SCP-CN-813
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アイテム番号:SCP-CN-813

オブジェクトクラス:Safe

特別収容プロトコル:SCP-CN-813の所在地はC区2号隔離区に指定されています。外観を月の自然岩石に偽装した財団無人監視拠点が、SCP-CN-813境界であるクレーターの稜線に沿って、円周上の12箇所に等間隔で配置されています。無人監視拠点はSCP-CN-813内部の状況を可能な限り詳細に記録し、特に映像記録と地震波トモグラフィーの記録を重視してください。記録は定期的にエリア-CN-62メインサーバーにアップロードされます。

無人監視拠点は異常組織構成員によるC区2号隔離区への侵入を監視し、許可されていない人物の侵入を阻止してください。侵入の可能性が認められた場合、機動部隊-庚子-12(“月の都の飯”)が該当人物を拘束し、エリア-CN-62に連行します。該当人物は拘留・尋問された後、渉外部門からの許可が下りた場合に、記憶処理を施した状態で釈放されます。

異常空間部分でのSCP-CN-813-Aの探査と分析は、現在はドローンによってのみ行われています。SCP-CN-813-Aに対する3Dスキャンは、電子文書形式でエリア-CN-62に保存され、各探査結果と同期して更新されます。エリア-CN-62科学部門は、SCP-CN-813-A内部装置と当オブジェクト空間自体のリバースエンジニアリングを担当し、関連成果と報告は即座にアーカイブされます。上記のSCP-CN-813-A関連資料の閲覧には、機密保持のためレベル3以上のクリアランスが必要です。

SCP-CN-813-Bとの接触には、オブジェクト担当者とサイト管理者からの承認が必要です。職員個人の道徳心に基づいた、SCP-CN-813-BをSCP-CN-813から救助しようとする試みは不必要です。SCP-CN-813-Bをエリア-CN-62として使用する提案が、サイト倫理委員会によって審議中です。

情報が極めて不足しているため、SCP-CN-813-Cは確実かつ有効に収容できていません。現在は、SCP-CN-813の正常な動作の保証が、SCP-CN-813-Cの危険性の最小化に繋がると考えられています。プロジェクト”覚夢海棠花”関連技術が、SCP-CN-813の研究と収容の試みに応用されています。関連組織への外交スタッフ/潜伏エージェントは、オブジェクトのより詳細な情報を入手するために、要注意団体“住血吸虫保護協会”および要注意団体“迷宮”との接触を維持してください。

説明:SCP-CN-813は月の[編集済]地域に存在するクレーターと、その内部の関連アノマリー群です。SCP-CN-813は半径約22kmのクレーターで、主な異常区域は内側の平坦な窪み地形部分です。クレーター外縁部の山脈がオブジェクト区域の境界線であると推測されます。SCP-CN-813は約4000万年前に形成され、岩体組織の成分に異常性はありません。

SCP-CN-813-Aは、SCP-CN-813内部にある全ての関連装置です。SCP-CN-813-Aは、異常空間内部の機械と、SCP-CN-813に分布するシャフトの二つを包括した名称です。SCP-CN-813中央の地上3m地点に存在するSCP-CN-813-A集合異常空間は、外部との境界が3mX3mX3mの立方体であり、ガラスに似た外観を持ちます。この立方体組織の境界を通過した場合、1500m3を超える負の奥行きを持つ空間に入ります。内部には他の空間に繋がる連絡通路が存在することが確認されていますが、通路の実際の位置は現在未発見です。異常空間には人間と機械が自由に出入りすることができます。異常空間の内部には大量のSCP-CN-813-Aがあり、相互に統合された一つのオペレーティングシステムとなっています。その一部を以下に列記します。詳細な各装置のリストは、権限に従って対応するファイルSCP-CN-813-Aを参照してください。

SCP-CN-813-Aのシャフト部分は72個がランダムに、又は未知の規則に沿ってSCP-CN-813の地下岩層内に分布します。全てのシャフトは開口部が露出した状態で、月の地表と直結しています。シャフトの水平断面は正方形で、深さは36~108m、主な建築材料はコンクリートと鉄筋、表面は鋼材で覆われ、一部の重要な構造部位には異なるナノ材料が使用されています。シャフトの垂直方向には、6~12mの間隔でキューブ型の一人用居住空間が接続されています。居住空間には、生活に必要な家具と監視システムが共通して備え付けられています。居住空間は気密ハッチによってシャフトと宇宙空間から部分的に隔離されているため、居住空間の内部は人類の生存に適した大気環境を維持しています。

不定期に、異常空間内部のキューブ型反重力輸送貨物室(SCP-CN-813-A-22)は、1名のSCP-CN-813-Bと食料を積載して異常空間を離れ、浮遊状態でSCP-CN-813-Bを無人の居住空間へ輸送します。SCP-CN-813-Bを居住空間に滑り込ませた後、貨物室は内部無人居住空間の気密ハッチとドッキングし、ハッチを開けてSCP-CN-813-Cの居住空間への進入を待機します。その後、貨物室は異常空間の内部へ戻ります。

SCP-CN-813-Bはクローン人間群で、その全員がSPIの上級幹部である敬超ジン・チャオ博士(POI-14432)と同一の遺伝子配列を有します。SCP-CN-813-Bは一般的な成人男性と同等の知能を持ち、現代中国語と現代英語を使用した流暢なコミュニケーションが可能です。SCP-CN-813-Bには自身の過去などに関する偽記憶の植え付けは行われておらず、SCP-CN-813-B自身は、「自分の人生は貨物室の中で始まった」と認識しています。SCP-CN-813-Bの存在はSCP-CN-813-Cに関連していると考えられています。

現在、財団はSCP-CN-813-Cの存在に対して多様な理論的推測を行っています。多くの証拠が発見されるより以前は、SCP-CN-813-Cは財団の直接的な観察記録に基づいて、SCP-CN-813地下岩層の地形構造に存在する異常現象と見なされていました。SCP-CN-813-Cは一定の周期で、段階的にSCP-CN-813の内部に出現します。出現の初期段階では、地表に穴が発生します。一定時間の経過後に地表の穴は塞がり、SCP-CN-813の地中に内部が真空の空洞が形成されます。その際、SCP-CN-813-C空洞の位置に存在した物質は一時的に消失します。空洞は地中を持続的に移動し続けます。

SCP-CN-813-Cの穴および地中の空洞の輪郭はクジラに似た形状を示し、体長は20m前後、行動の特徴もクジラに類似しますが、現在は特徴の一致する具体的なクジラの種名を特定できていません。最大で16個のSCP-CN-813-CがSCP-CN-813の岩層内部に同時に出現した記録があり、当時はSCP-CN-813-Cの一部に「繁殖」に類似した行動パターンが発生していました。

SCP-CN-813内部に存在する間、SCP-CN-813-Cは常に空洞先端の「口」を「開く」行動を能動的に行い、シャフトの存在する区域を通過する際は、「捕食」に似た行動をとります。その際、シャフトの居住空間にSCP-CN-813-Bが存在する場合は、SCP-CN-813-C通過時に完全に消失し、再出現することはありません。財団がDクラスを使用して行った実験によって、この消失現象は人間に対してのみ発生することが判明しました。SCP-CN-813-C空洞がSCP-CN-813-Bを通過する際に、SCP-CN-813-Bの肢体の一部が境界の内部に収まっていなかった場合、SCP-CN-813-Bは移動後に[データ削除済]。

付録M-CN-813.1:矽宇シウ市内数カ所の関連組織拠点での諜報活動を通じて、要注意団体“住血吸虫保護協会”および要注意団体“迷宮”からオブジェクト関連資料2件を回収しました。

M-CN-813.1.1:“迷宮”から回収した文書

重要ターゲット情報総覧ファイル

基本情報


コード: Maze-763-8d9-Ob 重要度クラス: Monument
時空座標ラベル: (レベル0)月、宇宙 関連名称: (レベル1)ウロブチクジラ保護区給餌システム
(レベル1)SCP-CN-813

作戦計画


目的:
(レベル0)SPIの[編集済]関連情報と、入手した関連野生動物の資料を報酬とした、SPIから要求されたシステムの製造。


情報リスト


概要:
(レベル0)Maze-763-8d9-Obは、SPI指定の自然保護区内に建造された、Maze-22b-477-Cr“ウロブチシウクジラ”用の自動給餌システムです。システムの探査/制御/生産系統は改造擬リーマン多様体による負の奥行き空間の内部に設置され、Maze-22b-477-Crによる損傷を防いでいます。月の保護区内部には、主に投餌設備が建造されています。
 
投入される餌は、Maze-763-8d9-Obシャフト内部に収監されたクローン人間です。外宇宙から保護区へ立ち寄ったMaze-22b-477-Crが、繁殖期間中に自主的に摂食します。


 関連勢力摘要:
(レベル0)SPI(Maze-893-472-Gr):建設提案者。主要な建設パラメータと交換用の情報を提供していただきました。

(レベル1)SCP財団(Maze-005-0d7-Gr):月地表の基地でオブジェクトを観測し、“SCP-CN-813”として異常データベースに登録しています。組織が関連する科学技術を掌握していること、またシステム自体が重要度の高い情報/部品を含まないことから、SCP財団の観測行為を制止または妨害する必要はありません。

(レベル0)世界オカルト連合(Maze-052-77a-Gr):Maze-22b-477-Crの捕獲・狩猟を計画中のため、Maze-763-8d9-Obの存在を感知されることを阻止してください。



M-CN-813.1.2:SPIから回収した文書

RICPI実行委員会

種番号:20820030417290

種名:ウロブチシウクジラ (Xiyus urobuchianus )

保護レベル:無視されし希少

分布:主にカイパーベルトと小惑星帯に生息し、太陽系内から太陽系外への渡りを行います。

概要:[データ削除済]

研究の歴史:2003年の矽宇市を中心とした種の大規模一斉調査の際、敬超博士によって発見されました。発見当初は食性を含む情報の不足から、5名のRICPI構成員が犠牲になりました。種の主な生息地や生理学的特徴が原因で、従来は該当物質の具体的数量や分布の詳細な統計を取ることができず、また、この種に対する身体構造上の進んだ研究を展開することも不可能でした。そのため、この種に関する研究は進歩が極めて遅く、一時は停滞していました。

この種は人間のみを食べる食性や、恒星系間で渡りを行う特徴を持ちます。これらの情報は、情報組織“迷宮”との情報交流と、その航空宇宙設備と空間構造技術の補助を得た複数回の探査を経て明らかになりました。

保護措置:この種は人間を直接捕食するため、スタッフによる直接接触は死に至る可能性が高いです。この種が人類コロニーでの捕食行為を行い、双方が互いにとっての脅威となることを防止するために、周期的な繁殖場となる保護区を月面上で最大かつ辺境の区域に画定し、自動給餌システムを建設します。RICPIにはこうした措置を行う能力が無いため、“迷宮”に措置を委託しています。

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