SCP-CN-1171
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アイテム番号: SCP-CN-1171

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-CN-1171は性質上、収容することが不可能であり、現象の発生を予測することも困難です。そのため、記憶補強薬を服用したエージェントが「賞品」「チョコレートトースト」に関するインターネット上の情報を追跡調査し、影響を受けた受賞者を特定した場合、記憶処理を施してください。 SCP-CN-1171の異常性により、大規模な情報操作や記憶処理は不要と判断されています。

説明: SCP-CN-1171は、表彰、入賞、賞品贈呈などの性質を持ったあらゆる状況で、極低確率かつランダムに発生する精神作用をもった現象です。SCP-CN-1171が発生した場合、受賞者が受け取る報酬はすべてチョコレートトーストに置換されます。 賞品がチョコレートトーストであることに対して認識することは可能であるものの、記憶補強薬を服用しない限り、受賞者以外の人物は賞品としてチョコレートトーストが授与されたことに疑念を抱かず、受賞者のみが異常性を認識します。ランキングや認定、栄誉などの賞に対する付加価値には何ら影響はありませんが、受賞した本人だけが異常を認識するため、高い確率で混乱や怒り、不満などの感情が生じます。チョコレートトースト自体は精神異常が発生することを除き異常性は存在しておらず、摂食することが可能です。電子的に与えられる賞(例:テレビゲームのランキング)においては当該現象の発生は確認されていません。

SCP-CN-1171が賞品をチョコレートトーストに置換するタイミングや方法は判明していません。映像解析の結果、表彰の際に異常性は確認不可能であり、賞品が置換されたという結果のみが残されました。

SCP-CN-1171の精神影響の効果により、財団は異常性を長期間発見することができていませんでした。20██/██/██、第██回オリンピック競技大会の第██種目で優勝した中国選手である王██は、組織委員会からチョコレートトーストを授与されました。彼はすぐにチョコレートトーストを地面に叩きつけ、スタッフを罵倒した後、その場から連行されました。この様子は大手ネットメディアで配信され、記憶補強薬を服用していた財団の監視スタッフが発見し、異常性が確認されチョコレートトーストを回収、検査が実施されました。事案の規模が大きく、大規模な記憶処理を実施することが困難であるため、カバーストーリ―として「選手の質が悪かった」と流布することで情報は隠蔽され、優勝者本人に記憶処理が実施されました。その後、財団では類似のキーワードを用いた事象のコメントをネット上で複数件発見しましたが、これらの発信は財団Webクローラーでは根拠のない不確かな情報であり異常性はないものとして扱われていました。以下はSCP-CN-1171の典型的なシナリオとその結果です。:

番号 受賞者 受賞内容 事案結果
SCP-CN-1171-23 林██ 小学校算数コンクール██杯で優勝、賞品は賞状 林██はチョコレートトーストをすぐに食べようとしましたが、母親に止められ、家の陳列棚に飾られました。2年後、母親はカビの生えたチョコレートトーストを取り出し、中学校入学のためにコピーを作成しました。 林██は自分の携帯端末を入手後、平らになったパンを撮影しソーシャルメディアに投稿したところ「小学校のころにとった一等賞を自慢してどうする」などのコメントが届きました。
SCP-CN-1171-35 李██ ██有限会社の年末賞、賞品はボーナス チョコレートトーストを受け取った李██は不満な態度を露にし、年末の会議で上司と口論になり、その後「消極的でやる気がなく、コミュニケーション能力が不足している」という理由で解雇されました。 李██はこの出来事をSNSに投稿しましたが、友人からは諭され、両親からは叱責されました。
SCP-CN-1171-51 江██ ██大学先進個人賞、賞品は賞状 江██はチョコレートトーストの入手後混乱し、相談に対しても効果がなかったためSNSで不満を述べつつチョコレートトーストを摂食しました。
SCP-CN-1171-59 张█ 敢闘賞、賞品は賞金と賞状 张█は賞品に不満を持っていたものの、受賞時の雰囲気もあり口には出しませんでした。 彼の家族は、この賞を大変な名誉として、チョコレートトーストを玄関に飾っていました。 张█本人はSNSで不満がある事をほのめかしましたが、何のコメントも得られませんでした。 パンは屋外に長時間さらされたため、虫や鳥に食べられてしまいました。
SCP-CN-1171-77 徐██ 20██年第██回パルムドール最も残念な俳優賞を受賞、賞品はトロフィー 徐██自身はその場にいなかったため、チョコレートトーストは彼の自宅に郵送された後、彼のアシスタントによって廃棄されました。当該事象は、後に財団職員がビデオ記録を調査した際に初めて発見されました。

事案CN-1171-A
20██/██/██、職員チームが財団サイトの定期検査を行った際、陳列棚にて固まったチョコレートトーストが発見されました。 映像記録を確認したところ、2週間前にSCP-CN-1171が発生していたことが確認されました。同サイトにおいて故人職員への名誉勲章授与式が行われていたところ、SCP-CN-1171が発生し、名誉勲章がチョコレートトーストに置換されていたことが確認されました。 出席者が少ない上に内部調査では異常はないとされており、記憶補強薬を服用した職員もその場におらず、受賞者が亡くなっていたためSCP-CN-1171の発生に気付いた職員は存在しませんでした。 その後、対策チームのスタッフが他部門と交渉した結果チョコレートトーストを回収し、名誉勲章の再受賞を要請しましたが、異常性により他部門から「形式的すぎる」とされ、多くの軋轢が発生しました。

その後、研究員が勲章の製造工程を調査したところ、製造スタッフがチョコレートや小麦粉などパン作りに必要な材料を購入し、勲章を製造するための型で使用していたことが判明しました。当事案により、SCP-CN-1171の影響が賞品作成段階で既に開始されていることが確認されました。

SCP-CN-1171の発生率は極めて低くほぼ無害であることが確認されているものの、職員の精神影響に対する訓練を強化し、必要に応じて薬剤を増産する必要があります。

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