SCP-CN-121
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アイテム番号: SCP-CN-121

オブジェクトクラス: Safe Euclid

特別収容プロトコル: SCP-CN-121はサイト-CN-██の標準収容ロッカーに保管され、2名の武装した保安要員によって警備されます。オブジェクトの取得を試みる人間を阻止するため、保安要員には非致死性制圧手段の行使が許可されています。オブジェクトを用いた実験申請にはレベル4以上の職員1名以上の許可が必要です。 インシデントCN-121-A以降、オブジェクトに対する一切の実験は禁止されています。オブジェクトを移動させる際は漢民族以外の職員のみで実施されなければなりません。財団中国支部のエージェントはSCP-CN-121に類似した物品が存在しないか常時注意するとともに、類似品を発見した場合は速やかに確保してください。

説明: SCP-CN-121は直径17mmの円形をしたプラスチック製のピンバッジです。バッジの中心には中国の革命家である故・孫文の肖像がプリントされており、中国・台湾に点在する歴史的観光地の土産店にて大量に販売されているバッジと同等の形状をしています。

SCP-CN-121の異常性は漢民族の人間が当オブジェクトを目視した時に発現します。漢民族以外の人間に対しては異常性が発現しないことが実験で確認されています。漢民族の被験者がSCP-CN-121を目視すると、オブジェクトを着けたいという強烈な願望を抱くようになります。被験者の目線とオブジェクトの間を遮ることでこの願望は取り除くことが可能で、この場合副作用は発生しません。

被験者がSCP-CN-121を着けてから3秒後、被験者の体は瞬間的に消失します。被験者の消失後の位置を特定する試みはみな失敗に終わっており、被験者の体に取り付けられたGPS装置も消失と同時に信号を発しなくなりました。

消失した被験者(以下、SCP-CN-121-1と呼称)は12時間~3日後、中華圏(中国大陸と台湾、香港、マカオ地区を指す)の地方または政府機関が開いている議会の会場内に出現します。消失前に着用していた服装に関らず、再出現したSCP-CN-121-1は青い人民服とズボン、黒い革靴を着用しており、またSCP-CN-121を装着しています1。出現したSCP-CN-121-1は演説を始め、この間、SCP-CN-121-1を傷付ける以外に対象の演説を阻止する方法は存在しません。演説の内容は中国近代史や中華圏における近年の政治・外交に関する評論を含みます。演説中、SCP-CN-121-1はこれらの話題に対する広範な知識を有している様子を見せており、中には政府が公開していない歴史的事件2について言及することもあります。SCP-CN-121の演説には非常に急進的な民族主義の傾向が見られ、また西洋文明に対する憎悪と[データ削除]をも表明しています。SCP-CN-121の演説は空間内に存在するあらゆる人間の意識に影響します。影響を受けた人間はある種の興奮状態に陥り、演説が盛り上がりに差し掛かると盛大な拍手を送り、大声でスローガンを叫びます。また、影響下の人間はSCP-CN-121の演説を制止しようとする試みに対し、暴力的な手段を用いて抵抗するようになります。その他、外部より会場内に進入してきた人間もこの精神影響を受けます。実験の結果、SCP-148(”テレキル合金”)で制作されたヘルメットを装着することにより、SCP-CN-121-1の精神影響を防止できることが判明しています。

演説を開始してから3~7時間後、SCP-CN-121-1は「革命いまだ成らず、各位努力すること!」と言い放つと、演説を終了し、意識を失います。この時、会場内の人間が受けていた精神影響も消失し、彼らは演説中の出来事に関する記憶を忘却します。その後、SCP-CN-121-1は生命活動が停止するまで昏睡状態を保ち続けます。

財団はSCP-CN-121を収容して以降、数回に渡って実験を行いました。以下はSCP-CN-121-1が出現した地点の抜粋です:

中国██省██市水道局
中国██直轄市財政局
台湾██県██村役場
中国香港██区議会

初期収容記憶: SCP-CN-121は20██年に財団エージェントによって発見されました。中国██市在住の少年が家族と共に台北市を観光した際、中正紀念堂3の土産店にてSCP-CN-121を購入しました。帰宅後、少年がSCP-CN-121を装着したまま失踪する事件が発生、██時間後に少年はSCP-CN-121-1に変化した状態で台湾立法院4の議場に出現しました。立法院に潜伏していた財団エージェントが即座に司令部へ通報したことで、立法院の周囲は直ちに封鎖されました。財団が立法院議場への進入を試みた所、精神影響を受けた立法委員とスタッフによる強固な抵抗に遭遇しました。また█名のエージェントが新たにSCP-CN-121-1の影響を受けたため、財団は人員の不必要な消費を懸念し、議場への突入作戦を中止しました。演説を始めてから4時間後、SCP-CN-121-1が意識を失ったことでようやく財団は議場に進入し、オブジェクトを確保することに成功しました。当事件により、中国支部は成立以来最大規模となる集団記憶処理を実施する事態となりました。現在、影響を受けた少年は依然として昏睡状態にあります。

補遺: インシデントログCN-121-A

██/██/██の実験において、SCP-CN-121-1-09に変化したD-98658が消失から42時間後、サイト-CN-██で進行中であったO5-CN全体会合の場に出現し、[データ削除]を試みました。██時間後、SCP-CN-121-1-09の終了に成功し、対象の遺体からは以下の文章が記された紙片が見つかりました:

先生遺嘱5、尚未完成。吾等同仁6、仍需努力。
復我華夏7、帰我瑰宝8。駆夷██、[データ削除]。
魚躍鵬飛9、冬去春回。蒼死黄興、天道所帰。

インシデント後、中国支部管理会は全会一致で当オブジェクトに対する現行の収容プロトコルの適用を決議しました。中国支部はオブジェクトの背景への関与が疑われている要注意団体についての調査を展開しています。詳細はドキュメントTD-12535を参照してください。

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