内部メールコピー

from:Tictoc博士
to:O5-█,O5-█

そら見たことか。メンバーをテストするのは正解だった!
とうに言ったはずだ、ウチの研究員には情報への繊細さが必要だということを!
近頃の連中ときたら、何故クリアランスを付与されたのか分からないような奴ばかりだ。
あれほど目立つ誤りさえも見つけられないとは!

私が何処かのKeterに殺された後、こんなデタラメな報告書を目にしたら。プロトコルを見直さない奴がいるだろうか?

それに、もしそのKeterが情報災害だったら、一体全体どうなってしまうんだ?

私は財団で何年も働いてきた。天寿を全うしたいなんて、いまさら考えちゃいないさ。
この無礼なメールを口実に、諸君が私を解雇し、記憶処理してくれるのなら、それはもう願ってもないことだ。
だがな、今度ウチによこしてくる研究員は、非常用の核爆弾を起動させないような連中にしてもらいたい。
──あの時、私がプロポーズするチャンスを無駄にして、重大な事実に気付かなかったら。
我々はとっくのとうに、爆弾を起動していたことだろう。
諸君はこれがどういう事態なのか、私よりずっと分かっているはずだ。

今後、レベル4クリアランスを付与する際は、より慎重に行ってもらうよう願っている。以上だ。

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