SCP-984-KO
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臨時セキュリティクリアランスレベル5閲覧権限が承認されました。

アイテム番号: SCP-984-KO

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-984-KOの異常特性を利用して対象の映像資料や関連記録を閲覧することは、セキュリティクリアランスレベル5に準ずる権限が要求されます。収容区域とバックアップデータの保管場所は、独立した有線通信網二つの他にはSCiPNETを始めとした如何なるネットワーク環境とも接続されてはなりません。各場所の座標はO5議員が直接保管し、新規職員の配置時にのみコピーを該当職員に書面で伝えた後、完全に焼却します。

収容区域の施設(以下、M施設)は、偽装会社社会コミュニケーション&個人ネットワーク(Social Communication&Personal Network)社の私設通信基地局に偽装します。SCP-984-KOの主処理装置区画とモニター区画、保存区画はそれぞれM1、M2、M3区画と呼称し、区画内の対象はこれに合わせて分類します。

データ保管所(以下、B施設)の計三ヵ所にM3区画から回収したバックアップデータ(以下M3-s)を保管します。三つの施設はSC&PN社の資料保管所に偽装し、それぞれB1、B2、B3保管所と呼称します。情報流出と汚染に備えてバックアップデータは一度コピーして元本やコピーを分散保管します。この原本は三つの保管所をローテーションで保管します。

SCP-984-KOの収容プロトコルを遂行する職員は標準精神鑑定によって良好判定を受け、忠誠度検査で最上級評価を受けた職員のみに限定されます。任務期間には外出、外泊が禁止され、施設内の宿舎で生活します。任務期間が終わった職員にはAクラス記憶処理が実施され、他の任務に配置されます。

関連施設に配置された研究員には、臨時セキュリティクリアランスレベル5の保安権限が与えられます1。3つの研究チームがM施設に編成され、各B施設に司書を配置し、施設に所属しているチームとは別のチームを一つ編成します。以下の各チームに対する指示事項はチーム主任研究員の許可の元、閲覧しなければなりません。

SCP-984-KOの情報が流出したり、施設が攻撃されたり、それに準ずる非常状況が発生した場合、全ての研究員は直ちにサイト-██連行されて尋問を受けなければなりません。拒否した場合には現場で射殺される可能性があり、財団の利益に反する行為をしたことが明らかにされた場合、直ちにAクラス記憶処理後にDクラスに降格されます。上記警告は配置前、全ての研究員に案内されます。

各施設にはセキュリティクリアランスレベル1以上のセキュリティ担当職員で構成された部隊が駐留しています。職員にはSCP-984-KOに関する情報を提供しません。偽装のために重火器は施設内部に密封保管し、職員は拳銃を常に携帯します。職員はSC&PN社の警備服を着用し、民間人が接近した場合には私有地であることを知らせて引き返させます。

施設に対する明確な攻撃が発生した場合、セキュリティ部隊は直ちに指定通信網に警報を鳴らし、準戦闘態勢に切り替えます。2つの分隊は駐留中の施設研究チームを本部に連行し、それ以外の全兵力は戦闘に突入します。防御が不可能な場合、直ちに施設を爆破し、内部の物体を完全に破壊した後に後退します。

説明: SCP-984-KOは[データ削除済]に位置している一連の高性能演算装置と入出力装置を含んだ施設です。施設や装置はMという一連のアルファベットを付与および呼称しています。最初の収容時に発見されたM3-sの年代から見て、SCP-984-KOが製作、設置および作動されたのは1960年代だと推定されますが、製作者とその目的は明らかになっていません。対象は当該年代に正常に製作することが出来なかった水準の電算装備が大多数を占めています。作動原理が明らかにされなかったため、移動させずに確保した位置に収容施設を建設しました。

施設内に存在するSCiPは次の通りです。物体は大抵、黒系統の色を持っています。

  • M1-01 : ██の大型コンピューター。外部からの電力供給がなく、ケーブルや無線通信などの相互接続が全く行われていないにも関わらず、スーパーコンピューターの動作メカニズムを完璧に再現し、推定される性能に比べて2倍速い処理速度を示す。各本体に付与されているラベルには諸国、組織などの名前がいくつか書かれている。
  • M1-02 : 3 m x 0.85 mの大型キーボード。262つの入力キーボードと5つのレバー、円形ボタンとダイヤルが付いており、接続されていないマイクが側面に固定されている。中央のQWERTY配列キーボードを除いて、内容表記が全く存在しないため用途は不明。M1区画からM2区画に通じる入口の直ぐ側に位置しており、最も近いM1-01との距離は2.5 mでM2-c1との距離は1.1 mである。
  • M2-M0001~M[編集済] : 製造会社が不明な4:3の16インチモニター。全体を指す時にはM2-Mと呼称する。端子がなく、外部への入出力が不可能に見えるのにも関わらず、M2-Mは国家や集団、組織、団体の指導人物の映像を再生し続けている。一部を除いて再生している人物の身元が各モニターの下段に記載されており、これはM1-01のラベルに書かれている団体と一致する。これを元にM2-Mの映像はM1-01によって処理されるものと推定されている。以下はM2-Mが再生している人物のリストである。
    • 206つの承認/未承認国の指導者
    • アメリカ合衆国副大統領、国防長官を始めとした米政府と軍司令部の決定権者
    • UNなどの国際機構と非政府機構指導者
    • 教皇などの宗教指導者
    • アルカイダ、タリバンなどのテロ集団首長
    • 主要大手企業の会長、オーナー
    • O5-1 ~ O5-13
    • 世界オカルト連合、カオス・インサージェンシーなどの要注意団体指導部
    • [データ削除済]
    • その他各種の組織や団体の長
  • M2-c1 : 高級事務椅子。M2-Mを一目で眺望することが出来る位置にあるが、乾いた血が大量に付着しており、5.56NATO弾の弾痕2発が背凭れに刻まれている。血痕は遺体と直ぐに分離して腐敗せず、徐々に乾燥したものと推定される。研究チームの不満を考慮して洗浄と撤去を図ったが、失敗に終わった。強制的に破壊しようとすると、M2-Mが点滅してM1-02が激しく発熱するなど無力化が懸念されたため、除去を放棄した。現在は元の状態に戻して上に布を被せた。
  • M3-01 : 1つの排出口を持つ高さ1.3 mの自販機形態装置。毎月末日、排出口を通じてM3-sが排出される。M3-sを接続して保存された映像を取り扱うことが出来るモニターが上段に備えられている。これを利用して映像、音声情報再生およびコピーが可能である。対象がM3-sをどのように生産するかは不明である。
  • M3-s : 一般的な形態の大容量外付けハードディスクであり、資料を保存する量は同サイズの市販機器より遥かに多い。現時点でM3-sの貯蔵容量は市販機器と大きく変わらない。しかし、M3-sの保存方式は現在の一般的な方式とは大きく異なり、一部分に初期的なタンパク質メモリが導入されているなど、依然として異常性を持っている。

M2-MとM3-sの情報は流出した場合、O5議員の身元が暴露される恐れがあり、SCP-984-KOの無力化が何度も建議されましたが、対象から得られる情報の有用性がリスクを抱えるほど大きいため、強力なセキュリティ手順を確立して徹底的に隠蔽することになりました。元のSCP-984-KO構造物の上に偽装ビルが建設され、研究員とセキュリティ担当職員の管理も最高レベルを維持します。

SCP-984-KO、特にM2-Mが出力する映像は地球上に存在するほぼ全ての大規模団体代表者のリアルタイム映像です。民間に知られている集団だけでなく、財団、世界オカルト連合(以下GOC)、カオス・インサージェンシーなどの指導者もSCP-984-KOを通じてリアルタイムで観測することが出来ます。現在、財団はこれを利用してベータ、ガンマチームの研究を通じ、スポンサーや要注意団体の正確な情報を獲得している。これを通じて追加支援を受ける予算は年間[データ削除済]ドルに達し、敵対集団の攻撃と作戦計画などを解き明かした事例も██回に達しています。

現在まで財団が把握している集団の内、SCP-984-KOで捕捉できない集団は非常に稀ですが、一部の例外があります。M2-Mの内、映像の人物の身元が記載されていないものが61つ存在します。これらの観察は可能ですが、全く意味がないため、リアルタイム観察対象から除外されています。また、首脳部が別途存在しない集団や個人は観察対象から除外されています。現時点で存在しない集団もSCP-984-KOを通じて観察することは出来ません。有意義な観察が不可能な要注意団体にはAlexylva大学、Are We Cool Yet?、黒の女王、ワンダーテインメント博士、ザ・ファクトリー、第五教会、ハーマン・フラーの不気味サーカス、「何者でもない」、マナによる慈善財団、-プロメテウス研究所、蛇の手、真昼の樫の木さすらい楽団があります。

  • 200█年、アルファチームの研究を通じてマナによる慈善財団を観察中のモニターが特定され、これからはいくつかの団体を観察可能だと期待される。

M2区画内のM2-M装置の中には作動しないものも多数存在し、これは観測対象の増加を念頭に置いた有余分だと思われます。実際、1981年にイスラム・アーティファクト開発事務局(以下ORIA)が組織されると、すでに観察対象だったホメイニを除いた高位指導者の映像がM2-M[編集済]で追加再生され始めた事例があります。

このように十分な量と質の映像が再生されるにも関わらず、SCP-984-KOは外部と完全に断絶されています。SCP-984-KOがどのように観察対象の映像を撮影するかは(または獲得するかは)明らかになっていません。

最初の収容当時、SCP-984-KOは約██ヶ月分のM3-sがM3区画ほぼ全体に満ちており、197█年2月10日に近辺を巡回していた潜入エージェント█████によって発見されました。長い間放置されたにも関わらず、M1、M2は完璧に作動しており、エージェント█████はこれがセキュリティクリアランスレベル5情報流出事態であることを把握し、直ちに対応チームを要請しました。迅速な対応により情報流出は発生しておらず、成功的に臨時収容プロトコルが施行されました。以降13ヵ月間の基礎調査を土台として正式に収容プロトコルが確立され、19██年ベータチームの研究規定変更、199█年デルタチーム創設、200█年偽装会社変更以降、現在の収容プロトコルが維持されています。

SCP-984-KOから獲得した情報を積極的に利用することによって、財団の情報力は非常に強化されましたが、敵対団体の注目を集めるようになりました。GOC、カオス・インサージェンシーを始めとした団体は高度な情報が流出していることを確認し、独自調査を行いました。正確な情報は確認されませんでしたが、高度な情報を引き出す異常な電算設備の存在を確認したと推定されます。確保後、SCP-984-KOによる衝突は合計██回発生しており、事件984-KO-47ではほとんど収容違反の直前まで到達しました。このような情報戦に積極的に対応するための計画が実行されました。詳しい内容は下記に添付された事件記録を参照してください。

事件記録984-KO-47

199█年11月28日午前11時32分、カオス・インサージェンシーは財団がSCP-984-KOを通じて自分達を監視していることに憤っている内容の書信を送ると同時に攻撃を開始しました。書信には彼らが把握したSCP-984-KOの特性が記載されており、これには非常に正確な内容が書かれていました。最高クラスの機密を維持していたことにより、カオス・インサージェンシーは施設の位置を正確に把握出来ていなかったため、財団施設に直接的な被害はありませんでしたが、B2保管所から20 m離れた民間のホスティングサーバー施設が攻撃を受けて完全に破壊されました。当該攻撃は事件後、白人優越主義集団テロとして報道されました。

状況終了と共に収容プロトコルに基づき、全ての研究員を審問した結果、B1施設の先任研究員だった███博士が許可されていない情報にアクセスしてSCP-984-KOの情報を入手しており、施設の推定座標と共にカオス・インサージェンシーに伝達していたことが判明しました。位置情報が別途に保管されていたため、博士は正確な座標を認知することが不可能でしたが、財団車両の移動情報により位置を推定したと供述しました。博士は記憶処理後、Dクラスに降格されてSCP-173の収容プロトコルに投入されました。この事件以降、財団車両のブラックボックス、GPS情報の機密クラスが上方修正され、関連したプロトコルが改正されました。

カオス・インサージェンシーの攻撃は失敗しましたが、この事件によってGOCを始めとした様々な要注意団体は、以前まで単純に推定していただけのSCP-984-KOの存在と特性を確実に把握することになりました。2週間M2-Mで観測した結果を踏まえると、彼らはしばらく公式活動を減らし、情報収集に尽力していました。SCP-984-KOに関する脅威が刻々と増大していくことにより、O5評議会はデルタ計画を採択して対応に乗り出しました。

デルタ計画に基づいて既存の潜入エージェントの中で、別途の任務を持たない職員を集めて機動部隊デルタ-1"兄弟団"を組織しました。これは潜入部隊であるデルタ-1と参謀部隊のデルタ-2で構成されました。デルタチームは緻密に逆情報を構成してカオス・インサージェンシー、GOC、ORIAなどに接触し、この事件によってSCP-984-KOが無力化されて███博士は処刑されたという情報を提供しました。

この案は完璧に成功してSCP-984-KOに対する探知努力が著しく減少し、各施設に対する攻撃の試みも著しく減少しました。任務を成功的に全うしたデルタチームには成果給が支給され、6ヵ月の経過観察後に解散されることが決定しました。

事件記録984-KO-48

事件984-KO-47から5ヵ月が経過した199█年4月30日午後2時55分、GOCの新たな作戦文書が撮影されたことをベータチームが観測して報告しました。映像精密分析結果、中国██省にてGOCが入手した高危険SCiPを破壊しようとする計画を確認し、当日に現場を急襲して対象を確保することが出来ました。これはSCP-███に分類され、成功的に収容されました。

以降、M2-Mで確認された映像によるとGOC指導部は大混乱に陥っており、内部でも機密計画が発覚した原因を見つけ出そうとしていました。GOCは財団がSCP-984-KOを復旧したり、代替したり、他の盗聴手段を確保したものと暫定結論を下し、正確な情報を得るまで潜伏することを決議しました。

この事件によりGOCの活動が目に見えて減少しましたが、財団データベースに対する侵入の試みは二倍近くまで増加しました。これに対処する方法が必要だという意見に従い、デルタチームの解散手続きは無期限延期されました。

事件記録984-KO-49

20██年[時間情報削除済]、カオス・インサージェンシーとORIAが接触する所をベータチームが捕捉しました。ガンマチームの判断により該当モニターの音声を再生して分析した結果、中東地域で財団が確保したSCiPを奪取するために協力を約束した所を確認しており、直ちにO5総会が召集されました。事件48の事例により機密のために黙認するという見解もありましたが、敵が準備を終える前に会合場所を急襲することが最も効率的で妥当な対応ということで合意が行われました。

ガンマチームが9日にわたって研究した結果、会合場所を特定し、その翌日にUIUと財団所属の3個小隊が会合現場に突入しました。両団体の指導部は逃走しましたが、カオス・インサージェンシー所属██人を逮捕し、█つのSCiPを確保しました。

各団体から即刻的な反応が観察されました。GOCは緊急指導部会議でSCP-984-KO無力化の真偽を再び論議し、カオス・インサージェンシーとORIAは財団データベースにハッキングを試みました。境界線イニシアチブも事態を注視しており、ロシア連邦軍参謀本部情報総局"P"部局からも所見を問う書簡が配送されました。蛇の手で活動していたデルタ-1所属の潜入エージェント████████は蛇の手がSCP-984-KOの事件などの捜索を試みていると報告しました。

O5評議会はデルタチームの活動再開を決議しました。デルタチームは49対応作戦を確立し、新たな代案シナリオを作成してSCP-984-KOの無力化を疑う団体に不規則的に提供しました。現在、新たなSCP-984-KO"ビック・ブラザー"2を通じて要注意団体の情報を獲得しているという情報が最終的にGOCに伝達され、作戦が終了されました。作戦は成功的であり、敵対勢力の関心は口髭人間型オブジェクトを追跡することに集まりました。

個人記録α1-026

SCP-984-KOを研究して多くの疑問を持つようになったが、個人的にはこれを作った者たちの最後が知りたい。
不明な方法で全ての技術的限界を無視し、このような素晴らしい装置を作り上げ、全世界の首長を一目で見守る権能を手にしたが、やはり不明な理由で結局その権能を得られないまま悲劇的な最後を迎えた人々がいる。

全てのスクリーンは、中央の椅子で見やすいように配列されている。M2-c1が大きなサイズで作られていることから、きっとこの主は風采良い裕福な男性だったのだろう。世界を動かす人々を誰も知らない場所で見ながら、その人間群像に歪んだ笑顔を送っていたのだ。

彼の個人的な野望を実現させてくれた技術者もいたのだ。きっとM1-02は彼の席だったのだろう。権力の椅子に座った者の命令で巨大なキーボードを叩きながらコマンドを入力した彼の姿も想像するのは難くない。

しかし、この二人-それ以上の可能性もあるだろう-の協力は長続きしなかったようだ。結局、一人はあれほど望んでいた席で死を迎え、もう一人は永遠に姿を消してしまったからだ。力を作り出した者たちが一般人と同じように愚かな死を迎えたのか?

もしも彼らが引き続きこのSCiPに止まっていたのなら、そして齎す情報の有用性を悟っていたのなら、世界の歴史は揺れに揺れたのだ。権力を、そして富を手に入れた可能性もあり、ついには全人類を監視し、最悪のビック・ブラザーとして君臨していたかも知れない。

幸いなことに私はオセアニア人民ではなく自由主義国家の市民だが、時々このような考えが頭をよぎって不気味な気分に嫌気が差すことがある。最悪の場合、我々の研究でこのSCiPを完全に理解することが出来たのならば、財団も堕落の道に入り兼ねないという考えに研究をやめてしまおうかと思ったことも多い。

しかし、このような魅惑的な研究テーマを放棄することは出来ない。私はまだM1-01がどのように作動するのかも知らない。M1-02の場合はその機能も未知数であり、M3-sの構造を理解することが出来れば素晴らしい進歩を手に入れることが出来るだろう。しかし、我々の研究はあくまでも学問的疑問の充足と、このSCiPの収容に向けたものでなければならない。

もしかしたらM2-c1がその場に残っているのは、我々が邪悪な道に入らないようにする血濡れた警告を意味しているのかもしれない。

アルファチームの研究総責任者、ヘンリー・ウィンストン

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