SCP-ZH-261

アイテム番号: SCP-ZH-261

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 現在、33本のSCP-ZH-261実例がサイト-ZH-31で栽培されており、定期的に収穫されます。収穫されたSCP-ZH-261は、長期保存のためにSCP-ZH-261-1に加工されます。SCP-ZH-261及びSCP-ZH-261-1を許可なく消費する行為は固く禁じられています。

説明: SCP-ZH-261は異常性を帯びたサトウキビの株であり、その遺伝的な特徴はニューギニアの野生のサトウキビと同一です。現在、財団はオリジナルのSCP-ZH-261実例から、新たに33本の苗を栽培することに成功しています。実験によって、栽培されたSCP-ZH-261実例群は親株と同じ異常性を持つことが判明しています。

SCP-ZH-261を加工した砂糖、以下SCP-ZH-261-1には、小型の奇跡論的実体に干渉する特性があります。これは主に、SCP-ZH-261-1を消費した人物1の現実性が安定し、関連する奇跡論的実体の現実改変能力から影響を受けにくくなるためです。この効果の範囲には個人差がありますが、実験の統計分析によると、消費者の85%はEVE濃度およそ3.75~4.88までの現実改変効果を無力化できます。この効果は約8時間持続します。

2018/05/14更新:

SCP-ZH-261-1には戦術神学的な用途もあります。特定のパターンを刻み込んだSCP-ZH-261-1の赤糖を摂取すると、その人物の意識と行動はSCP-ZH-261-1の影響を受け、身体能力も一時的に向上します。施設-57の戦術神学部門は、影響を受けた摂取者の行動変化パターンを、キューバ系ヴードゥー教の神格のそれに類似していると判断しています。この効果は約3時間持続しますが、脳に永久的な損傷を及ぼし、摂取者の95%はアルツハイマー病を早期発症して3~4年以内に死亡します。上記の効果は交差した鍵(聖ペトロを表す)、もしくは大工仕事用の定規を添えた棍棒(聖ユダを表す)のシンボルを介して発現することが知られています2

発見: 当オブジェクトは1966年、キューバ国家対異省(MAC)に潜入していた財団エージェントが発見したものです。 回収された内部情報によると、SCP-ZH-261-1はチェ・ゲバラやフィデル・カストロを含む高官数名の食事、とりわけアイスクリームの添加物として使われていました。ペンタグラムの機密作戦データとの相互参照結果は、1990年時点までに、SCP-ZH-261がペンタグラムの超常エージェントによる様々な規模の選択的奇跡論爆撃を少なくとも13回防いだことを示唆しています。

補遺-1: “口述異常史: 赤き剣の影”からの抜粋

背景: 以下は█████氏へのインタビュー記録である。現在85歳の█████氏は、超常都市ペケーニャ・ハバナに住むキューバ系ヴードゥー教徒であり、キューバで発生した“赤剣の夜”事件の目撃者・生存者である。

(インタビュー開始)

張道士: 当時の背景を軽くまとめていただけますか?

█████氏: あれは60年前、カストロが政権を取ったばかりの時期だ…

█████氏: あいつは… 猜疑心の強い統治者でな。国家を守るためならどんな努力も惜しまなかったが、却ってそれがあいつを地獄の悪鬼よりも恐ろしい存在に変えた。それがあの夜の出来事に繋がったんだ。

張道士: そのような事が起きるだろうという予兆はありましたか?

█████氏: いいや、全く無かった。奴らはただやって来て、忠誠を誓うかどうかと訊ね、拒否した奴らをその場で撃ち殺した。

█████氏: あの混み合ったヴードゥー教会には4、50人はいただろう。10分かそこらでほぼ全員殺られた。

張道士: 秘密結社は抵抗を試みましたか? 備えはありましたか?

█████氏: ああ。隠れ潜んだ信者たちは大勢いて、皆各々のウンガンやマンボ3に指示を仰いだ。一部のロア4もこの事件には介入したが、結局は無駄だった。

張道士: 何故?

█████氏: 俺たちだけじゃなく、相手側もロアを味方につけたんだ。こういう激しい争いでは、ウンガンやボコールは皆自分の命を危険に晒す。

█████氏: だが相手はどうだ? 奴らはほとんど手間を掛けなかった。シンボルを刻んだ砂糖菓子を食えば、それだけでロアが乗る5んだからな。

張道士: この砂糖ですかね? (SCP-ZH-261-1の写真を見せる)

█████氏: そうだ。様々に異なるロアのシンボルを刻んで、それを食うとロアが乗る。

張道士: この種の儀式は極めて危険だというお話でしたね? 彼らにはリスクを回避する手段があったのでしょうか?

█████氏: 軍隊で最も重要なのは、命令に唯々諾々と従う捨て駒であることだ。違うか?

インタビューを基に、SCP-ZH-261-1が“赤剣の夜”の虐殺に用いられた可能性は極めて高いと考えられています。“赤剣の夜”に関わる文書資料の多くは、MAC内でも非常に機密性の高い情報であり、同組織の解散にあたって破棄されたため、SCP-ZH-261-1の具体的な運用計画は不透明です。しかしながら、上記インタビューは、このオブジェクトがキューバのヴードゥー神格に関連する可能性をも示しています。神格が関与したか否かの調査は進行中です。

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