SCP-977-JP
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rocket

SCP-977-JP群が乗り込む探査機の画像。機器を通して撮影されている。

アイテム番号: SCP-977-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-977-JP群には有効な収容手段が存在しません。SCP-977-JP群の行動はDクラス職員を用いて常に遠隔から監視してください。SCP-977-JPへの連絡にはセキュリティクリアランス3以上の職員の許可を得てから行ってください。

説明: SCP-977-JPは宇宙開発事業を行うウサギのぬいぐるみのように確認されるクラスФ1霊体1群です。SCP-977-JP群はそれぞれ自律的に行動し、大きさはおおよそ20~40cmほどです。SCP-977-JP群は██県の██山中に拠点を構えていることが確認されており、SCP-977-JP群の活動を観測することが可能です。拠点自体は実際の物質で構成されています。しかしながら、内部に一切の設備が見られないことからSCP-977-JPが活動に用いているすべての物品は霊的物質であると推測されます。

拠点内ではSCP-977-JP群により有人探査機2の製作、及びそのために必要な計画の立案、調査などが行われています。これらのイベントは日常的に行われていますが、おおよそ半年に1度、SCP-977-JP群による『打ち上げイベント』が発生します。

『打ち上げイベント』では、おおよそ15m程度の有人探査機が工場から運び出され、発射台に設置されます。その後、3体のSCP-977-JPが探査機に乗り込み、全SCP-977-JPが見守る中で探査機が発射されます。しかし、現在におけるまで『打ち上げイベント』により発射される探査機が大気圏を突破した事案はありません。3飛行距離はイベント毎に緩やかな増加を見せているものの、実際に宇宙空間に探査機が到達するまでには短くとも███回のイベントが必要と推測されています。

発射される探査機を観測した結果、構成物質は布、毛糸などと類似したものであると推測されました。また、SCP-977-JPの総数が減少していないこと、同様の特徴を持ったSCP-977-JP個体がイベント後にも確認されていることから何らかの手段で帰還しているものと思われます。

以下はSCP-977-JPの拠点の外壁に記載されていた電話番号へ、電話をかけた際に行われた職員とSCP-977-JP個体の音声記録です。

音声記録977-JP

インタビュアー: 阿仁博士

対象: SCP-977-JP


[記録開始]

阿仁博士: もしもし、こんにちは。

SCP-977-JP: こんにちは!こちらJAuXAジャウサ4宇宙開発ステーションです!ご用件はなんでしょうか?

阿仁博士: そちらで、宇宙開発を行っているとお伺いしたのですが、どのようなことをなさっているのかお聞きしてもよろしいでしょうか?

SCP-977-JP: もちろん!私達は公益性のある事業を行っていますから、外部秘密の技術情報以外ならなんでもお答えします!

阿仁博士: ありがとうございます。まず、あなた方は探査機を開発していますよね。

SCP-977-JP: はい!有兎宇宙探査機の開発をしています!

阿仁博士: それでは、まず探査機を製作している理由をお伺いしてもよいですか?

SCP-977-JP: ええ!それは月に行くためです!

阿仁博士: 月に行って何をするのですか?

SCP-977-JP: それはもちろん、餅つきです!

阿仁博士: 餅つき?月面の調査などではなく、餅をつくためだけに月に?

SCP-977-JP: そうです!うさぎは月で餅をつくものと相場が決まっているじゃないですか!それ以外に何の理由があると言うんですか?

阿仁博士: なるほど……。わかりました。

SCP-977-JP: はい!他に何か質問はございますか?

阿仁博士: ██山中以外に拠点は存在していますか?

SCP-977-JP: いいえ!JAuXAが拠点として活用しているのはこの施設だけです!

阿仁博士: なるほど、ではそちらの施設を見学させて頂いたり、材料について調べさせて頂くことは出来るでしょうか?

SCP-977-JP: うーん、それは情報流出の危険があるため出来かねます。申し訳ありません。

阿仁博士: いえいえ、やはり開発途中とあればそういうこともあるでしょう。気になさらないでください。

SCP-977-JP: ごめんなさい。でも、代わりに1つ!月への飛行技術を学ぶ副産物として無兎探査機の計画をしています!いつかお見せすることができるかもしれません!

阿仁博士: 無人探査機、それは楽しみですね。

SCP-977-JP: ええ!無兎探査機『はやうさ』の活躍をお待ちください!

阿仁博士: ええ、楽しみにしています。本日は質問に答えていただきありがとうございました。

SCP-977-JP: こちらこそ!どうもありがとうございました!

[記録終了]

補遺: 第██回打ち上げイベントにおいてSCP-977-JPの新たな異常性がある可能性が示唆されました。以下はその時の音声記録です。

[抜粋開始]

阿仁博士: それではD-1782、監視するオブジェクトの動向について述べてください。出来るだけ詳細にお願いします。

D-1782: この望遠鏡でロケットのあるとこを覗けばいいのか?

阿仁博士: そうです。

D-1782: 了解、ちっちゃいロケットだな。10mぐらいか?

阿仁博士: そのロケットが発射され、墜落したら今日の仕事は終わりです。

D-1782: なるほど、墜落なんて縁起が悪いな。おっ、大量にぬいぐるみが出てきたぞ。全部ピンクのうさぎだ。

阿仁博士: 予定通りですね。

D-1782: 宇宙服を着た奴もいるな。アイツらがロケットに乗り込むのか。

阿仁博士: 宇宙服を着たぬいぐるみは何体いますか?

D-1782: 3体だな。

阿仁博士: ありがとうございます。

D-1782: ……なぁ先生、1個質問してもいいか?

阿仁博士: 私語は慎むようお願いします。

D-1782: いや、ちょろっとで終わるんだよ。良いだろ?

阿仁博士: ……観察が終わってからなら許可しましょう。今は報告に専念してください。

D-1782: そうか、サンキューな。

[中略]

D-1782: 宇宙服を着たぬいぐるみがロケットに乗り込んだぞ。

阿仁博士: 今回は少し時間がかかりましたね。誤差みたいな物ですが。

D-1782: おっ、カウントダウンだ。5、4、3、2、1……飛んだ。

阿仁博士: どのような様子で飛行していますか?

D-1782: どのようなって言われてもなぁ。普通に…… [爆音] いや、今爆発したな。墜ちてく。

阿仁博士: いつも通りです。落下したロケットの確認はできますか?

D-1782: 森の中に入っちまった。見えない。発射台のすぐ近くかな。

阿仁博士: なるほど、了解しました。よし、これで今日は終わりです。お疲れ様でした。

D-1782: どうも、じゃあさっきの質問、してもいいか?

阿仁博士: 構いませんよ。どうぞ。

D-1782: あの月に行くぬいぐるみはなんでうさぎなんだ?月の模様っていったらカニだってイタリアのばあちゃんからよく聞いてたぞ?

[抜粋終了]

前述の報告を受け、SCP-977-JP類似案件についての報告を行ったところ、各国支部からも同様の異常性を持ったオブジェクトの報告がありました。以下はそのリストです。

地域 確認された霊的実体
イタリア カニのぬいぐるみの霊的実体。1988年からの活動が確認されている。
アラブ首長国連邦 ライオンのぬいぐるみの霊的実体。2006年からの活動が確認されている。
インド ワニのぬいぐるみの霊的実体。1969年からの活動が確認されている。
アメリカ トカゲ、ワニなどの多数種類のぬいぐるみの霊的実体が確認されており、実体毎に活動開始時期も異なる。
中国 カエルのぬいぐるみの霊的実体。他実体よりも活動を秘密裏に行う傾向があり、調査は難航している。

調査の結果からそれぞれのオブジェクト群は互いの存在を認知しており、月面着陸の成果を競っていることが判明しました。また、未だ確認されていない実体が多数存在することも考えられます。

音声記録977-JP.7

インタビュアー: 阿仁博士

対象: SCP-977-JP


[記録開始]

阿仁博士: こんにちは。

SCP-977-JP: こんにちは!あっ、いつもの方でしょうか?お世話になっています!

阿仁博士: ええ、こちらこそ。お覚えいただき光栄です。

SCP-977-JP: いえいえ!今日はどういったご用件でしょうか?

阿仁博士: 先日、イタリアや中国でも同じような方々が宇宙研究をしていることを知りましてね。ご存じですか?

SCP-977-JP: もちろん!いろんな国の様々な機関の方々が宇宙研究をしていますね!

阿仁博士: そういった方々と協力して研究されることはあるのでしょうか?

SCP-977-JP: うーん、協力関係ではないです。誰が1番に月に行けるか激しく競い合っているライバルのような感じですね!

阿仁博士: 他に月を目指している方々もあなた方のようにそれぞれ目的を持っているのでしょうか?

SCP-977-JP: はい!共通の目的はあったりしますが、基本は自分たちが1番にたどり着いて達成したいことがあるからですね!

阿仁博士: そうですか……あの、共通の目的とはなんでしょうか?

SCP-977-JP: それは、月にたどり着いて自分たちのことを知ってもらうことです!

阿仁博士: そうすると、どうなるのですか?

SCP-977-JP: はい!世界中に自分たちの存在を知ってもらうことが出来ます!世界中の人たちに「月ではウサギが餅をついているんだ」と知ってもらうことが出来たら、とても素敵ですよね!

[記録終了]

月に到達するのがいつになるのか、そもそも自分たちが霊的実体であることを認識しているのかすらわからないが……まぁこちらから手出しは出来ないんだ。見ているしかないだろう。 — 阿仁博士

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