属を使用しないで下さい。SCP-972-JPに対する実験は無期限禁止となっています。SCP-972-JPには食餌として、廃材の鉄・アルミニウムその他希少価値の低い金属を与えてください。

説明: SCP-972-JPは異常な性質を持った鯨偶蹄目シカ科(Cervidae)の生物の総称です。後述する特異な身体構造以外は、アカシカ(Cervus elaphus)と酷似した習性を持ちます。

SCP-972-JPは異常な咬合力と消化能力を有しています。一部のシカが木の皮を剥して摂食するのと同様の方法で、SCP-972-JPは岩石や金属などを噛み砕いて摂食することが可能です。検証の結果SCP-972-JPの歯は傷がつかず、高い靭性をもつ物質をも噛み砕くことが可能です。硬度を測る試みは全て測定器の破壊という結果に終わっています。噛み砕かれた物質は、食道を傷つけることなく消化器官へ到達し、未知の手段で消化されます。消化の方法を調べる実験は全て失敗に終わっています。SCP-972-JP個体の死体から異常な酵素やバクテリアは確認されませんでした。また、摂食出来るものに制限はなく、コンクリートや石油製品、放射性物質など本来有毒とされる物質まで問題なく消化吸収されます。SCP-972-JP全体の傾向として、鉱物を摂食する事を好み硬度の高い物を優先します。

SCP-972-JPが消化吸収した成分はそのままエネルギーになる他、角の部分を摂食した物質で構成します。形成された角は元となった物質の性質を有しており、通常のシカの角と同じように生えています。SCP-972-JPは1度摂食したものと同じものを食べ続ける傾向があり、形成される角は意図的に別の物を与えない限り変わりません。どのようにして角を形成しているかは不明で、その物質特有の性質や重量によってSCP-972-JPが影響されることはありません。また、通常のシカ同様1年周期で角が生え替わり、新たな角を形成していきます。抜けた角はどのSCP-972-JP個体も摂食する様子が見られませんでした。

SCP-972-JPはシカの同性間淘汰と同じく、雄同士が互いの角をぶつけ合います。金属の角を持つ個体がそれを行うと火花が発生します。SCP-972-JPの生息地と思われる██県の██山が山火事によって焼失し、痕跡から原因だと確立されました。

現在確認されているSCP-972-JP個体の抜粋

実験により変化した個体

飼料: 廃材として回収した鉄パイプ

摂食: 問題なく摂食した。

形成された角: 鉄で構成された一般的なシカの角。金属光沢、電導性が確認できた。

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鉄製の角を持つSCP-972-JP

飼料: 天然の石英

摂食: 問題なく摂食した。

形成された角: 石英の形を無視してシカの角が形成されている。針入り水晶1でも実験を行って、こちらはインクルージョンの金紅石が再現されていることが確認された。

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水晶の角を持つSCP-972-JP

飼料: アルミニウム、鋼、ニッケルを同時に与える。

摂食: 問題なく摂食した。

形成された角: アルミニウム合金の角が形成された。別々の物質を摂食した場合は混ぜ合わせた物を生成するようです。

飼料: ガラス

摂食: 摂食を拒みました。無理に口に入れた場合は問題なく摂食しました。

付記: 石油製品やその他人工物でも同様にSCP-972-JPは興味を示しませんでした。

発見された個体

角の素材: アスファルト

付記: 民間人の通報により確認。山道のアスファルトを食べていたと思われる。
山道で野生動物の車の衝突が多発しています。安全運転を心掛けてください。

角の素材:

付記: 表面にはアダルト雑誌の内容が確認された。発見者を尋問したところ、SCP-972-JPの異常性を理解しており、ゴミ処理として利用していたようだ。
野生動物がゴミの誤食により死んでしまいます。出たゴミは必ず持ち帰って下さい。

角の素材: 石膏

付記: 石膏は精巧に彫刻が施されていた。この個体は後述する密猟者によって取引されていた模様。
角や剥製欲しさに今までどれだけのシカが犠牲になってきたのでしょう。心が痛みませんか。

角の素材: マリファナやコカインなどが混合された固形物

付記: 薬物の取引に使われていたと思われる個体。特定のルートを歩くよう調教されている。
ダメ、ゼッタイ。

角の素材: 馬の脚

付記: 摂食の経緯は不明。馬の脚は生きており、SCP-972-JPの意志で動く。生物を摂食した場合、そのまま生物の部位が生えることが確認された。
馬鹿

補遺: SCP-972-JP収容時、その異常性によって一部の密猟者から存在を認知され、角や剥製が高価で取引されていました。流通されたSCP-972-JPの物品の購入者にはカバーストーリー「非常に精巧な芸術作品」を流布しています。密猟者、流通業者にはクラスA記憶処理を施し警察に引き渡しました。SCP-972-JPはこの事案により個体数が減少しています。
以下は密猟者が所持していた写真、生け捕りにされていたSCP-972-JP個体の情報です。

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ルビーらしき角を持つSCP-972-JPの写真
tedeer.jpg
この個体は食餌を与える許可が下りなかったので終了されました。
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