SCP-CN-756
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アイテム番号: SCP-CN-756

オブジェクトクラス: Euclid Keter

特別収容プロトコル: 現在SCP-CN-756はその性質によりSite-CN-100内に位置する天山山脈地下1kmの深度に設けた施設に収容されているため、同時にSCP-CN-756に関するあらゆる実験は凍結されています。SCP-CN-756の収容施設は200×200×50mの大きさの地下構造であり、全ての出入り口は厚さ3mの装甲チタン合金で構成されています。毎年SCP-CN-756の監視・収容設備及び空気交換設備の点検作業を行う必要があります。この点検作業を行うに当たり決してミスが無いように、必ず事前に半数以上のO5人員の審査を通じて確実に任務を遂行できる技術職員が用意されなければなりません。あらゆる物体の接触が新たなページの開放を引き起こす可能性があり、ページの解放が疑われる場合すぐさま設定された最終手段である緊急プロトコル―設置された400万トンの水素爆弾の爆破を実行する必要があります。Site-CN-100の爆破後ただちにSCP-CN-756の再収容を行うと同時に外部要因によるページ開放が発生していないか確認してください。

説明: SCP-CN-756は表紙サイズ20cm×30cm、厚さ3cmの左綴じの書籍です。オブジェクトは全147ページでありその内訳は口絵部分と巻末の空白2ページ、目次4ページ、「スタート」という表示の1ページ、そして残り140ページのメインコンテンツで構成されています。

オブジェクトの表面全体は白色で、そこに《一から不可説不可説転》というタイトルと《よくわかるヒンディーの数量単位》というサブタイトルが全て黒のブロック楷書体で印字されています。出版日に関する記述はオブジェクトに存在せず、現在は1997年に空港待合室の簡易販売所で販売されたことだけが判明しています。

SCP-CN-756の目次は各ページに収録されている"数"の一覧となっており、最初に一、次に十,百,千,万…と続いていき、最後の項目にヒンドゥー教の教えにおいて最も大きい数とされる"不可説不可説転"、以上の数について収録していると表記されています。これらの数に関する記述は各ページの見開き片面にのみ印刷されており、反対側のページは白紙となっています。

これまでに開かれたページの内容から推測するに、全てのページにおいて本文はたった1文のみが存在し、各文章は次のABCの文節で構成されいます。Aの部分は数詞、Bの部分は助数詞でCの部分が対象を示しており、文全体として相応のレベルの物品を対象に設定して説明しています。(例:"一"のページの文章は"1頭の馬(一匹马)"です。A部分が"一(一)"、B部分が"頭の(匹)"、C部分が"馬(马)"です。))

いずれかのページが開かれた際にオブジェクトの異常な特性が顕わになり、開かれたページの文章の説明がその場に具現化します。1度ページが開かれた際の異常な特性が発現すると、それ以降同一のページを開いても異常な特性は確認されません。オブジェクトの閲覧は、左の表紙側からしかできません。オブジェクトの左から右へ、つまり最初の1ページ目から順にページをめくることのみ可能です。サンプリングではページを構成する紙が通常の書籍のそれとの違いは確認できませんでしたが、本を最後のページから開こうとするとページを開くことが出来ず、また本のなかほどから開く試みも失敗に終わりました。SCP-CN-756の破壊は事実上不可能であり、更に自身の特性が発生させた現象に対する耐性を持っているようです。

SCP-CN-756は1997年に上海虹橋国際空港で回収されました。当時海外での任務のために財団中国支部の所有する専用機の到着を待っていたエージェント・周███は、空港の待合室にある簡易販売所で1冊の書籍を購入しました。彼が"一"について記述されているページを開くとページには上述の"馬"に関する説明文が掲載されており、直後すぐ近くに馬1頭が出現し群衆に怯えて空港内を駆け回りました。馬は空港のセキュリティによって射殺され、エージェント・周███と到着した現場スタッフの手で関係者に記憶処置を施し同時にSCP-CN-756を回収しました。

当初SCP-CN-756はEuclidクラスに分類されていました。しかし最初の数ページを用いてその特性を解明する実験を行った際、結果的にSite-CN79を物理的に完膚なきまでに破壊し殺菌処理を行うこととなったインシデント756-CN-2が発生し現状のオブジェクトクラスに対して問題提起がなされました。O5-CN評議会による協議の結果、SCP-CN-756はXK-クラス:世界終焉シナリオから最悪の場合ZK-クラス:現実不全シナリオを引き起こす危険性があるとしてKeterクラスに再分類されることが決定されました。以降SCP-CN-756は外界から完全に隔離され、最高レベルの徹底した収容がなされることになっています。
 
 
実験記録CN-756-1:
実験日時:1997/██/0█
実験監督:ジェイク・クロウ研究員 (セキュリティクリアランスレベル3)

第1次実験:
試験人員:D-7561
実験内容:2ページの開放
対応する単位:十
ページの記述:十杯のチャーハン
出現状況:D-7562の傍に10杯同時に出現した。
備考:出現したチャーハンに、通常のチャーハンとの有意な違いは確認されませんでした。

第2次実験:
試験人員:D-7561
実験内容:3ページの開放
対応する単位:百
ページの記述:百トンの銅球
出現状況:D-7561の傍に巨大な球体が出現しました。成分調査の結果、球体は純度100%の銅で構成されていることが判明しました。
備考:銅球は収容エリアの壁を解体することで搬出され、その後売却され財団運営の資金となりました。

第3次実験:
試験人員:D-7562
実験内容:4ページの開放
対応する単位:千
ページの記述:千本の針
出現状況:大量の針がD-7562の周囲の空中に出現し、D-7562は軽傷を負いました。
備考:強力な磁石を用いて回収した結果、丁度1000本出現したことが判明しました。その後一部の研究員がオブジェクトが物体を生成する仕組みを解明することを提案し、それが他の職員の支持を得たため特定のページを直接開く試みが行われることとなりました。

第4次実験:
試験人員:D-7563
実験内容:中央付近のページの開放
実験結果:D-7563は、ページが密着しており開くことが出来ないと主張。釘などをページの隙間に差し込むことが出来ても開くことは出来ませんでした。
実験内容:巻末ページの開放
実験結果:D-7563は、やはりページを開くことが出来ませんでした。にもかかわらず、「紙自体は普通のそれと同じだと感じる」と述べており、またオブジェクトに強い力を加えても破れることはありませんでした。

第5次実験:
試験人員:D-7563
実験内容:ページを開放せずに破壊を試みる
実験結果:表紙及び内部のページ全体が、耐火・耐水・耐尖鋭性であり破壊は非常に困難です。爆風のように衝撃を起こすものは、意図しないページの開放につながる恐れがあるため実験されませんでした。

第6次実験:
試験人員:D-7563
実験内容:5ページの開放
対応する単位:10000
ページの記述:20000Lの二酸化炭素
出現状況:3ページ目を捲った辺りでD-7563は突然喘ぎ始め、2秒後に崩れ落ち死亡が確認されました。エアモニタは高濃度の二酸化炭素が充填されたことを示しており、すぐさま職員は実験室の外へ避難しました。
備考:この時の二酸化炭素の排出圧力によって、次のページが開きかけている様子が記録されています。これによりSCP-CN-756の特性についての議論が改めて行われました。次の項目による物体の具現化による更なる混乱が予想されるため、実験は中断されました。
 
 
incident CN-756-2:
第6次実験の後、SCP-CN-756の異常な特性について研究員の間で論争が発生し6ページ目の"億"の項目についての実験を継続するか否かが議論され、最終的には実験反対派が上級職員の承認を得てSCP-CN-756はより厳重な収容を行うために移送されることが決定しました。しかし200█/██/██ Site-CN-79からの移送作業中にポーターのミスにより、簡易収容ケースが3mの高さのフォークリフトから落下しSCP-CN-756が露出しページが開放されました。直後SCP-CN-756の周囲の中空からゴキブリが洪水の如く出現しこの時SCP-CN-79内に居た全職員が死亡しました。

少なくとも数百万匹は発生したと考えられるゴキブリの脅威に対してO5-CNはまず物理的な消毒プロトコルを承認し、SCP-CN-756が発生させた数量不明のゴキブリとSite-CN-79に対して数十機の爆撃機を使用してのFAE投下が行われました。数日後Site-CN-79跡地を捜索したところ、予期しない多数の炭疽菌が検出されました。これらが完全に消滅するまでに████人の職員と██人の民間人が死亡しました。SCP-CN-756はSite-CN-79跡で数十トンにも上るゴキブリの死骸の中から発見され、この時7ページが開放されていることが確認されました。6ページと7ページの項目はそれぞれ"億"と"兆"であり、文章はそれぞれ"億匹のゴキブリ","兆株の炭疽菌"でした。また内部のページは無傷でした。

O5-CN評議会による最終決定通達:

我々評議会による議論の結果、SCP-CN-756をKeterクラスとして再分類する。担当者は収容をより厳重なものとし、決して次のページが開放されることがあってはならない。

半年前旧Site-CN-79はSCP-CN-756の犠牲となり、またこの時の出現物体の数は"兆"へと増加している。次は10^16即ち"京"から開始されるだろう。これほどの量で記述されるのがどのような物体であるかは想像も付かないが、これは既に我々人類が一般的に扱う身近な数の範疇を逸脱している。

恐らくSCP-CN-756の最後の項目は「不可説不可説転」だろう。仮にこのページの文章が「不可説不可説転個の、紙上に記載された零」だったとしてこれを通常のA4用紙に書き込むには両面に1000個書いたとしてその総質量は1.488735352*10^35グラム、太陽の約74.8倍の質量である。そしてこの数字はあくまでも我々の想定の中で最も被害が小さいものでしかない。

この宇宙に存在する原子の総数は大体10^80個程度だとされている。この数字はSCP-CN-756においては21頁と22頁の間の数でありこれより先には120ページも残っている。1ページ毎に地球に物質的に宇宙よりも大きな物体が出現し、さらにこれらの物体は1回1回がこの宇宙全体の総質量を超える重量を持っているのだ。

我々に次の出現物体を予測する術は無い。しかし我々にもできることがある。SCP-CN-756を収容し、決して次のページが開放されることが無いようにしなければならない。

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