補遺 V1L3.1: SCP-076, SCP-073
その大柄な少年が歩く時、サイト-17高校の廊下はしんと静まり返った。臆病な生徒たちは蜘蛛の子を散らすように逃げ去り、残りは彼の視線に怯えて避けるのに必死だった。教師の群勢は彼を指導に戻す為になだれ込むが、彼がシャツを脱ぎ捨て、その艶やかに波打つ筋肉をさらけ出すと同時に引き下がった。ちょうど廊下の向かいから、同じくらい長身で筋肉質で、しかしより穏やかな雰囲気の少年が、おそれをもって彼を見つめていた。
「彼は?」
12ツに割れた腹筋を見つめ、少年は尋ねた。そばにいた女子生徒が小声で、興奮しながら説明した。
「アベルよ!学園中の憧れの男子で、でもとっても不良だから怖くて誰も声をかけられないの。自分を呼び出した先生をことごとくボッコボコにしちゃうのよ。」
少年はアベルの脈打つ二頭筋に目を離さずにただ頷いた。やがて彼はゆっくりと歩を進め、近づくものに気づいたアベルは振り向いた。
「ハッ。ずいぶん勇敢なヤツがいたようだな?アンタも俺を『収容』しようってのか?」
アベルは嘲笑いながらゆらゆらと歩み寄った。
「フン、見覚えのない顔だ。新顔か?」
「あ、えーと、うん。ぼ、僕は、カ、カインです。はじめまして。えっと、よろしく。」
少年はどもりつつ答えた。今、アベルのひかがみの腱を想像して、口に唾液が溢れた。
「僕は、えっと。サイト-19高校から転校してきたばかりなんだ。」
「ふうん、カワイイもんじゃねえか。しかしまあ、なんだか俺と似てねえかい、アンタ。」
アベルは首を擡げ、じっとカインを見つめた。
「こいつはオシオキしなきゃなあ?」
途端、空間は静まり返り、同時にアベルはカインを掴み、膝の上に持ちあげた。カインの緩いジーンズをずり下ろし、その引き締まった臀部を剥き出しにすると、アベルは彼の腕をひねり上げて[O5評議会指示によりデータ削除済み]
研究員メモ: これはたぶん私の人生で最もひどいものだ。結腸内視鏡検査のシーンは流石にやりすぎだし、そもそもなぜこれで203ページも費やした?強めの記憶処理薬なしで読むことは決してオススメしない。
補遺 V1L3.2: ●●|●●●●●|●●|●,
SCP-055
研究員メモ:
補遺 V1L3.3: SCP-3856, SCP-3856
ロイド研究員は、目の前で背を向ける、見覚えのある男に困惑した。誰が彼を連れてきた?ロイドは収容室に危険なものが持ち込まれる事はないと思っていた──しかし、ああこの少年、いや男は、危険な香りがする。男は振り返って顔を晒した。顔が似てないなんてことはなかった、サングラスを除けば。
「君は誰だ?」
サングラスの男は尋ねた。
「そしてここはどこだ?」
男はロイド研究員を見上げた。
「君、見覚えがある…ついでにおいしそうだ。」
「え、ええっとそれはどういう…いや、なんでもない。私はサミュエル・ロイド。みんなはロイド、もしくはロイド研究員と呼ぶ。私は異常物品なんだが…誰が君をここに?」
「ちょっとからかっただけさ、クセなんだ。私もサミュエル・ロイドだ。ただし、サングラスをかける別次元のね。人は親愛を込めてクール・ロイドと呼ぶ。そして私をここに連れてきてくれたのは、ナード・ロイドだ。」
同じくらいガタイがよく、しかしわずかにナードくさいメガネのサミュエル・ロイドが、同じくドアを通ってきた。
「ねえちょっと、俺の呼び名は『メガネ・ロイド』だろダディ。」
「一体なにが起こっているんだ?」
ロイド研究員は突然現れた、自分そっくりの魅力的な男たちに困惑したまま叫んだ。
「どうして君たちセクシーな紳士たちが、ここに来たんだ?」
クール・ロイドはロイド研究員に歩み寄り、彼の顎を持ち上げた(同じ身長なので特に意味はない。が、なんとなくドラマチックである)。
「俺たちは宇宙じゅうの色男たちを集めている。問題は、我々こそが宇宙一の色男だということだ。だからこれから我々全員でここを逃げ出して多次元[下品すぎるため検閲]パーティーに勤しもうじゃないか。」
ロイド研究員は文句を言うことにした。結局のところ、彼がいなくなることで宇宙全体が危機に陥るのだ。言葉を紡ごうと口を開こうとした時、クール・ロイドの指がロイド研究員の唇に重なって閉口させ、同時にナード/メガネ・ロイドに合図を送ると2人して脱衣し始めた。ロイド研究員は2人の半裸の男たちが踊り、舞い、[O5評議会指示によりデータ削除済み]
研究員メモ: えっと…壊しちゃったかな。
どういうわけか追加実験が行われました。実験ログ